::: エロゲーの殿堂 ::: |
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◆ 舞台 ◆ |
18歳の高校生である主人公「真道カスミ」はトレジャーハンターを生業とし、その腕前は一流レベルに達していた。南欧で新たに発掘された遺跡に獲物の臭いを感じ取り、発掘調査の責任者を務めている親戚を訪れる。 ゲーム内の期間は不明。移動場所は遺跡の発掘地域周辺となり、ストーリーが進むにつれて移動可能な場所も増えていく。 |
◆ ターゲット ◆ |
攻略可能な女性は6人。内訳は過去編2(清楚1、赤毛1)、現代編3(お姉系1、幼馴染1、金髪1)、未来編1(褐色1)。 Hシーンは陵辱(輪姦)なども含まれてはいるが、エロ度は非常に低い。特に未来編の主人公は女性だが、若干のお色気シーンがあるだけのソフトエロどまり。 おまけシナリオをクリアすると更に一人追加されるが、シナリオの難易度が尋常ではない。 |
◆ システム ◆ |
各種音量調節、オートモード、過去ログ(音声履歴無し)、テキストスピード調節を搭載し、キャラごとの音声ON・OFFも可能。セーブ時にはトータルプレイ時間も表示される。 ロードは随時可能だが、セーブは移動時のみに限定される(スロット10)。音声リピートは搭載しているが、パートボイス仕様。ディスクレス起動 は不可。 移動画面は3D風となるが、方向転換をする場合としない場合があるなど作り込みが甘い。立ち画の輪郭も極太で、背景と全く馴染んでいない。 クリア後には、プレイ時間の長短等を考慮に入れたプレイヤーのランク判定が行われる。やり込み要素ともとれるが、通常プレイではまずあり得ない条件も含まれており、最高ランクの評価を得るのはほぼ不可能。 |
◆ シナリオ ◆ |
一本道のAVGだが、主人公は3人。同じ地域を舞台として「過去」「現代」「未来」に各1名ずつとなる。それぞれのプロローグを終えた後は個別進行も可能だが、終盤に入ると3者の行動が連動し始めるため、随所で主人公を切り替えながら進めなくてはならない。つまりはマルチサイト形式へと移行する事になる。 ストーリーを進める上で幾つかの謎に遭遇するが、その謎を解く鍵が別時代にある場合もある。謎を解けなければ先には進めないが、選択を誤ってゲームオーバーとなるような事は無い。 現代編の年代設定は西暦2000年だが、過去編は紀元前1200年。残る未来編は西暦13800年と、前2編とは飛び抜けてかけ離れた超未来が舞台となっている。同じ地域とは言え、全く時代の異なる3名の主人公のストーリーが、どのように繋がっていくかが大きな見所。 |
◆ 総評 ◆ |
【二者択一としてのオルタナティブ】 ≪alternative @他にとるべき方法 A代替手段≫ 本作に付された「alternative」は、先行発売のPS版やDC版に代わる「新たな作品」という意味で付けられたものと思われる。しかし「alternative」には「二者択一」という意味も含まれている。 実際、本作のクライマックスでは重大な選択が提示される。それは人類の未来のために採るべき手段について。人類の叡智を結集し、人類自身で切り開いてゆくべきか、それとも人類の及ばない超越的存在にその命運を委ねるべきか。 どちらにも譲れぬ価値観があり、ストーリー中でも激しく議論を戦わせる。そもそもこの難題については、どちらかが正解という事はあり得ない。しかし、本作のエンディングは1つ。つまりプレイヤーに選択の余地は無く、主人公達の選択を見届ける事しか出来ない。 物語中ではこの議論に決着を付けるため、一方の主張者に蛮行をさせて、主人公達の選択を単純化させるという手法を採った。一本道のストーリーであるが故に、たった1つのエンディングへ無理なく導こうとする余り、陳腐な手法を用いてしまった感がある。折角良い題材を俎上に載せたのだから、1つの結末に拘らずにエンディングを2つ用意すれば、本当の意味での「alternative」となっただけに惜しい所。 【嬉しい逆輸入】 本作は元々コンシューマ版として製作された作品で、1998年11月に「Abel」から『エクソダスギルティー』としてPSで発売されている。その後も2001年5月に『エクソダスギルティー・ネオス』としてDC版を発売。そして2002年に、CGやBGMを追加し、シナリオを一部修正した本作が「Abel SOFTWARE」ブランドから発売された。 最大のポイントはエロを追加した上で、18禁作品としてPC市場でリリースされた事。まず18禁のPC版を発売し、その後にエロをカットしてコンシューマへ移植するという近年の流れとは完全に逆行している。残念ながら本作では、肝心のHシーン(他の追加シーンも)における原画家が交替してしまったために、かなりの違和感が生じてしまった。それでも、一般→18禁というメーカーの決断は大きく評価したい。 【RPG or AVG?】 本作には「RPGアドベンチャー」というジャンル名がメーカーによって付されている。結局の所RPGなのかAVGなのか、それとも両者が融合した斬新なシステムなのか。 確かにフィールドを彷徨い、アイテムを集め、時にはパーティを組み、そして情報収集して謎を解くという一連の行動はRPGに通ずるものがある。しかし、経験値があるわけでもなく、当然レベルアップもない。 本作はあくまでRPGテイストを付加しただけの、純然たるアドベンチャーゲーム。結局一本道としてしまったためにコマンド総当りの域も脱してはおらず、やる事と言えば単なる壮大なフラグ立てに過ぎない。
本作では舞台を統一した上で、3人の主人公による異時代を扱い、更に互いの動きを連動させるという大掛かりな仕掛けを打ち出した。しかし中盤から終盤に向けての盛り上がりに比べれば、オチは今一つ物足りない。 |
初稿:2005.04.12 |
EXODUS Guilty
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