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| ◆ 舞台 ◆ |
| 人間を食糧とし、数千年の時を生きる魔族の主人公「アストリア」は、都を離れて次なる狩場を探していた。その目に留まったのは、王国の北端に位置する小都市「ベラン」。打ち捨てられた無人の洋館を住処として街に入り込む。 ゲーム内の期間は最長で24日間。移動場所は仮住まいの館を中心として、獲物を求めてカッターランド家や街中を徘徊する事となる。 |
| ◆ ターゲット ◆ |
| 攻略可能な女性は９人。内訳はメインヒロインを始めとして、熟女、高飛車、ロリ系（以上親子）、ハンター、スリ、お姉系、町娘、魔族が各１名ずつという構成。 Ｈシーンは和姦もあるが、ほぼ陵辱で占められており輪姦も含まれている。ただし主人公は魔力によって女性の快楽を引き出す事が出来るため、Ｈシーン自体はそれほど凄惨なものではない。 主人公のＨシーンには２パターンあり、ノーマルな本番と靄に似た触手による陵辱がある。 |
| ◆ システム ◆ |
| 各種音量調節、過去ログ（音声履歴無し）、スキップ（既読・未読判別可）を搭載し、難読漢字にルビをふる事も出来る。随時セーブ・ロードも可能だが、再開はシーン冒頭からとなる。セーブスロットは全20箇所で、オートセーブにも対応している。シーン回想はサムネイル付で、各種エンディングも閲覧可能。テキストは瞬間表示に固定され、ディスクレス起動は不可。 2000＆XPユーザーに対応した修正ファイルと、追加シナリオが公式サイトからダウンロードできる。 |
| ◆ シナリオ ◆ |
| マルチエンド形式のAVGで、エンディングは７種類。唯一スタッフロールの流れるトゥルーエンドは、特定の条件を満たさないと到達出来ないようになっている。各ルートに分岐するまでの共通シーンは長く、分岐してからも重なる部分は多い。それぞれのルートによって、死ぬ人や結ばれる人が変化するストーリー構成。 ダウンロードした追加シナリオは全てのエンドに到達した後、閲覧可能となる。注意書きにもある通り、パロディ基調のお遊び的なショートストーリー。 魔族と人間の愛憎劇を描いた物語であり、主人公がいつ人間達の「絆」に気付くかで、物語の流れも変わって行く。テーマが重いだけに、基本的には暗いストーリーとなっているが、ルートによっては多少救いのある展開もある。 |
| ◆ 総評 ◆ |
| 【Food
Chain】 本作の主人公は人をゴミのように扱う。彼にとって人間とはあくまで食糧であり、自分達魔族に喰われても仕方のない愚かな存在でしかない。しかし初めて出会った人間らしい女性によって、醜い人間達もまた、自分達と同じ感情を持っている事を知る。 だがそれは魔族として生きて行くためには、決して気付いてはいけない事だった。その瞬間に主人公は、魔族という食物連鎖の頂点から滑り落ち、人を食べられなくなってしまう。 【To be or Not to be】 代替の食糧がある人間とは異なり、魔族には人間以外に食糧の選択肢が無い。人間を捕食しなければ生き延びられない彼らが、人間の捕食をやめる事は即、死を意味する。 人間達の絆に気付いてもなお、魔族として人間を捕食し続けるか、あるいは捕食をやめて死を選ぶか。本作における究極の選択が、主人公に突き付けられる事になる。 結局彼ら魔族の最大の問題点は、食糧となる人間のコミュニティーに紛れて捕食活動を行う事にある。これは起こるべくして起こった悲劇。
本作の主人公は一見クールな切れ者に見えるが、実際は行き当たりばったりの行動をとる事が多く、そのために失敗も多い。加えて相当な飲んだくれであり、準アル中と化している。 |
| 初稿：２００５.０９.１２ |
蒼ざめた月の光 |