::: エロゲーの殿堂 ::: |
|
|||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||
|
◆ 舞台 ◆ |
「蓮美台学園」の2年生に進級した天文部所属の主人公「久住直樹」。屋上で昼寝を決め込んでいたある日、空から女生徒が降って来る。その女生徒は、主人公のクラスに転校して来た新たなクラスメイトだった。 ゲーム内の期間は4月4日から始まり、最長で3月13日までの約一年間。移動場所は自宅と学園内の各施設がメインとなり、イベントで学生寮や海辺などに出かける事になる。 |
◆ ターゲット ◆ |
攻略可能な女性は6人で、委員長は攻略不可。そちらは『オーガストファンBOX』で。内訳は、同級生(転校生)、幼馴染、従妹、下級生、保険医、女教師が各1名ずつ。 Hシーンは全て和姦で、特殊なシチュエーションもない。しかしHシーンは女性1人に付き3回用意されており、純愛系としては多め。1シーンで2ラウンドこなす場合もあるなど、尺は長い。また、ティッシュによる後始末のシーンなど、マニア心をくすぐる演出も用意されている。 |
◆ システム ◆ |
各種音量調節、オートモード、テキストスピード調節、過去ログ(音声履歴有り)、スキップ(既読・未読判別可)を搭載し、随時セーブ・ロードも可能。セーブスロットはサムネイル付の全80箇所で、クイックセーブも出来る。テキストはマウスホイール対応で、画面効果の調整やディスクレス起動も可。 フェイス・ウィンドウが設けられており、立ち画の他にバストアップの画も同時に現れる。複数のキャラによる会話シーンでは効果的に作用する。 |
◆ シナリオ ◆ |
【東奔西走ADV】 マルチエンド形式のAVGで、エンディングは6種類。女性1人に付き1つのエンディングとなっている。選択肢の自由度は高く、狙った女性を追いかけ続ければ、時に好感度の下がる選択をしても大して問題は無い。中盤までに攻略女性のルートが確定すると、後はエンドまで分岐も選択肢も一切無し。 序盤は何日か飛ばしながらの通常進行となるが、中盤以降はイベントのみを消化していく駆け足モード。期間は最長で一年間だが、大半は秋頃に話が終わる。 全エンドに到達すると5本のショートストーリーが現れる仕組み。 かなり施設の整った私立のマンモス校を舞台とした純愛学園物。部室の獲得を目指して、「蓮美祭」での発表を成功させるという一応の目標が与えられるものの、ほとんど在って無きが如し。体育祭やプール開きといった学校行事から、お泊まり会や誕生会、観測会などのイベントを小刻みに織り交ぜる事によって、長丁場のストーリーがダレないように配慮されている。 【SF・ファンタジー】 前述の通りごく平凡な純愛学園物ではあるが、それも中盤までの事。終盤近くになるとそれまでのほのぼのムードが吹っ飛び、突如ストーリーが急展開し始める。それは「一部のヒロインがファンタジー系のシナリオ」などというものではなく、全ルートをファンタジー絡みで締め括ってしまっている。 背景設定として、主人公が5年以前の記憶を失っている点や、メインヒロインの登場の仕方などを見れば、通常の純愛学園物で終わらない事は想像に難くない。サブタイトルでしっかりと明言している以上、本作はまずファンタジーありきという事なのだろう。しかし欲を言えばファンタジー・ストーリーの他に、そのまま学園物として終わるルートも作って欲しかった所。 そんな中で従妹ルートは全ルートの中でも最長期間が設けられており、極力ファンタジー色を押さえ、また途中にスタッフロールを挿入するなど演出にも凝っている。しかし他のルートで、この物語の根底を支えるSF設定を理解しておかなければピンと来ない部分もある。 |
◆ 総評 ◆ |
【スーパー幼馴染】 本作に登場する「保奈美」は、毎朝起こしに来たり、時には主人公の部屋の掃除もするといったお節介焼きで、その主人公のボケにも付き合ってくれる理想的な幼馴染。 成績優秀の優等生であり、均整の取れたプロポーションも持つ才色兼備の女性で、加えて料理も得意で気立ても良く、当然ながら男子生徒の人気もある。あからさまなヤキモチこそ焼いてはくれないが、主人公だけに想いを寄せ、他の女性のルートに入っても他の男とくっ付く展開は無いという、架空の世界にのみ存在を許されたまさにパーフェクト超人。 【首座陥落】 同居している一つ年下の従妹「茉理」は、主人公を「兄」とは呼ばず名前を呼び捨てにするなど、ベタベタして来る事は無く、むしろサバサバしている。本来、近親相姦を避けるための義妹のポジションにいながら、兄妹ではなく、あくまで従兄妹としての関係が維持されている。 ガチガチな幼馴染を用意する一方で、義妹はベタを避けてヒネリを効かせた形。 しかし本作のメインヒロインは、上述した幼馴染でもなければ従妹でもなく、その地位は謎めいた転校生の「美琴」に与えられている。ところがストーリー上での存在感だけでなく、人気の面でも2人に大きく水を開けられてしまった。
主人公は無趣味なため、放課後や休日はかなりダラダラとすごしているが、基本はボケ好きでノリも良く、イベント立案の名人。また、主人公の友人も気さくなナイスガイで、攻略対象を奪い合う事も無い。その他にも多くのキャラが登場するが全員良い人であり、嫌な奴が一人もいないという安心設計。 |
初稿:2005.08.16 |
月は東
|