::: エロゲーの殿堂 ::: |
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◆ 舞台 ◆ |
「家出」とされる生徒の定期的な失踪が相次ぐ、私立の名門女子校「雨宮学園」。日本教育監視機構(JES)の捜査員である主人公「佐久間裕一」は、生物の教師として同校に赴任し、内密に調査を開始する。 ゲーム内の期間は不明。移動場所は職員室を中心として、理事長室や体育館、プールといった学園内の各所に限定される。 |
◆ ターゲット ◆ |
攻略可能な女性は9人。内訳は女子高生6(清楚、高飛車、眼鏡、サド、ブルマ、アップ)で、その他に熟女、保険医、お姉系が各1名ずつとなる。 Hシーンには和姦と陵辱があり、女性に主導権を握られてしまうケースも多い。回数は女性によってバラつきがあり、1回きりの女性もいれば複数回ある女性もいる。アナルや浣腸、3Pなどのシチュエーションも用意されているが、シーン自体はほぼノーマル。 淫語は、テキストでは表示されていても音声は合わせられておらず、「アソコ」「オナニー」などでも発声を避けている。また、メインヒロインとなる女子高生の声が老け過ぎなのもマイナスポイント。 |
◆ システム ◆ |
各種音量のON・OFF、テキストスピード調節(2段階)を搭載し、随時セーブ・ロードも可能。ただし再開はシーン冒頭からとなり、セーブスロットは全3箇所。スキップもスペースキー強制で、既読・未読判別は不可。フルスクリーンかウィンドウモードの選択は出来るが、ウィンドウモードでも背景が全面黒色になるため、事実上フルスクリーン固定。またシーン回想は無く、CG閲覧のみとなる。 インストール自体が不可で、直接ディスクからの読み込みとなる。フォルダごとHDにコピーすればディスクレス起動も可能だが、サポート対象外。 |
◆ シナリオ ◆ |
一本道のAVGで、コマンド総当り方式。ゲームオーバーになる事もなく、そのため選択肢に意味は無い。ストーリー上ではそれなりの日数が経過しているが、一足飛びで進行するため、ゲームプレイは短時間で終わる。 PC98版に音声を付けただけのベタ移植であり、基本は16色のままで背景も単色系。シナリオ等にも変更は無し。 「JES」の潜入捜査員として、学生の失踪事件の解明と、突如消息を絶った前任者の行方を捜索するという2つの任務を同時に与えられた主人公。単独行動で手掛かりを探し続けるが、何の成果も挙げられないまま数日が経過してしまう。 |
◆ 総評 ◆ |
【結果オーライ】 本作の主人公は捜査員という役職にありながら、その能力は今一つパッとしない。女性に対する手の早さ、そして短時間で篭絡するテクニックは中々のものだが、状況に振り回される場合が多く、その解決能力には疑問符が付く。実際に味方からはオトリとして送り込まれ、挙げ句に敵からもオトリとして利用される始末。 探偵物の主役としてはいかにも頼りなく、その点でも酷評される事が多い本作の主人公。しかしそれでも事件を一応の解決まで導き、また最後にはその女性をたらしこむ能力のおかげで生還を果たした点などを鑑みると、あながち無能な人物とも言い切れない。 【蘇る凡作】 1994年にPC98版で発売された本作だが、平淡なシナリオでボリュームも薄い凡作に過ぎず、そのまま歴史に埋もれる可能性も十分あった。しかし現在では別の意味で一目置かれている。 それは1995年にリリースされた『EVE 〜burst error〜』の存在による。傑作として語り継がれるこの作品には、本作のメインヒロインとサブヒロインの2名が出演している。本作は『EVE 〜burst error〜』から5〜6年前の設定となっており、作品同士の直接的な繋がりは無いものの、時系列的には連綿と続くEVEシリーズの最初に位置し、実質上の第一作。実際『EVE 〜burst error〜』の開発コードは「悦楽の学園2」だった。 単に登場人物を別作品へ流用しただけで本作に付加価値を与え、過去の凡作を大作のプロローグへと変身させた巧妙なマジック。
ストーリー自体にそれほど見るべき点はないが、エロ面についてはテキストを含め、菅野作品にしては存外健闘している。出来ればこの程度の濃さは後の作品でも維持し続けて欲しかった所。 |
初稿:2005.11.25 |
悦楽の学園
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