::: エロゲーの殿堂 ::: |
◆ 舞台 ◆ |
無所属の傭兵である主人公「門倉甲」は、目覚めると仮想世界にダイブしており、しかも戦闘中だった。記憶を失ってしまった主人公は、その手掛かりを求めてひとまず仮想世界からの脱出を試みる。 ゲーム内の期間は不明。移動場所は清城市の各所と、広大な仮想空間。進行ルートによって行ける場所も変化する。 |
◆ ターゲット ◆ |
本編中で攻略可能な女性は3名。内訳はツインテール、姉系、妹系が各1名ずつ。おまけの妄想シナリオもあり、そちらは前作Dive1のヒロイン3名(金髪、活発、妹系)と、サブ2名(女医、褐色)。 Hシーンは全て和姦で、回数は女性1人に付き1〜3回。シチュエーションは「パイズリ」「69」「足コキ」「器具」等で、基本的にはソフト路線。ただし場所については屋外が多く、その他に押入れや風呂場でも行われる。 |
◆ システム ◆ |
各種音量調節、オートモード、テキストスピード調節、音声リピート、過去ログ(音声履歴有り)、スキップ(既読・未読判別可)を搭載し、随時セーブ・ロードも可能。セーブスロットはサムネイル付の全99箇所で、オートセーブにも対応。CG閲覧とシーン回想はサムネイル付だが、前作Dive1とスロットを共有しているため、本作のみでは全部埋まらない。 |
◆ シナリオ ◆ |
マルチエンド形式のAVGで、エンディングは7種類。ヒロイン3人に各2〜3の個別エンドが用意されている。戦闘パートで勝利条件を満たせないと即座にゲームオーバー。 本作は『BALDR SKY Dive1 “Lost Memory”』の完全続編となり、「Dive1」の攻略データをそのまま引き継げる。無論本作単体でのプレイも可能で、「Dive1」のストーリーは「ダイジェスト」で閲覧できる。本作のみでプレイする場合、ストーリーはDive1の「千夏編」から始まるが、途中から強制的に「亜季編」に突入する。Dive1で登場した3人のヒロインは攻略済扱い。「亜季編」の後に、「真編」「空編」と続いてグランドフィナーレを迎え、Dive1から持ち越された謎も全て解き明かされる。 シナリオはストーリーパートに戦闘パートを挿入する形で進行する。戦闘パートは5段階の難易度調整可でキーボード操作にも対応しているが、やはりゲームパッドは必須。 本作は2009年11月にリリースされた『BALDR SKY Dive2 “RECORDARE”』の再販版。対応OSからWindows2000が外されて、Windows8が追加された。内容等に一切変更は無く、価格も実質据え置きのため廉価版でもない。 |
◆ 総評 ◆ |
【分割商法?】 2009年3月発売の前作『Dive1』と、その8ヵ月後にリリースされた本作『Dive2』。前述の通り2作は完全にリンクしており、まさしく前後編作品。現在では「新装版」の「1」と「2」を同時購入して、これまた2本同時にインストールした後にプレイ開始するのがスマートなやり方だが、当然ながらフルプライス2本分を要求される。 実際「Dive2」のみでプレイするのは無理があり、本作に用意されているDive1のダイジェストも内容は相当端折っているため、本作単体で物語を理解するのは極めて困難。確かに全体を通すとかなりのボリュームではあるが、それでも1つのストーリーを2本に分けて販売するのは、余り好ましいとは言えない。 【BALDR SKY WORLD】 2010年9月に本作のFD『BALDR SKY DiveX “DREAM WORLD”』が発売された。戦闘パートに特化した「バルド地獄」や、マップ移動の概念を取り入れた「BALDR SKY ES」などのコンテンツを収録しているが、メインは本作のIFの世界を描いた「ドリームストーリーズ」。異なるヒロイン&舞台設定の短編〜中編10本のストーリーで構成され、Hシーンもある。 注目は「灰色のクリスマスの回避」を目指す「BALDR SKY the Another」で、一見お気楽なラブコメ学園物かと思わせつつ、実はシリアス路線のストーリー。また本作の前日談となる「戦場の二人」も、レインファンならば押さえておきたい作品。 さらに2013年9月には、本作と世界観を共有する新作『BALDR SKY “ZERO”』がリリースされるものの、シナリオ&原画は変更されている。
架空の設定の上に、またまた架空の設定を何層にも積み重ねた複雑なシナリオ構造の本作。ただし序盤〜中盤の展開はどのルートでも大体同じ。あくまで本作単体での査定のため低評価となったが、前作と2本合わせて評価すれば、まず大作と呼んで差支えの無い完成度。 |
初稿:2013.08.04 |
BALDR SKY
|