::: エロゲーの殿堂 ::: |
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◆ 舞台 ◆ |
バーンヘッジ大陸の北方に位置する城塞都市「ヴァーグランド王国」に仕える性戦士の主人公「ユアラナス」。ある日、国王より直々に不穏な動きを見せる「青い月」と呼ばれる教団への対処を命じられた。 ゲーム内の期間は不明。移動場所は自宅を中心として、城内や図書館、教会や神殿といった国内一帯。 |
◆ ターゲット ◆ |
攻略可能な女性は7人。内訳は姫、踊り子、シスター、騎士、司書が各1名、ロリ系が2名となる。主人公には31人の妻が居るという設定だが、ゲームに登場するのは1人だけ。 Hシーンは最終的には和姦となるが、女性を改心させるという名目で、導入部分は強引に行くケースも多い。回数はロリ系の妻が3回、司書が2回となり、その他は各1回。1シーンで2ラウンド目に入る場合もある。主人公のカラまないHシーンも2つ用意されている。 「フェラ」「69」「3P」「オナニー」の他に、「アナル」「浣腸(排泄描写なし)」「木馬」といったハードなシチュエーションもあるが、フィニッシュ描写は無く、ブラックアウトで終わる形。男性器は透明描写で、部分アニメを採用している。 |
◆ システム ◆ |
イベントシーンを除いて随時セーブ・ロードが可能で、スロットは5箇所。CG閲覧はあるが、サムネイルは無くスライド形式。スキップはスペースキー強制で、テキストは瞬間表示に固定。過去ログやオートモード、シーン回想は非搭載。 初期設定で主人公の名前の他に、男性器と女性器の名称も変更できる。デフォルトでは「♂♂♂♂」と「♀♀♀♀」と表示される。 |
◆ シナリオ ◆ |
一本道のAVGのため、エンディングは1つ。シナリオは序章と終章を含めて全6章構成。コマンド総当り方式を採用しているが、次にどこへ行くべきかはさりげなく指示されるので、詰まることはない。ただしストーリー中に一箇所設けられている謎解きは、解けなければ先に進めなくなる。 同梱されている「ART BOOK」には水彩画タッチの各原画に、官能的な詩が添えられている。 謎の教祖と4人の使徒によって、密かに信者を拡大している教団「青い月」。事態を憂慮した国王は、教団幹部を改心させるよう主人公に密命を下す。しかし一方で、王国最大最強の戦闘集団である「黒い翼」も、教祖達を抹殺すべく動き出していた。 |
◆ 総評 ◆ |
【ソドムの街】 王国の国教たるヴァーグランド真教は「自由と快楽」を至上と説き、「愛と純潔」は人間を堕落させる愚かな感情として完全否定する教義を旨としている。そのためヴァーグランド王国は「肉欲の都」として大陸中に名を轟かせていた。 現代社会では今も基本概念とされる愛や純潔を、逆サイドからアプローチした本作。上記の教義に従って男性は勿論の事、女性もある程度の好き嫌いこそあれ、基本的には誰彼問わず股を開く。これでは結婚制度自体が成り立たないようにも思われるが、意外やこの王国ではそれなりの秩序は保たれている模様。 そしてこの国教の概念を覆す「愛と純潔」を教義とする教団が現れて王国を揺るがすこととなるが、どちらがまともなことを言っているかは自明。 【性なる戦士】 貴族と平民の出自の違いによる葛藤、身分の差を越えた禁断の愛、高貴で実力もある恋敵など、中世ヨーロピアン物の基本は押さえてあり、さらには失われた古代文明や、湖底に沈む遺跡といったファンタジック要素も取り入れた極めてスタンダードな本作。 その一方で、前掲の教義を説き広めるために「性戦士」という誤植のような職業を設けた点が大きな特徴。快楽を追求する真教を厳守するため、愛に目が眩んだ女性達を実技によって強制的に快楽の虜にする性戦士。その中でも主人公は「マスター」の称号を得ており、妻は30人オーバー、当然に精力も絶倫と、エロゲの主人公になるために生まれてきたような人物。
「Piaキャロ」シリーズを手掛けた稲村竜一氏(じぇーんいなむら名義)がシナリオを担当した本作(基本ストーリー:葛西みなみ)。性戦士などというおフザケ設定を前面に押し出しつつ、終盤はしっかりとシリアスに締め括った。 |
初稿:2009.12.20 |
DEMON CITY
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