::: エロゲーの殿堂 ::: |
◆ 背景 ◆ |
2005年3月25日に『ショコラ 〜maid cafe
“curio”〜』に続く第2弾作品として『パルフェ 〜chocolat second
brew〜』がリリースされる。そして同年12月22日にはショートストーリーの追加等が行われ、メディアもDVD-ROMに移行した『パルフェ
〜chocolat second brew〜 Re-order』が発売された。 |
◆ 舞台 ◆ |
以前、身内の経営する喫茶「ファミーユ」で働いていた「八橋大」経済学部3年で、現在20歳の主人公「高村仁」。得体の知れない人物から、近く新規オープンする複合型商業施設「ブリックモール」への出店の話を持ち掛けられる。 ゲーム内の期間は、10月10日から翌年3月末までとなる。移動場所は職場と自宅を中心に、ブリックモール内や駅前など。 |
◆ ターゲット ◆ |
攻略可能な人数は6人。内訳はツインテール、義姉、女子高生、クール、お姉系と、天然のメインヒロインが各1名ずつ。 Hシーンは全て和姦。回数は1人に付き3シーン用意されているが、1シーンで複数ラウンドが織り込まれている。「フェラ」「パイズリ」「69」等、シチュエーションはノーマルながらも尺はキチンととってある。 最終的にカップル成立を目指す純愛系ストーリーのため、Hシーンが終盤に集中する展開は避けられないが、その縛りの中でも最大限の健闘を見せている。 |
◆ システム ◆ |
各種音量調節、オートモード、テキストスピード調節、音声リピート、過去ログ(音声履歴有り)、スキップ(既読・未読判別可)を搭載し、随時セーブ・ロードも可能。セーブスロットは全84箇所のサムネイル付で、オートセーブやクイックセーブ・ロードも出来る。テキストはマウスホイール対応。画面効果の調整やBGMのフェードも出来るが、ディスクレス起動は不可。 「イベントシート」では既発イベントを確認できる。会話シーンでは、立ち画に加えてフェイスウィンドウも設けられている。 |
◆ シナリオ ◆ |
マルチエンド形式のAVGで、エンディングは13種類。基本は女性1人に付き「TRUE」と「NORMAL」の2種類のエンドが用意されているが、女子高生は「TRUE」エンドのみ。誰とも結ばれず、そのまま日常が続いて行くエンドもある。 通常はMAP選択式で、4箇所の中から移動場所を選ぶ。女性の顔と、既発イベントはその詳細も表示される仕組み。ストーリーは4節に分けられ、クリスマスまでに攻略対象となる女性が決定する。そこでルート確定した後は、選択肢無しで当該女性とのストーリーが始まる。期間は10月初頭から3月末までの長丁場だが、かなり日にちを飛ばしながら進んで行く。 焼失した兄と姉の喫茶店を再び取り戻すべく、不利な条件を承知で新規オープンのモール内に出店した主人公。周囲の人々に支えられながら年末商戦に向けて奮闘する物語。 「Parfait au Chocolat」は、その名の通り前作と本作をリンクさせるショートストーリー。本編開始の少し前の様子が描かれている。 |
◆ リメイク ◆ |
先行のCD版からシナリオやシステム周り等に変化は無し。変更点は3本のショートストーリーの追加と、新規オープニングムービー、そしてBGMの選択が可能となった。 初回限定版にはサントラCDとテレカが同梱されている。 |
◆ 総評 ◆ |
【フェアプレー精神】 本家「キュリオ」との対決を1つの軸として物語が進行する本作。しかし陰湿な足の引っ張り合いや醜い争いなどとは無縁で、最後まで正々堂々と戦う。それどころかアドバイスを送り合い、時には互いの窮地をも助け合うなど、敵に塩を送りまくっている。 この争いを仕掛けた人物は、類似店を潰すのではなく、競争原理の導入で切磋琢磨させる事により、最終的には共存共栄を目指している。双方の従業員はその意図を知らぬまま自然とフェアに争い、結果として両店の更なる発展に繋がった。 これら一連のやり取りが実に清々しく、爽やかな印象を本作に与えている。 【前作を超える】 本作は2004年12月に発売された『ショコラ 〜maid cafe “curio”〜 Re-order』の続編で、時系列では前作より数ヵ月後となっている。前作では主舞台となっていたメイド喫茶「キュリオ」。本作ではそのキュリオのライバル店が舞台となっている。登場人物は一新されたが、『ショコラ』のキャラもゲスト出演している。店員ではない女性を真のヒロインに据えた点など、基本構成はほぼ同じ。 キュリオのコンセプトを模倣し、短期間で本家に匹敵するほどまでに自店を昇華させた主人公。本作自体も同様に、舞台や人物配置等前作をなぞらえつつ、それを上回る事に成功した。
メインとなる女性陣は勿論の事、男性を含むサブキャラまで魅力的な人物が揃っている。にも係わらず、キャラゲーとならずに、ストーリー内容で勝負出来たのは見事。女性と結ばれて終わりではなく、その後にもう一山設けるという演出が、本作に一層の深みを持たせている。 |
初稿:2006.12.15 おまけ:パルフェのある風景 |
パルフェ 〜chocolat second |
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