::: エロゲーの殿堂 ::: |
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◆ 舞台 ◆ |
犯罪組織「GG」に所属する主人公「ケント」は、「虐殺の牙」の異名を持つエージェント。しかし洗脳が解けるや組織を抜け出し、単身「神無沢市」まで逃亡する。そこで追跡者に捕まり窮地に陥った所を、一人の女性に救われた。 ゲーム内の期間は不明。移動場所は神無沢市の主要箇所となる。新たな敵(クリーチャー)が出現するごとに、移動可能な場所が増えていく仕組み。 |
◆ ターゲット ◆ |
名前の与えられた登場女性は少なく、更に本番可能な女性となると、メインヒロインの1人に絞られる。主人公とのHシーンはその1回のみで、他は単なるお色気シーンが5、触手による陵辱が2、他人のHシーンが2。 Hシーンはほぼ3Dムービー(静止画が1シーン)で、特にメインヒロインである「マキ」とのHシーンはかなり気合の入った作りだが、フィニッシュシーンは無い。 本作は他の「ILLUSION(DREAMS)」のゲームとは違い、ゲーム性を前面に押し出しているだけあって、エロスに関しては消化不良気味。 |
◆ システム ◆ |
戦闘シーンやイベントシーンを除き、ほとんどの場合でセーブ・ロードが可能。スロットは50箇所で、サムネイル付き。またカーソルを合わせると、魔法やアイテムの説明が出るという配慮も見られる。 一方で、キーボードでの操作にも対応しているが、主人公の動きがカクカクしてしまう。さらにフルインストール不可なので、イベントシーンなど事ある毎にディスクへ読み込みにいく。そのためかなりドライブに負担がかかるので、可能であればイメージを吸い出して、仮想ドライブでプレイした方が良い場合も。 |
◆ シナリオ ◆ |
ストーリーは一本道のRPGで、途中に分岐が1箇所あるものの、エンディングには影響がない。序盤から中盤は、「街で聞き込み→事件発生→事件解決」を何周も繰り返すという流れで進行。 終盤に入ると一転して自由度が高まり、一気に大将首を狙うのも、あるいは各所を回ってイベントをこなすのも可。 シナリオは真面目に作っていると思われるが、会話の寒さや敵キャラの魅力の無さは失笑もの。ストーリーがシリアス路線だけに、この辺りのマズさは余計に目立つ。どことなく一昔前の臭いを感じてしまう。 |
◆ 総評 ◆ |
【RPGデビュー作】 「ILLUSION」初の本格RPGである本作。経験値を溜めてレベルアップするのではなく、1回の戦闘ごとにステータスがコンマ単位で微増していく方式。戦う都度、徐々にスキルがアップするのは確かにリアル。気が付いたら強くなっているという寸法。 魔法はレベルアップによって自然に習得するのではなく、魔導書を入手して覚えていく。特に攻撃魔法は、敵からある程度食らうと自然に覚えるという方式。 RPGにおける、クソゲーか否かの分水嶺となる「エンカウント率」。本作は若干高めながら、ギリギリ許容範囲。一応バランスはとってある模様。しかし終盤では難易度を上げようとする余り、「魅了」一発で全滅してしまうなど、後半はバランスが悪化している。 【問題点】 発売当時のポリゴン技術の限界なのか、アップになるとかなりゴツゴツしている。角度によっては女性のパンツが丸見えになったり、人物の向こうの背景が透けてしまう事も。また、オートフォーカスが近付きすぎて、周りの景色が把握し辛いシーンも数多くある。そのせいでアイテムが獲り難い事もしばしば。 音声付ではあるが、今更のパートボイス仕様。そして喋っているシーンでもポリゴンキャラは全くの無表情なので、怖さすら覚える不自然さ。 イベントシーンがかなり長く、その間はオートで進行するが、途中でのセーブが一切出来ない。そのため、プレイ時にはかなり時間に余裕がある時でないと危険。前もって用事を済ませ、万全の態勢で望む事。イベントはいきなりスタートする上に、読み込みエラーを起こす事もある。 また、移動場所によっては、バグでハマってしまう事もある。とにかくこまめにセーブが本作の基本。 【続編を意識】 本作は、散りばめた謎を全て回収しておらず、次回作を強く意識した構成になっている。対立組織(GG)の全容は、全くもって不明のまま。主人公の過去も明らかにされず、所属組織のボスの素顔まで不明。 さらには最初と最後に登場した人工衛星の青年も不明。極めつけはエンディング後のエピローグ。わざわざ「サクヤ」の声を使っての、思わせ振りな終わり方で締め括っている。 これらはストーリーに深みを持たせるために、あえて謎にしたという類のものではなく、単に続編に向けた下地でしかない。実際、メーカーも発売直後から続編製作を明らかにしている。 本作のストーリーは、一見スケールの大きい話のように感じるが、所詮舞台は市内のみ。むしろ本作は、次回作の長い長い前フリとして送り出されたとも受け取れる様な内容である。
ポリゴンキャラ等は今見ると流石に苦しいが、イベントシーンの流麗な3Dムービーは色褪せることの無い見事な仕事。特に、オープニングには相当の心血が注がれている。 |
初稿:2005.01.28 |
BRUTISH MINE
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