::: エロゲーの殿堂 ::: |
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『同級生』は自由度の高い恋愛アドベンチャーゲームです。 学園生活最後の夏休みに、素敵な思い出を作ろうと心に決めた主人公は、残りの21日間に全てを賭けます。 登場する総勢14人の女の子達と、どんな夏休みを過ごすかは、あなたの行動次第です。 完全フルボイス化、グラフィックのハイカラー化など、 様々なパワーアップを施した『同級生』で、あなただけの恋愛をお楽しみください。 さあ、甘く切ない夏物語が、今始まります。 マニュアルより |
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◆ 背景 ◆ |
1992年12月17日にPC98版が発売。FD8枚組という当時のエロゲーとしては大きなボリューム。 1995年11月23日、NECアベニューよりPCエンジン版『同級生』が発売。18才以上推奨だがエロは控え目。代わりに3名の新キャラとイベントの追加、さらに音声付となった。1996年8月9日にはNECインターチャネルより、SS版『同級生〜if〜』が発売。主にグラフィック面が強化された。 そして1999年8月に、エルフからPC98版に準拠したWin版がリリースされた。 |
◆ 舞台 ◆ |
一人暮らしの主人公「たくろう」は、「先負学園」に通う3年生。学内の全女生徒から、要注意人物としてマークされている。そんな主人公も、学生生活最後の夏休みを迎えて、女の子と素敵な思い出を作ろうと決意する。 ゲーム内の期間は8月10日から31日までの21日間となる。移動場所は先負学園がある先負町から、隣町の矢吹町まで含まれる。 |
◆ ターゲット ◆ |
攻略可能な女性は14人。内訳は、ゲームタイトルでもあるメインの「同級生」は意外に少なく4名。下級生(友人の彼女)、教師、保険医が各1名ずつで、以上が学園関係者。その他は、お姉系3、OL1、ナース1、お水系1、熟女1となっている。 純愛系だけあって、Hシーンは極めてノーマル。ノーマルどころか本番に至らない事もしばしば。年上の女性陣においても、奇抜なシチュエーションは全く無い。 1プレイで全員を攻略することは出来ない。相反関係にある女の子は、一方を攻略するともう一方の攻略が不可になってしまうため。 |
◆ システム ◆ |
各種音量調節、過去ログ(音声履歴有り)を搭載し、ミニマップによる目的地一発移動も可能。一度選んだ選択肢の、対象キャラへの好感度の影響を表示するシステムも搭載。 一方で、スキップはCtrl強制で既読・未読判別は無く、画面はフルスクリーン固定。また、特定ポイントでしかセーブ・ロードが出来ず、セーブスロットも最大で8箇所まで。オートモードやディスクレス起動も不可。 |
◆ シナリオ ◆ |
マルチエンド形式のAVGで、バッドエンドを除けば、エンディング数は女性の数と同じく14種類。とにかく街中のあらゆる場所を駆け回り、女性と親しくなるのが目的。ただし攻略対象が、次にどの場所に現れるのかはほぼノーヒント。中盤以降に主要イベントが発生してようやく個別のストーリーが進み始める。 夏休みが舞台となってはいるが、お盆や夏祭り、あるいは旅行などといったイベントは無い。それどころか季節感はほとんど無視。真夏にも係わらず、冬服を着たキャラがゾロゾロ現れる。これは元々の設定が「冬」だったために起きてしまった現象。 一応プールイベントなども用意されているが、もう少し夏を意識した構成にして欲しかった所。 |
◆ リメイク ◆ |
1999年にWin版が発売され、基本的な部分はそのままだが、ハイカラー・フルボイス化やCG回収、また操作性も大幅に向上してパワーアップした。また、PC98版ではぞんざいな扱いだったオトナの女性陣についてはイベントが追加され、同級生の女性陣には及ばないものの、エンディングの演出を含めて個別ストーリーは厚みを増している。 以下、大きな変更点。 【純愛路線にシフト】 PC98版の主人公は、時には男気を見せるものの、基本的には軽いノリの単なるナンパ野郎。しかし本作においては基本的な性格はそのままだが、肝心のHシーンになるとなぜか純情少年に変身。Hを途中で止めたり、あるいは手を出さないまま終わったりもする。 またPC98版では個別エンドで、裸エプロンやフェラチオなどで締め括るなどヌキゲー寄りの仕上がりだったが、本作ではそれぞれ心温まる内容に変更。特に美沙エンドは180度方向が変わった。 【くるみが後輩に】 PC98版では同級生だった「くるみ」が、本作では下級生に変更された。しかしシナリオ等に変更は無く、なぜ設定が変わったのか謎。 推測すると、フルボイス化に伴って主人公の名前を呼べなくなったため、「先輩」という主人公の呼び方のバリエーションを増やしたかったのかも知れない。 【ちはるとの出会い】 おそらく最大の変更点。PC98版では駅前を歩いていた主人公が、たまたまそこにいた「ちはる」をナンパしただけ。しかし純愛路線にシフトした本作ではこれを大幅に修正。実はちはるが以前に主人公に一目惚れしていたのだが、自分からは言い出せず、ワザと主人公の前をウロウロして声をかけられるのを待っていた・・・、といういじらしい女心へと演出を変更した。 |
◆ 総評 ◆ |
【幻の登場キャラ】 コンシューマ(PCE『同級生』,SS『同級生〜if〜』)に移植された際、女性が3人追加された。内訳は同級生(眼鏡)、ヒロインの妹(下級生)、婦警(幼馴染)。追加キャラの原画も、PC版(PC98&Win)と同様に竹井氏が担当している。この変更に伴って、PC版では入れなかった場所が、追加キャラの自宅やディスコとして新たに追加された。 しかし残念ながら、コンシューマ版とは製作会社が異なるため、現在最後発であるWin版には登場しない。 【OVA】 1994年7月からピンクパイナップルより『同級生 夏の終わりに』(全4話)と『同級生 クライマックス』(全2話)の計6話がリリースされている。2002年6月には『同級生 D-1 夏の終わりに』としてDVD化。翌月に『D-2』、翌々月に『D-3』が発売されて完結。各2話ずつ収録されている。 R指定のためソフトエロどまりで、作画レベルも低い。声優は「美沙」のみ同じで、後は全てWin版とは異なるキャスティング。ストーリーは先行4話が本編となり、「美沙」「さとみ」「くるみ」「舞」の4人を各話ごとに取り上げている。主人公とヒロイン達が、原作には無かったハーレムエンドを迎えている。 後の2話は文化祭を舞台とした後日談。メインは主人公の友人とオリジナルキャラへと替わっている。
時間と場所の概念を取り入れた斬新なシステムで、その後の18禁ゲームにかなりの影響を与えた伝説的な作品。リメイクによってエロCGは多数カットされてしまったが、テキスト、シナリオ、システムどれをとっても一流の出来で、ハマる要素は十分。エロゲー入門編にはお勧めの一品。 |
初稿:2003.08.06 二稿:2005.09.01 |
同級生 |