::: エロゲーの殿堂 ::: |
◆ 舞台 ◆ |
「サマエラ国」の王子にして第一継承者の主人公「ジュン」は、成人すると「魔王」になる呪いをかけられたため、現在は「ミカル島」の総督として幽閉生活を送っている。そして間もなく20歳の誕生日を迎えようとしていた。 ゲーム内の期間は、本編が最長で49日間となる。移動場所は居城を中心として、広場や裏路地など島内の一部。 |
◆ ターゲット ◆ |
攻略可能な女性は9人。内訳はメインヒロインの姫(清楚&巫女)2名に、サブヒロインのメイドと魔女が1名ずつ、そしてHシーンのみのゲストキャラが5名となる。 Hシーンは和姦もあるが、全体としては陵辱寄り。回数はバージョン違いも含めると、清楚が33回、巫女が40回となり、それにメイドが27回で続いている。魔女とゲストキャラは各3回ずつ。シチュエーションは「フェラ」「パイズリ」「アナル」からSM系や露出系、さらには放尿・脱糞などのスカトロ系や「触手」といったマニアックなものも用意されている。 |
◆ システム ◆ |
各種音量調節、オートモード、テキストスピード調節、過去ログ(音声履歴無し)、スキップ(既読・未読判別可)を搭載し、随時セーブ・ロードも可能(スロット20)。テキストはマウスホイール対応で、MIDI音源に切り替えればディスクレス起動も可。画面効果の調整や直前の選択肢に戻ったり、選択肢で常に「ヒント」を表示する機能も搭載している。シーン回想はタイトル・サムネイル付。 |
◆ シナリオ ◆ |
マルチエンド形式の調教型SLGで、エンディングは20種類。4人の女性にはハッピーエンドが用意されている一方で、正反対の各種バッドエンドやハーレムエンドもある。本編として49日間が設けられ、状況次第では早く終わる仕組み。いずれかのエンドに到達した後、再び最初からプレイすると「トムの部屋」が出現し、各エンディングやHシーンの条件等のヒントがもらえるようになる。 調教パートがメインとなり、5つの調教項目を実行しながら徐々に堕として行く事になる。ハッピーエンドを目指す場合も最低限の調教は行う必要がある。 そして特定の条件を満たすと、メイドも途中から調教可能となる。 調教パート以外は、会話シーンを基本とする通常のMAP移動型AVGとなり、選択肢次第でエンディングも変化する。また「裏路地」へ行けるようになると、ゲームパッドに対応したミニゲームもプレイ出来る様になる。クリアのご褒美は「ゲストキャラの陵辱」というエロゲーならではの展開。 |
◆ 総評 ◆ |
【愛に彷徨う】 「真実の愛」を手に入れられなければ魔王になってしまうという、非常に抽象的な条件を突き付けられた主人公。そこで主人公に真実の愛を与えるため、いわば生贄として2人の姫が現れるわけだが、姫達の主人公に対するスタンスは正反対。 一人は聖母の如き自愛に満ち溢れた女性で、自ら望んで生贄になった。しかしもう一人は無理矢理生贄にさせられ、激しく主人公を拒絶する。そして彼女達もまた真実の愛を知らない。 主人公だけでなく、姫と共に真実の愛を模索して行く物語。 【健全進化】 本作は1999年12月に発売された『BLOOD ROYAL』の第2弾という位置付けの作品。ストーリー自体に関連性は無く、続編ではないものの、前作で示された各種コンセプトはキチンと受け継がれている。「孤島で姫2人を調教」というシリーズ一貫したテーマは勿論の事、姫以外にも街に出ればサブキャラを攻略できる点や、一度クリアすると「ヒント部屋」が現れる点等々。 加えて前作で顕在化した様々な問題点の解消にも腐心している。調教SLGの簡略化やAVGパートでのヒント機能を含むシステム回りの強化、その他にもエンディング数を絞ってストーリー性の向上に努めた点、進行状況に応じて調教対象も1名増やした点など、改悪された部分が1つとして無い所は2作目としてお見事。
会話シーンでは二択の選択肢が提示されるが、常にどちらかがバッドエンドに直結しているのは、ヒント機能を実装しているといっても少々やりすぎ。それでも全体としては卒なくまとめ上げている印象。 |
初稿:2006.04.25 |
EXILE 〜BLOOD
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