::: エロゲーの殿堂 :::

夢幻夜想曲 リニューアル

私を救い出して・・・この無限の迷宮から・・・


現実は一瞬の夢、夢は永遠の幻・・・。愛は一瞬の熱病、想い出は永遠の・・・。

運命に導かれるように、君はここに辿りついた夢幻の館・・・
そこは少女たちの愛と哀しみ、想いに満ちた場所・・・

今なお語り継がれる名作「夢幻夜想曲」が、完全リニューアルで再登場。
深紗緒が・・・摩耶が・・・そして美和子が、フルボイスで語りかけます。
リニューアルにあたって、全てのCGを一新!
さらに新たに描き起こされた原画、CG、新曲の追加でパワフルにバージョンアップ!
どうか彼女たちの心にふれ、そしてあなたの愛を分けてあげてください。

パッケージ裏より

夢幻の館にようこそ・・・
ここは少女たちの愛・・・悲しみ・・・思いに満ちた場所・・・
あなたがここにやってきたのは、決して偶然ではないのです
どうか・・・彼女たちに、愛を分けてあげてください
そのうちに、あなたはこの館の本当の意味を知るでしょう
そしてあなたは選択するのです・・・
あなた自身の運命を・・・

マニュアルより

ストーリー エロ 感動 システム キャラ ボリューム 総計 主人公
Baa Ca Baa Ca Baa Ba 70 Ba
 
メーカー
発売日
定価
シナリオ
原画
備考
:アリエルーフ
:2000.08.04(Fri.)
:\3,800-
:三峰奈緒
:田無栄三,弥生緑,ときまる
:廉価版
 
ジャンル
音声
名前変更
修正ファイル
属性
季節
:AVG
:○
:×
:−
:謎,館,伝奇
:盛夏
 
OS
CPU
メモリ
CD-ROM
解像度
HDD
:Windows95/98
:Pentium75MHz以上(推奨100MHz以上)
:24MB以上(推奨32MB以上)
:倍速以上(推奨4倍速以上)
:640×480,HighColor以上
:580MB以上
 
◆ 背景 ◆
 1995年4月24日にPC98版として発売された。1年後の1996年5月17日にはWindowsへプラットフォームを移したが、これはリメイク無しのベタ移植。そして1998年11月27日に「リニューアル」と銘打って再登場。フルボイス化にCGの塗り直し等、原作のイメージを崩さず新たに蘇った。
 その後、消滅したメーカー「apricot」に代わって「アリエルーフ」から、2000年8月4日に「パラダイス38シリーズ」の一作品として『夢幻夜想曲 リニューアル』の廉価版である本作が発売された。しかし今度はそのアリエルーフが消滅してしまい、再び絶版となっている。
 
◆ 舞台 ◆
 大学3年生の主人公「柏木慎一」は夏休みを利用して、単身山でキャンプをしていた。しかし嵐に巻き込まれて崖から転落してしまう。絶命の危機を救ってくれたのは、時間と空間の狭間を彷徨う館の女主人だった。

 ゲーム内の期間は不明。移動場所は、外界から完全にシャットアウトされている関係上、館の敷地内のみに限定される。
 
◆ ターゲット ◆
 攻略可能な女性は8人。主人公と同じく館に迷い込んでしまった女性達で、内訳は熟女、メイド、OL、和服、金髪少女が各1名ずつで、年下の妹系が3名。
 Hシーンは基本的に女性1人に付き1回ずつであり、全て和姦。SMなどのシチュエーションもあるが、概ねノーマルなもので占められている。

 また女性達の他にも、童話に登場する人魚姫や赤ずきんとの一風変わったHシーンも用意されている。
 
◆ システム ◆
 各種音量調節、テキストスピード調節を搭載。ロードは随時可能だが、セーブはコマンド選択時に限定される(スロット9)。スキップも搭載しているが、既読・未読判別は不可。過去ログ、オートモードは非搭載で、ディスクレス起動も出来ない。シーン回想はCG閲覧から入る仕組み。シーンごとが分割されており、前のシーンにも戻れるという特殊な形式。
 XPは非対応で、通常はインストールも不可。ただし一旦HDDにCD-ROM内のデータをコピーした後、HDDから互換モードでインストールすればXPでも一応作動するが、メーカー推奨外のため自己責任で。
 
◆ シナリオ ◆
 マルチエンド形式のAVGで、エンディングは13種類。しかし基本ストーリーは一本道で、重要な分岐は終盤まで無く、移動場所・コマンド総当たりで物語が進んで行く。そして最後に誰を選ぶかで個別エンドに入るという流れ。

 アクシデントから館に入り込む事になった主人公は、同じく館に囚われてしまった女性達の心の闇を解放すべく奔走する。そして夢幻の館に新たな風を呼び込んで行く。
 
◆ リメイク ◆
 1996年に発売されたWin版はPC98版のベタ移植だったが、1998年のリニューアル版では随所にリメイクが施された。既存CGの塗り直し、新規CGの追加、音楽はオーケストラ調にアレンジ。セリフにも修正が加えられ、エンディングも新たに追加された。一方、フルボイス化に伴って主人公にも声があてられたが、主人公のみの音声OFFは出来ない。
 その廉価版である本作に内容の変更は一切無く、動作環境ですらも追加対応は無い。唯一の変更点はCD-ROM2枚組から1枚のみにシェイプされたこと。
 
◆ 総評 ◆
【無限の迷宮】
 館モノという事で、移動場所は館の敷地内に限定されるわけだが、これが思いのほか広い。2階建ての洋館ながら、内部の移動可能な場所は19箇所。さらに庭の方にも5箇所あり、計24箇所と実に広大。閉鎖空間であっても視覚を飽きさせない演出と言えるが、実はこれが曲者。
 本作は章立てでストーリーが進行し、各章でクローズアップされる女性が変わっていく仕組み。しかし次に、誰にスポットが当てられるのか良く分からず、またフラグの立つ場所に関してもノーヒント。そのためイベントを発生させるべく、広大な館内部を当てもなく駆けずり回らなければならない。
 作品世界にはまり込んだプレイヤーであれば、じっくりと味わってプレイする事も出来るが、そうでなければただ煩わしいだけだろう。

【Spirited away】
 神隠しの多くは、犯罪に巻き込まれただけの単なる行方不明事件がほとんど。しかし中には、数ヵ月〜数年経過した後に発見されるケースも稀に起こり、人々は天狗伝説や異世界・異次元、果ては宇宙人などと結び付けて恐れていた。
 本作に登場する女性は皆、館に入った瞬間、元々居た世界では忽然と姿を消したことになっているはず。そして主人公と共に館を出れば、数年(数十年)ぶりに姿を現すことになり、まさに神隠しそのものとなる。
 作品中ではこの件について明言されてはいないが、神隠し現象の1つの答えを提示した。

 

 主人公の偽善ぶりが所々ひっかかるものの、全体としては非常にうまくまとまっており、シナリオの完成度は高い。しかしエンディングを迎える事で全てが解決する訳ではなく、最終的に主人公の救える女性は1人だけ。また、最大の謎である女主人の過去も明かされぬまま。そもそもなぜ、何の為にこの夢幻の館が存在しているのか、その真相もまた不明。
 色々な意味で続編の期待される作品だが、メーカーが消滅した今となっては叶わぬ願いとなってしまった。
 

初稿:2012.11.04

夢幻(むげん)夜想曲(やそうきょく) リニューアル

 

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▼ もっと深入りしたい方へ ▼
● DVD-PG ●

(やみ)のソナタ 〜(やみ)(しょう)(かぜ)(しょう)〜 ◆

   2枚組。サブタイトルは章立てになっているが、特に意味は無し。メインタイトルも変更されているが、CGや音声、テキストは原作からの流用で、クレジット表記も本作と全く同じという紛れも無い『夢幻夜想曲 リニューアル』のDVD-PG。
 原作が絶版品のため、DVD-PGでもプレイ機会が増えるのは喜ばしいのだが、何やらキナ臭さを感じる作品。製作元のアクアウェイブも既に消滅している。
アクアウェイブ 2004.01.23発売
 
● 原画集 ●

夢幻(むげん)夜想曲(やそうきょく) 原画集(げんがしゅう)

   リニューアル版ではなくPC98版準拠。全ページモノクロで、カラーページは無し。絵コンテ集がメインの構成で、本編中で引用された言葉や人物紹介、ラフ画や描き下ろしの4コマ漫画を収録している。
 公式本だが装丁はほぼ同人誌。原画ごとにライターの一言コメントが掲載されている。
アプリコット 1997.12.28発行

 

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