::: エロゲーの殿堂 ::: |
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このゲームはマルチサイトシステムを採用したコマンド選択式のアドベンチャーゲームです。 プレイヤーであるあなたは「アルバート」と「マコト」の2人の主人公を操り物語の謎を次々と解き明かしていきます。 「アルバート編」では、取材に訪れた新聞記者として、謎の研究施設であるデザイアを外部の目から探索していきます。 またもう一方の「マコト編」ではデザイアの技術主任として、内側からその謎の実体に迫っていきます。 探索を続けるあなたの前には個性的かつ魅力的なさまざまな登場人物が現れます。 彼ら(彼女たち)の一人一人がそれぞれの思いを秘め、それぞれの物語を持っています。 2つのシナリオをプレイすることで、あなたは登場人物たちの織りなす人間模様の美しくも哀しい光と影を目にすることになります。 どうしてあの時の彼はあのような行動をとったのか・・・・・・なぜ彼女はあの時あんなに切なげだったのか、 別の主人公でプレイしたときあなたはその本当の理由を知って衝撃を受けることでしょう。 さまざまな登場人物たちの言葉に出来ない想いの数々・・・・・・異なる視点から見ることで初めて浮かび上がる真実の数々、 だからこそ表現できた立体的なストーリー構成。 マルチサイトシステムが仕掛けた壮大な罠をあなたは見破ることができるでしょうか。 マニュアルより |
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◆ 背景 ◆ |
1994年7月22日にシーズウェアから『DESIRE
〜背徳の螺旋〜』(PC98版)が発売される。 1997年9月11日にはイマディオからSS版『DESIRE』が発売。原画から書き直されたが、18才以上推奨となってHシーンはカット。 コンシューマで高い評価を受けて、1998年6月5日にWindowsへ移植。再びHシーンとシナリオが追加され、『DESIRE-完全版-』として蘇った。翌1999年7月16日にはWin版がDVD-ROM化されている。 |
◆ 舞台 ◆ |
主人公「アルバート・マクドガル」はSNT社に所属する新聞記者。弱小メディアであるにも係わらず、何故か極秘の研究施設「DESIRE」への取材許可が下りる。疑問を抱きながらも、外界とは隔絶された絶海の孤島へ足を踏み入れる。 アルの恋人であり、一方の主人公である「マコト・イズミ」は「DESIRE」の技術主任。研究中における職員の死に際し、その余りの危険度の高さを憂い、総監督に研究続行の中止を訴えていた。 ゲーム内の期間は7月28日から31日までの4日間。移動場所は島内各所の施設に限定される。しかし序盤では、アル編とマコト編の移動可能な場所が異なる。 |
◆ ターゲット ◆ |
アル編における攻略可能な女性は4人(本番可能は3人)で、Hシーンは各1回ずつ。意外にも恋人マコトとのカラミは無し。 マコト編については、アル編とは打って変わり、かなり内容が濃くなっている。自慰から始まり、男性とのHシーンは5回、女性とのレズシーンは2回の計8回となっている。本作における18禁部分を、マコトが支えていると言っても過言ではない。それだけにマコト役の声優(吉永あゆり)が、Hシーンで気合が入り過ぎているほど。 ちなみにティーナとのカラミは、成長前は勿論、成長後も含めて一切無し。 |
◆ システム ◆ |
各種音量調節、テキストスピード調節を搭載し、随時セーブ・ロードも可能。セーブスロットは全10箇所。スキップはスペースキー強制のため、既読未読判別は不可。過去ログ、オートモードは非搭載で、シーン回想は無く、CG閲覧のみ。ディスクレス起動も出来ない。「Help」内に登場人物紹介を掲載している。 |
◆ シナリオ ◆ |
ストーリーは一本道のAVGであり、全てのコマンドを総当りで潰して行けば、行き詰まることもない。逆に言えば、これが煩わしいと感じる人にはかなりの忍耐が必要となる。 同じ時間軸において、アルが新聞記者として外側から、マコトは技術主任として内側から謎の真相に迫って行くマルチサイトストーリーで、のちに『EVE』へと受け継がれていく完成度の高い手法。 |
◆ 総評 ◆ |
【3人の主人公】 一番最初はアル編しか選べない。オープニングを見た後は、マコト編も選択が可能になる。基本的にどちらの主人公から進めても問題はない。とは言え、やはりアル編からプレイするのが順当。実際2人の主人公のシナリオは対等ではなく、アルの方に重点が置かれている。まずアル編で物語の概要を把握して、マコト編で残された謎の補完をしていくのがゲームの大まかな流れとなっている。 ストーリーが進むにつれて徐々に「DESIRE」の核心へと迫っていくが、2人のシナリオをクリアしても全ての謎は明らかにならない。このアルとマコトのシナリオをクリアした時、これまで選択出来なかった「?編」のシナリオを進めることが出来るようになる。そしてこのシナリオで今までの謎が一気に氷解してゆく。 ところがこの「?編」をクリアしても尚、最大の疑問が残ったままとなる。 【そして完結へ】 1998年5月22日、『DESIRE』の5年後を描いた『CD DRAMA DESIRE』(SS版準拠)が発売されたが、そこでもやはり答えは示されなかった。 そして「完全版」と銘打った今作によって、ようやくその答えが映像化された。「?編」をクリアすると本当に最後のシナリオがスタートする。オートで物語が進行し、音声は勿論テキストも無し。ひたすら真の結末に向かって突き進む。 その結末に関しては賛否両論あるものの、こうして『DESIRE』は、発売から4年の歳月をかけて完結した。
終わって見ると、まるで映画を見ていたかの様な錯覚を感じるほど、練りに練り込まれたストーリー。菅野氏の手腕が如何なく発揮された『DESIRE』には未だ残された謎があり、議論の的となっている。 |
初稿:2003.08.26 二稿:2004.10.01 |
DESIRE -完全
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