::: エロゲーの殿堂 ::: |
◆ 舞台 ◆ |
「初柴考古学研究所」の所長を務める考古学者の主人公「初柴竜介」。ある日初老の紳士より、骨董品屋で入手したという奇妙な「杖」の素性を調べて欲しいとの依頼を受ける。 ゲーム内の期間は不明。移動場所は自宅兼研究所を中心として、考古学学会や美術館など。 |
◆ ターゲット ◆ |
攻略可能な女性は「DE・JA」が9人。内訳は婦人警官やナース、保母等にコスプレした女性達がメインとなり、数は多いがそれぞれのキャラに個性は全く無い。Hシーンも超高速で終わり、汁描写も無し。 一方「DE・JAU」は3人。ただしその内2人は夢オチ。「DE・JA」に比べ1シーン当たりの尺は伸びたものの、テキストは淡白でやはりエロ面は薄い。 より悲しみを誘うのは、ただでさえエロが薄いにも拘らず、メインヒロインとのHシーンが未遂で終わってしまうというガッカリの展開。 |
◆ システム ◆ |
各種音量調節、オートモード、過去ログ(音声履歴有り)、スキップ(既読・未読判別可)を搭載し、移動場面でのセーブ・ロード可(スロット20)。テキストはマウスホイール対応で、瞬間表示に固定されている。シーン回想はサムネイル付で、回想途中でも選択画面に戻れる。ディスクレス起動は不可。 ストーリーの進行度に応じて「進行ゲージ」がパーセンテージで視覚的に表示される。 |
◆ シナリオ ◆ |
一本道のストーリーで、コマンド総当り方式のAVG。シナリオは「DE・JA」と「DE・JAU」の2本に分かれており、「U」は「DE・JA」から2年後という設定。 謎解きがテーマとなるが、基本的にはあらゆる場所で行動や会話をすればストーリーは進行する。しかし要所要所で、パズル的な課題も用意されており、解かなければ先には進めない。それでもゲームオーバーは無いので何度でも挑戦は出来る。 「U」に関しては、一本道ながらも進め方によって未回収のCGが発生する。 主人公は類稀なる才能と豊富な知識、そして飽くなき探究心を有する考古学者。しかし余りにも大胆かつ斬新すぎる仮説ばかりを打ち立てるため、学会からは異端児以上の鼻つまみ者として扱われている。そんな常識に凝り固まった学会をひっくり返すべく、新たに舞い込んできた古代の謎に挑戦する。 |
◆ 総評 ◆ |
【太古の浪漫】 先史時代に存在したのではないかと噂され、非常に高度な文化を築いていたという「超古代文明」。残念ながら現在の学界では完全無視、もしくは嘲笑の対象でしかない。しかし歴史ロマンを感じさせるその内容から、大衆の間では長らく人気を博しており、間断なく関連書籍が発売され、フィクション等でも頻繁に取り上げられる不朽のテーマ。 本作ではこの超古代文明に切り込んでいる。主人公は本来この怪しげな文明の存在を否定すべき「考古学者」という立場であるのだが、そこは先入観を捨てて、変人呼ばわりされながらも謎の解明に取り組んで行く。 諸説入り乱れる超古代文明ではあるが、本作ではライターなりの結論を出している。 【リメイク・・・だが】 本作は1990年6月にPC98でリリースされた『DE・JA』と、1992年6月に同じくPC98で発表された『DE・JAU』のリメイクであり、その2作品を1本にまとめたもの。ただし1つのシナリオに再構成されているわけではなく、あくまで2作品が同梱されているだけなので、「U」から始めることも出来る。 フルボイス化やCGの塗り直し、BGMのアレンジやシステム周りの変更等リメイクと呼んで差し支えない修正が行われている。一方で、コマンド総当りを残した点や原画そのものに変更を加えなかった点など、原作に忠実とも言える反面、ゲームの根幹部分が余りにも現代にそぐわない結果となってしまっている。
既に古典の域に達している「コマンド総当り」だが、プレイヤーにひたすらクリックさせ続けるだけのストーリー性にはやや欠ける印象。そして超古代文明の真相も、既出の説を覆すほどの衝撃こそ無いが、15年以上前に発表された作品であることも頭の片隅に置いておく必要はある。 |
初稿:2008.05.01 |
DE・JA
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