::: エロゲーの殿堂 ::: |
◆ 舞台 ◆ |
高校一年生の主人公「鷹弥潤」と、義理の母・姉・妹で構成される「鷹弥家」。母は強烈な不運の持ち主であり、事前にそれを予見する力を持っている。これまでも数々の不幸に見舞われてきた鷹弥家だったが、遂に最大級の不幸が訪れる事に。 ゲーム内の期間は、7月31日から8月31日の約1ヵ月間。移動場所は鷹弥家内部と、妹のバイト先や図書館、公園などの周辺地域。 |
◆ ターゲット ◆ |
メインのヒロインは鷹弥家の3人。そしてHシーンがあるのもこの3人のみ。姉はOLで、妹は同い年。Hシーンのきっかけは必要に迫られてのものだが、全て和姦となっている。 Hシーンは一人につき、7〜10回が割り当てられている。人数こそ少ないが、純愛系にしてはかなり多め。とは言え、姉妹や母子との3Pや、特殊なシチュエーションなどは無く、Hシーン自体は至ってノーマル。 |
◆ システム ◆ |
各種音量調節、テキストスピード調節(2段階)、過去ログ(音声履歴無し)、スキップ(既読・未読判別可)を搭載し、随時セーブ・ロードも可能(スロット50)。オートモードは音声部分のみの対応。画面エフェクトの調整も出来るが、ディスクレス起動は不可。シーン回想はサムネイル付で、回想途中でも選択画面に戻れる。 シナリオや演出の一部が修正されたファイルがある。ただしアップデートを行うと、セーブデータも全て消去されてしまうので、必ずプレイ前に実行すること。 |
◆ シナリオ ◆ |
マルチエンドのAVGで、エンディング数は攻略女性と同じく3種類。その他に、ゲームオーバー同様のバッドエンドも幾つか用意されている。また、進行ルートによっては若干暗めのムードになることも。 基本的には、狙った女性をしっかり追いかけていけば迷うことはない。 迫り来る得体の知れない巨大な不幸。何とか回避しようと結束する家族。テーマがテーマだけに鬱な展開が気になるが、この家族は努めて明るく立ち向かう。前述の様に、時に悲壮感が漂う場面もあるが、陰湿なシーンは一切無い。 不幸を回避する手段がいささか強引な気もするが、エロゲーだからこそ成立する設定でもある。 |
◆ 総評 ◆ |
【鷹弥君の家庭の事情】 主人公は、他の3人とは血縁の無い義理の家族関係。実の親子は母と妹だけで、姉もまた他の3人との血縁は無い。そのため母は3度の結婚を経験し、「離婚→死別→死別」という悲惨な過程を経た未亡人となっている。 さらに、姉が父親代わりに働いて一家の家計を支え、主人公と妹が炊事を担当。母は専業主婦としてその他の雑用をこなすという、家庭内の役割もまた特殊。 「近親相姦を避ける」という理由にしては、余りにも複雑すぎる背景設定。この点について登場人物達は、物語中で血の繋がりの無い義理の家族のあり方を模索し、深く考えて行く事になる。 【ファンディスク】 2004年9月24日に『フォーチュンクッキー セレクト』が発売された。本編の後日談で、8本の独立したショートシナリオを収録している。本編がマルチエンドだったため、各ストーリーも想定しているエンディングによって設定が異なっている。この辺りは、やはり本編をプレイしていないと把握できない所。 全編通して明るいムードが維持されており、エロに特化したシナリオも用意されている。本編には無かった姉妹&母子3Pも実現された。しかし、追加された新規CGのうち、Hシーン以外は作画が乱れているのは残念。 「Away from home」は8本の中でも、最も気合の入った作り。背景や立ち絵も追加され、一箇所だけだが分岐も設けられている。ストーリーを重視しながら、エロ(家族4P等)もキッチリ織り込まれているという中々のバランス。 背景設定は、本編で特に誰ともエンディングを迎えていない状態。その一年後の結末を描くという『フォーチュンクッキー』を締め括るストーリー。
家族だけでなく、隣家とも支え合って暮らしており、その隣家の5歳児もまた個性的。登場人物は全員良い人であり、非常にアットホームな雰囲気を醸し出している。お手頃な良作。 |
初稿:2004.09.10 二稿:2005.02.07 |
フォーチュンクッキー |