::: エロゲーの殿堂 ::: |
◆ 舞台 ◆ |
「豊永学園」2年生の主人公「富士見進也」は、長兄夫婦と次兄との4人暮らし。そこへ次兄の嫁として、同い年の女性がやって来る。しかし現れた女性は、かつて幼き日に結婚の約束を交わした人だった。 ゲーム内の期間は最長で約6週間。移動場所は自宅と学園が中心となり、イベントでプール等の娯楽施設へ行く場合もある。 |
◆ ターゲット ◆ |
攻略可能な女性は3人。内訳は長兄の嫁(巨乳)、次兄の嫁(同級生)、幼馴染(同級生)が各1名ずつとなる。 Hシーンは全て和姦。イベントシーンとしてカウントされる回数は次兄の嫁が20回以上、長兄の嫁と幼馴染が10回前後となる。その他に調教コマンドとしてカウントされる回数は次兄の嫁が130回以上、長兄の嫁と幼馴染は35回前後となるが、ほんの僅かにセリフが異なるものも別シーンとして数えられている。 「フェラ」「パイズリ」「アナル」「69」「器具」といったシチュエーションは押さえられているが、調教物であっても和姦路線のため、スカトロ系のようなハードなものは無い。 |
◆ システム ◆ |
各種音量調節、オートモード、音声リピート、過去ログ(音声履歴有り)、スキップ(既読・未読判別可)を搭載し、随時セーブ・ロードも可能。セーブスロットは無く、直接ファイルとして保存するというSelen伝統の拡張方式。事実上無限にセーブ出来るものの、上書き時などでの使い勝手は悪い。 テキストは瞬間表示に固定されており、マウスホイールにも対応している。画面効果の調整やディスクレス起動も可。シーン回想はサムネイル・タイトル付だが、一般シーンと一緒に収録されているため、どれがHシーンなのかは分かり辛い。 |
◆ シナリオ ◆ |
マルチエンド形式の調教SLGで、エンディング数は6種類。2種類のハーレムエンドと3人の女性に対応したエンド、そして誰とも結ばれずに終わるバッドエンドが用意されている。 メインは兄嫁2人の調教パートとなるが、長兄の嫁に関しては主人公が調教される側で、そこで体得したテクを次兄の嫁に実践して行くという形。彼女達の調教成果次第でルート分岐も決まる。特に次兄の嫁に関しては、成果を挙げられなければそのままバッドエンドへ。 ハーレムルートに進むと、幼馴染も調教可能となる。 兄嫁を兄達には内緒で調教して行くという、スリリングかつ無茶な設定ではあるが、長めのエピローグを設ける事でそこへ至る過程にそれなりの説得力は持たせている。ただしメインヒロインたる次兄の嫁に関しては、いかに調教を施す立場とはいえ、本当に心が通じ合うまで本番は出来ない。 |
◆ 総評 ◆ |
【手を噛む飼い犬】 長兄と次兄の嫁を裏でコッソリ頂戴するというコンセプトの本作。次兄の嫁については事情が複雑であり、さほど罪悪感も湧かない。しかし長兄の嫁に関しては純然たる不貞行為。しかも幼い頃に母親に捨てられた主人公を、親代わりとなって必死に育ててくれた長兄の、その奥さんをいただくだからこれ以上無く恩を仇で返す行い。いくらほのぼのとした展開であるとはいえ、さすがに背徳感よりも罪悪感の方が先に立ってしまう。 ハーレムルートの方は序盤からの明るいノリで何となく乗り切ってしまうが、個別ルートではやはり最後に修羅場が待っている。その兄嫁と迎えるエンディングは、2人は幸せになるものの周囲からは孤立し、誰からも祝福されないまま終わるという、ある意味で当たり前の結末となっている。 【調教パート】 本作は女性3人の調教パートを設けているが、もっとも充実しているのはメインヒロインの「あかね」。大きく10種類の調教項目があり、更にその中でも「着衣」「半裸」「全裸」のCGバリエーションや、上達度によっての反応の違い等、実に多彩な内容。そしてラブラブモードに入ると、調教項目自体がガラリと変わる。 当然1プレイで全てのシーンを回収するのは不可能で、フルコンプを目指すにはシーン回収用のプレイをしなくてはならなない。またバリエーションが豊富と言っても、CGが同じでセリフが多少違うだけのものも多数ある。薄っぺらいバージョン違いを大量に用意して結果的に作業プレイをさせるよりも、長兄の嫁の様に数を絞ってでも濃いシチュエーションを用意した方がベターだったのかも知れない。
当初は成り行き任せの軽いノリで始まる調教生活だが、個別ルートに入ると例外なく重苦しい緊張感のある展開となる。ハーレムルートの能天気なムードとは大きく異なるキツい状況が待ち受け、主人公は普段に輪をかけてヘタレとなる。 |
初稿:2006.07.28 |
ふたりの兄嫁 |