::: エロゲーの殿堂 ::: |
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◆ 舞台 ◆ |
東政大2年の主人公「川原庸介」は、単位修得と引き換えに、教授の斡旋でバイトをする事に。勤務先は老人ホームで、内容は雑務手伝い。仕事の説明を受けると、かなりの重労働である事が判明して躊躇するのだが・・・。 ゲーム内の期間は選択肢によって変化。特に5日目を境として、ほのぼのムードが一転する。移動場所はホームの敷地内のみとなる。 |
◆ ターゲット ◆ |
攻略可能な女性は5人。内訳は、ヘルパー2、熟女1、メイド(眼鏡)1、ロリ1。ヘルパーであるメインヒロインはかなりのハイテンション娘。そしてもう一方のヘルパーには、メインヒロインを凌ぐHシーンが用意されている。 Hシーンに入ると、画面はビジュアルノベル風に変化。淫声はテキストとBGMの二重奏となる。シーン数は豊富で、「アナル」「放尿」「SM」「レズ」「3P」などシチュエーションも多様。しかし男(主人公)のボディはかなり血色が悪く描かれており、まるで死体の様。 ヒロイン2人は、薬物投与によって強制的に淫乱化させられ、どことなく悲壮感の漂うエロス。一方で、ロリはハナからHに興味津々であり、最年少ながら積極的に攻めて来る。 |
◆ システム ◆ |
各種音量調節、オートモード、過去ログ(音声履歴有り)、スキップ(既読・未読判別可)を搭載し、随時セーブ・ロードも可能(スロット40)。テキストは瞬間表示に固定。既選択肢は枠内の色も変化する。画面効果の調整も出来るが、ディスクレス起動は不可。シーン回想はサムネイル付。 |
◆ シナリオ ◆ |
マルチエンド形式のAVGで、エンディングは20種類。その内、スタッフロールの流れるエンディングが5つあり、ヒロインに各1つずつ対応している。エンドタイトルにクレジットはないが、恐らくこれが「HAPPY
END」。 マルチエンドのゲームらしく、仕事を断っての最速エンドも用意されている。ストーリー進行に関してはほぼノーヒントで、トリッキーな選択肢も幾つかある。攻略対象ばかり追いかけていると、理不尽なバッドエンドを迎える事も。 物語はコミカルな雰囲気で始まるが、程なくして本筋であるダーク路線へとシフトする。初登場時から露骨に怪しげだった老人達が本性を現し、淫靡な世界へと主人公を誘う。 |
◆ 総評 ◆ |
【ドラッグ・パーティー】 三度の食事に媚薬が混入されているため、施設の職員は次第に快楽へと飲み込まれていく。主人公は本能の赴くままに女性陣を次々と貪り、その女性陣も、望まぬ性の悦びを与えられてしまう。 無論これは老人達の仕業であるが、意外にもその老人達と女性達の、直接的なカラミは少ない。この件については理由があるのだが、これなら寝取られアレルギーのプレイヤーも抵抗感は少ないはず。 【社会派作品?】 目と鼻の先に迫り来る高齢化社会。それに伴う介護や老人医療等の社会保障問題。本作ではそれらの問題点に鋭く切り込んだ・・・わけではなく、単に老人ホームを舞台としただけ。 舞台設定は斬新だが、出てくる老人は一様に生命力に満ち溢れ、ギラギラした連中ばかり。よって、ヘルパー達が介護に従事するシーンもほとんど無し。更に本作には、男性職員や老女といった、エロスに余分な構成員は一切登場しない。 【4000年の夢】 老人達は、自らの回春を目的として主人公達を利用したかに見えたが、真の狙いは「老い」の克服だった。人類とって永遠のテーマとも言える「不老不死」を扱うという、およそ陵辱エロゲらしからぬ真相。 全ての人間は老いと戦い、そして抗いながら死んでゆく。誰一人として、老いから逃れる事は出来ない。なぜ、何のために人は老いるのか?この老化を食い止め、永遠の若さを手に入れるべく、過去様々な研究が続けられてきた。不老は人類にとって、特に富や権力を手にした者にとっては避けて通る事の出来ない課題。 しかし本作では、この辺りはクライマックスに入っても非常にアッサリしている。そこには歴代皇帝の如き不老に対する妄執の様なものは、余り感じられなかった。
一見ボリュームは多く感じるが、ほとんどは共通ルート。またエンディング数は多いものの、シナリオ自体はほぼ一本道であり、最後に分岐する程度でしかない。 |
初稿:2004.11.26 |
奴隷介護
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