::: エロゲーの殿堂 ::: |
◆ 舞台 ◆ |
かつて人間界を救った伝説の英雄の一人息子である主人公「ヤマト・カケル」。父の友人からの要請に応えるため、既に隠居している父の代理として「ソニアの街」へと旅立つことになった。 ゲーム内の期間は不明。移動場所は故郷「ミネルバ大陸」から最終目的地「ライムリン大陸」まで、途中3大陸を横断して行く。 |
◆ ターゲット ◆ |
攻略可能な女性は9人。内訳はお姉系2、ロリ系2、エルフ(双子)2、褐色2、姫1となり、その他は本番までには至らないお色気要員。残念ながらメインヒロインも未遂で終わるため、ここに含まれる。 やや強引に行く場面もあるが、Hシーンは全て和姦。回数は女性1人に付き1〜2回。口淫や野外でのシーンもあるが、シチュエーションはノーマル。フィニッシュ描写も弱く、大抵はホワイトアウトで終わる形。 |
◆ システム ◆ |
各種音量調節、オートモード、過去ログ(音声履歴有り)、スキップ(既読・未読判別可)を搭載し、画面効果の調整やディスクレス起動も可。テキストは瞬間表示に固定され、マウスホイールにも対応している。セーブ・ロードは特定の箇所でしか行えないが、戦闘中での一時中断は可能。スロットは全20箇所で、サムネイル・コメント付。 ディスク内には2周目の戦闘をスキップするパッチが同梱されている。 かなりのマシンスペックを要求され、それなりのグラフィックボードが必須となる。まずは購入前に公式サイトのベンチマークで動作確認をすべき。 |
◆ シナリオ ◆ |
一本道のSRPGのためエンディングは1つ。ただし途中で加えるキャラには選択の余地があり、最後まで生き残ったキャラにはそれぞれの簡素な後日談が語られる。そのため選ばなかったキャラや、戦死したキャラに後日談は無い。 シナリオは会話中心の「街パート」と、SRPGの「戦闘パート」に分かれており、ほぼ交互に繰り返しながら進行して行く。イベントシーンを除いて全面的にポリゴンを採用し、MAPは両パート共にクォータービューとなる。 戦闘パートの難易度は「ハード」「ノーマル」「イージー」の3段階調節が可能。「イージー」はSRPGが苦手、あるいは面倒というプレイヤー向けの設定で、主要キャラの死亡判定が無くなり、全員オートにしてコンピュータに任せることも出来る。ただし、殺してはいけない敵の判定など、細かい対応はしないので注意。 本作は1994年1月に発売されたPC98版『ドラゴンナイト4』のリメイク。PC98版の発売後、コンシューマに移植。1996年12月にSFC版、1997年2月には追加キャラやストーリー等が大幅に加えられたPS版がリリースされた。ただし本作はあくまで18禁のPC98版をベースとしているため、コンシューマでの追加要素は一切無し。 |
◆ 総評 ◆ |
【変則マルチサイト】 遥か未来の世界から、歴史を変えるために主人公の居る過去の世界へと遡って来た魔族のルシフォン。その計画は成功し、人間界は魔族の支配する地獄へと姿を変えた。そこで今度は主人公が、ルシフォンの計画を阻止するため、過去へと遡ることになる。 本作では、過去の事象の改変が未来の歴史に影響を及ぼすという、パラレルワールドではなくBTTF型の世界観を採用している。首尾よく再度歴史を変えられるか否かが最大のポイントであり、主人公がタイムリープする2周目こそが本作の醍醐味。 時間旅行をテーマに据えただけでなく、同じ時間軸を同一人物でありながら、異なる視点でストーリーを眺めるというヒネリを効かせたマルチサイト作品でもある。 【私は最後のエトになるのだ】 1周目をカケル(仮称=Y)として戦った主人公が、2周目ではエトとして戦うことになる本作。しかし主人公がカケル(Y)だった時にもエト(仮称=X)は居たわけで、つまりスタート時点において、この物語は少なくとも2周以上ループしていることが分かる。 ただしループとは言っても過去は変えられるので、Yは1周目の経験を踏まえて過去の改変に挑戦する。1周目のエト(X)が余りにもナターシャに執着し過ぎてマルレーネを疎かにしたことが敗因だと分析したYは、2周目でナターシャとは一定の距離を保ちつつ、カケル(仮称=Z)との仲を取り持つように心掛ける。 これが奏功して遂にループを断ち切ることに成功した。そうなるとナターシャに手を出し、自ら「欲望に負けた」と述懐したXの不甲斐なさが際立ってくる。しかしXもまた、その前のエト(仮称=W)がナターシャを遠ざけて失敗したのを見て、今度はベタ付く作戦を選んだのかも知れない。 いずれにしても、・・・W,X,Yのカケル達が試行錯誤の末に導き出したループを脱する解とは、愛する幼馴染と結ばれることなく終わる悲しい結末だった。
女性陣を寝取られつつも、一応は明るく進んでいた1周目の雰囲気とは打って変わり、主人公の悲壮な決意と覚悟がプレイヤーの魂を揺さぶる2周目。心を打つセリフも多く、過去の世界の自分に正体を明かしてはいけない、というオープニングの伏線を最後の最後で見事に回収した。 |
初稿:2009.11.02 |
ドラゴンナイト4 |