::: エロゲーの殿堂 ::: |
◆ 舞台 ◆ |
フリーライターの主人公「浅間健二」は、VIP限定の高級レストラン「玉食茶寮」が2ヵ月後にオープンする事を知り、10年振りに故郷に帰って来た。「玉食茶寮」の主宰者で、外食王と呼ばれる父に復讐するために。 ゲーム内の期間は50日間だが、実働可能なのは48日。移動場所は自宅を中心に、各飲食店や公園、商店街といった市街一帯となる。 |
◆ ターゲット ◆ |
攻略可能な女性は5人。内訳は眼鏡、袴(以上姉妹)、お姉系、ツインテール、そしてメインヒロインの義妹が各1名ずつとなっている。 Hシーンは陵辱のみで、調教が進めば最終的には従順になる。回数は女性1人に付き4〜6回。「フェラ」「パイズリ」「アナル」といったシチュエーションから、姉妹3Pや輪姦といった多人数プレイ、「浣腸」「スパンキング」「拘束」といったハードなものまで用意されている。 口淫時の口の形が独特な「ひょっとこフェラ」や、エロゲーに限らずややもすれば破いてしまうだけのストッキングを半脱ぎ状態にするなど、細かい所で特徴がある。また、女性陣はスレンダーながらも肉感的で、かなりのエロス感が漂っている。 Hシーン中では一枚画はそのままで、約3分の1の小窓で別CGを表示して変化を付けるという省エネ設計。 |
◆ システム ◆ |
各種音量調節、オートモード、テキストスピード調節、過去ログ(音声履歴無し)、スキップ(既読・未読判別可)を搭載し、随時セーブ・ロードも可能(スロット60)。シーン回想はサムネイル付で、回想途中でも選択画面に戻れる。画面効果の調整も出来るが、ディスクレス起動は不可。 |
◆ シナリオ ◆ |
マルチエンド形式のAVGで、エンディング数は5種類。各々の女性を奴隷化する個別エンドとハーレムエンドが用意されているが、姉妹に個別エンドは無く1セット扱い。その他に、復讐に失敗するだけのバッドエンドもある。 MAP選択移動式で移動場所は多いものの、女性の居場所は点滅で表示される。しつこく追いかけ続ければ攻略可能だが、ハーレムエンドを目指す場合はある程度効率良く進める必要がある。いずれかのエンドに到達した場合、2周目以降のプレイでは、フラグの立った段階で残り期間をすっ飛ばしてエンディングに直行する事も可能となる。 父に対する復讐のため、息のかかった女性を堕とすべく奔走する事になる。義妹を除き、脅迫ネタを仕入れた後に、それを使って脅しをかけるという王道パターン。奴隷化を目指して調教を進める内、女性達は一度は主人公に反撃を試みるが、それによってバッドエンドになるような事は無い。 |
◆ 総評 ◆ |
【喰は万里を超える】 食事を摂る事と、女性を抱く事の隠語でもある「食(喰)う」をかけた本作。「食」をテーマとしているだけあって、和&洋(仏・伊・米)様々な料理店を取り揃えているものの、ウェイトレスにコスプレさせ易いはずの「中華」はなぜか無い。 店内でのプレイが多いのは勿論の事、その他にワインを使ったり、フランスパンを突っ込んだり、あるいはローターを装着させての接客といったシチュエーションもある。また、精液をクリームソースに見立てて女性に食べさせる「食ザー」も1シーンだけ用意されている。 【外道親子】 本作は主人公が憎き父親への復讐を決意する所から物語の幕が上がる。確かに恨まれても仕方の無いほど外道な父親だが、息子である主人公の精神構造も大して変わらず、復讐の名の下の鬼畜な振る舞いが目立つ。特に義妹をモノの様に考えている点などは、紛れもなく親子である事を強く感じさせる。 残念なのは、主人公側の一方的な復讐劇に終始して、ストーリー中では辣腕の父親からの反撃が全く無い事。前述の様に一度は反撃する女性達も、必ず失敗する事が決まっている。この辺りの駆け引きがあれば緊張感が増して、よりストーリー性もアップしていたはずだった。
パッケージ画の淫靡さだけは、数あるエロゲーの中でも屈指の本作(→参照)。しかし内容に関しては、「食」とエロを絡めるマニアックさが今一歩突き抜けられなかった点、「美味しんぼ」風の親子設定にした意味が不明で生かし切れていない点など、中途半端な部分が目に付く作品。 |
初稿:2006.04.03 |
美喰 |