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CROSS†CHANNEL

夏。

学院の長い夏休み。崩壊しかかった放送部の面々は、個々のレベルにおいても崩れかかっていた。
初夏の合宿から戻ってきて以来、部員たちの結束はバラバラで。
今や、まともに部活に参加しているのはただ一人という有様。

主人公は、放送部の一員。夏休みで閑散とした学校、ぽつぽつと姿を見せる仲間たちと、主人公は触れあっていく。

屋上に行けば、部長の宮澄見里が、大きな放送アンテナを組み立てている。一人で。
それは夏休みの放送部としての『部活』であったし、完成させてラジオ放送することが課題にもなっていた。
以前は皆で携わっていた。一同が結束していた去年の夏。今や、参加しているのは一名。

そんな二人を冷たく見つめるかつての仲間たち。ともなって巻き起こる様々な対立。そして和解。
バラバラだった部員たちの心は、少しずつ寄り添っていく。

そして夏休み最後の日、送信装置は完成する―――
装置はメッセージを乗せて、世界へと―――

公式サイトより

ストーリー エロ 感動 システム キャラ ボリューム 総計 主人公
Baa Ca A Ba Ba B 73 Ba
 
メーカー
発売日
定価
シナリオ
原画
備考
:FlyingShine
:2003.09.26(Fri.)
:\8,800-
:田中ロミオ
:松竜
復刻版あり
 
ジャンル
音声
名前変更
修正ファイル
属性
季節
:AVG
:○
:×
:○
:学園
:盛夏
 
OS
CPU
メモリ
CD-ROM
解像度
HDD
:Windows98/2000/Me/XP
:PentiumMMX266MHz以上(推奨PentiumU300MHz以上)
:64MB以上(推奨128MB以上)
:8倍速以上(推奨16倍速以上)
:640×480,HighColor以上
:900MB以上
 
◆ 舞台 ◆
 地方都市「上見坂市」の市街地から外れた片田舎にある「群青学院」2年生で、放送部に所属している主人公「黒須太一」。新学期を迎え、バラバラになった部の復活に向けて奔走する日々が始まった。

 ゲーム内の期間は9月7日(月)から始まる約一週間。移動場所は学園内と自宅を中心に、丘や友人宅など。
 
◆ ターゲット ◆
 攻略可能な女性は5人。内訳は上級生2(眼鏡&黒髪)、同級生1(お嬢)、下級生2(微乳&クール)となり、サブキャラの2名(七香&遊紗)は攻略不可。
 Hシーンは、やや強引に持ち込む場合もあるが、基本的に全て和姦。回数は女性1人に付き2〜3回。「フェラ」「パイズリ」といったシチュエーションは押さえられており、半脱ぎプレイも多い。また尺も長めで、口淫音も行き届いているなど、少ない回数ながらも丁寧な仕上がり。

 Hシーンは全体的にノーマルだが、唯一「寝フェラ」だけがマニアックで、挿入から発射、そして嚥下に至るまで女性はずっと寝たままで全て無意識に行われている。
 
◆ システム ◆
 各種音量調節、オートモード、テキストスピード調節、音声リピート、過去ログ(音声履歴有り)、スキップ(既読・未読判別可)を搭載し、随時セーブ・ロードも可能。スロットは全100箇所あり、オートセーブやクイックセーブ・ロードも出来る。直前の選択肢に戻る機能や画面効果の調整も搭載しているが、ディスクレス起動は不可。シーン回想はサムネイル付で、回想途中でも選択画面に戻れる。
 致命的なバグがあるので、プレイ前の修正ファイルは必須。
 
◆ シナリオ ◆
 マルチルート形式のAVGで、最終的なエンディングは1つのみ。個別エンドの様な締め括り方はあるものの、ストーリー自体はそのまま続いて行く。
 ループ系のシナリオで、同じ時間軸を何周かする内に新たな選択肢が出現し、展開が変わって行くという仕組み。進め方によっては通過せずに終わってしまうルートもあるが、順序良く周れば全体の時間はおよそ十数時間と、ボリュームは並程度。

 学園物にしてはオープニングから奇妙な空気が漂っている本作。これは実際にその通りで、舞台となる学校は社会に不適応と判定された少年少女達の集う場所。その中でも飛び抜けた異常者との烙印を押された主人公を中心に進行する、奇怪な青春物語。
 
◆ 総評 ◆
【巻き戻した夏】
 本作は「1週間」という限られた時間をひたすらループし続けるという設定。それは月曜日から始まり、日曜日になると最初の月曜日に戻ってしまうというもの。このループ世界から抜け出そうにも、1週間が経過して元に戻る時に、当該7日間分の記憶はリセットされるため、当事者達はそもそもループしている事にすら気付かない。つまり、ループ世界では知識や経験を積み重ねる事が出来ない。
 ただしその世界にも例外部分はあり、そこを主人公が見付けた時からストーリーは大きく動き始める事になるが、当初はプレイヤーのみがループ世界で起きた出来事を把握している。しかしプレイヤー視点でも全ての事象を確認できるわけではなく、その点をうまく突いたトリックも幾つか仕掛けてある練り込まれたループ物。

【See you next week!】
 1週間の経験を失わず、知識を蓄積する方法を知った主人公。そこからはループ物らしく、過去の失敗を踏まえて最上の選択をして行く、といった定番のパターンとなる。
 ループ世界の脱出方法を理解した主人公だが、同時になぜこの世界に部員8名しかいないのか、その理由も知る事になる。そして激しく懊悩した結果、彼ら部員達を元の世界へ還すために究極の決断を下す。しかしそれは、本来主人公自身が望んだカタチに戻すための修正作業でもあった。

 

 ループ世界におけるトリックの他にも、一枚画を使ったフェイクやBGM「蝉の声」の切替等、多くの伏線を引いた展開となるハイレベルなストーリー。しかし日常シーンにおける主人公のセリフは退屈な上に余計な部分も多く、序盤から中盤のテンポを悪化させている。主人公の複雑な設定上やむを得ない部分もあるが、その点だけは惜しまれる作品。
 

初稿:2007.05.09

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