::: エロゲーの殿堂 ::: |
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◆ 舞台 ◆ |
主人公「高崎祐介」の通う「私立鐘ノ音学園」は、山奥に位置する全寮制の男子校。来年度の共学化を見越して、試験的に女生徒が編入される事になる。予期せぬ事態を迎えて、男子のテンションは最高潮に達していた。 ゲーム内の期間は、6月1日から7月20日までの約1ヵ月半。移動場所は、学園が山中で孤立しているため、校舎内を含めてその周辺一帯となる。 |
◆ ターゲット ◆ |
攻略可能な女性は5人で、内訳は同級生3(双子1組)、下級生1、女教師1。Hシーンは1人に付き1回となるが、中には2回用意されている女性もいる。 Hシーンにはノーマルとハードの2種類があり、選択肢によって変化する仕組み。「ハード」とは言っても特殊なシチュエーションやマニアックなプレイがあるわけではなく、女性が積極的になるという程度。 |
◆ システム ◆ |
各種音量調節、オートモード、テキストスピード調節、スキップ(既読・未読判別可)を搭載し、随時セーブ・ロードも可能(スロット100)。一方で過去ログは無く、ディスクレス起動も不可。またHシーン回想は、ノーマルかハードの内で最後に見た方しか再生できない仕様。 BGMは、DVD版ではCD版より音質を向上させるはずだったが、対応してないので修正ファイルが必要となる。 クリア後に閲覧出来るCGギャラリー・・・のはずが、なぜかインストール終了後に全てのCGが閲覧可能となる。この辺りは「CD版」発売時の事情が絡んでいるのだが、やはり「DVD版」発売時にキッチリ修正すべきだった。 |
◆ シナリオ ◆ |
マルチエンド形式のAVGで、エンディング数は5種類。基本的には狙った女性を追いかけていれば問題はないが、Hシーンにおける「ノーマル」と「ハード」分岐のフラグポイントの把握は難しい。 序盤〜中盤はコミカルにストーリーが進行し、終盤をピシッとシリアスに締めるという王道パターン。典型的なボーイミーツガール物で、途中から5人のヒロインの個別ストーリーに入るのもまた王道。 大抵のヒロインはそれぞれ「謎」を抱えており、物語が進行するにつれて解き明かされていく事になるが、肝心なその「謎」の部分は今一つ弱い。ミステリー物に慣れたプレイヤーには、ラストでの驚きは味わえないかも知れない。 |
◆ 総評 ◆ |
【ヒロイン達が食われた】 本作には、エロゲーにしては珍しいほど男性キャラが数多く登場する。野郎共は物凄い個性を持ち、中盤までの「笑い」のパートを一手に引き受けている。その上、揃ってイイ奴らばかりなので、少なくとも目当ての女生徒を巡って主人公と醜く争う事は無い。余りに男キャラが立ち過ぎていて、ヒロイン達のインパクトを削いでしまうほど。 彼らの大半は次作『グリーングリーン2 恋のスペシャルサマー』において、見事再登場を果たしている。 【早押しクイズ】 このゲームで最も残念な点は、時間制限付きの選択肢がある事。勿論、フラグ立てに重要なポイントとなるわけだが、非常に煩わしい。しかも、あえて制限時間内に答えず、時間切れを待った方が良い選択肢も存在するなど結構悪質。 本作に限らず、他の作品でもしばしば導入されるこの「時間制限付き選択肢」。そもそもAVGで、選択肢のチョイスを急かす必要があるのだろうか。 確かに現実世界において、会話の途中に言葉を探して度々考え込む事などそうは無いが、そこは所詮ゲーム。製作者にはリアルさと、ゲームと割り切る部分とを見極めるバランス感覚が要求される。
外界とは隔絶された、文字通り緑溢れる世界での物語。学園純愛物ではあるが、ワケもなく主人公がモテまくるだけのゲームとは異なる。とにかく女生徒と親密になるために、男子生徒はあらゆる手段を駆使して行く。その涙ぐましいまでの努力をする姿は、実に汗臭くて微笑ましい。 |
初稿:2004.07.02 |
グリーングリーン DVD EDITION |