::: エロゲーの殿堂 ::: |
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◆ 舞台 ◆ |
プレイヤーの創造した「世界」には、自らの分身となる主人公と、選ばれた「人工少女」しか存在しない。終わりなき静寂の世界における、筋書きの無い物語が今、始まる。 ゲーム内の期間は不明。移動場所は自宅内を中心に、学校や神社、浜辺など。 |
◆ ターゲット ◆ |
攻略可能な女性は5人となるが、これは1つの「世界」で同時攻略できる人数の上限。個々の女性に関しては、顔や身体など各部位の細かなカスタマイズが可能で、膨大な組み合わせからプレイヤーお好みの女性を作成することが出来る。 Hシーンは全て和姦で、回数制限は特に無し。基本は主人公が、前か後ろのいずれかから女性に抱き付くことでHシーンが始まる。条件次第では女性が寝ている時や、腰を抜かしている時に襲うことも出来る。各種好感度を上昇させれば、寝起きを襲われたりと女性からも迫られるようになり、体位のバリエーションも増えるという仕組み。 射精のタイミングは任意では選べず、グラインドさせてある程度の時間経過を待たなくてはならない。また、Hの途中で挿入体位を変えられないため、変更したい時は一旦シーンを打ち切って仕切り直す必要がある。 多人数対応になったことから、複数の女性達の前でHを見せ付けるといった、まさに妄想世界でしかありえないシチュエーションも実現可能。さらに、女性全員を発情状態に持ち込めば、行く先々で女性達におねだりされるという夢の様な展開や、主人公を巡って女性達が言い争うラブコメチックな修羅場も発生する。 ただし女性達の行動を自在にコントロールすることは難しく、対象人数が増えれば好感度の調整もそれなりの労力を強いられる。そしてここまで条件が揃っていながら、3Pや4Pといった複数プレイが無い点にも肩透かしを食らう。 |
◆ システム ◆ |
各種音量調節、画面効果等の調整、マウススピード調節を搭載。セーブは睡眠時に可能で、スロットは各世界に付き1つとなる。回想シーンは無く、ディスクレス起動も不可。登録する主人公の名前は、ポピュラーなものであれば女性が呼んでくれる。 バグの修正やバランス調整を行ったパッチは必須なので、必ずプレイ前に当てておくこと。また、登録した世界から人工少女を外すと、パラメータ等が全てリセットされるので注意。 |
◆ シナリオ ◆ |
前作同様、基本ストーリーは一切無し。舞台設定は「海辺の住宅街」となり、生活感は増したが、主人公と人工少女以外には誰も居ない。昼夜の切り替わりはあるが、季節が変わることは無い。よって、本作にもやはりエンディングは設けられていない。 シナリオの無い本作の世界に主人公(プレイヤー)が留まり続け、ネバーエンディング・ストーリーを紡ぐ目的は唯一つ。それは自らの創造した人工少女達とひたすらHをする、ただそれだけ。そのため、当該世界に投入する人工少女のカスタマイズが、非常に大きなウェイトを占めてくる。 まずはプレイ前に『人工少女3 きゃらめいく』で各人工少女の設定を行う。メンタル面は、「性格」は6(+1)種類の中から、「属性」は30種の中から3つをチョイスする。 そして肝心のフィジカル設定は、かなり詳細な調整が出来るので、グラビアを片手に微調整を繰り返せば、お気に入りのアイドルに近付けることも決して不可能ではない。ただし元の体型は大幅に変えられないため、ぽっちゃり〜デブは作成不可。また、つるぺた寸胴でロリっぽく仕上げることも出来るが、身長は主人公とほぼ同じなので、あくまで雰囲気どまり。一方で、エルフや天使程度の人外には対応している。 さてどんな女性を作ろうかと期待は膨らむが、これは頭で考えるほど楽な作業ではなく、凝り出すとそれだけで日が暮れる。何しろ人工少女が完成しても、その後には服装の設定が待っている。こうして次第に一連の調整作業に嫌気が差し、結局適当な所で妥協する。ところが妥協した人工少女ではテンションもイマイチ上がらず・・・という負の連鎖に陥る危険性を本作は孕んでいる。 カスタマイズはゲームを盛り上げる大事な要素ではあるが、全てを自らの手で完璧に作り上げるとなると、本編スタート前から執念にも近い根気と努力が必要となる。ここは一つ割り切って、公式サイトに掲載されている投稿作品の中から選ぶのも手。その後に微調整すれば、かなり手間は省ける。 最初から余り大きく振りかぶり過ぎない事が、この作品を長く続けるコツ。 |
◆ 総評 ◆ |
【トライアル&エラー】 前作『人工少女2』から、人工少女の詳細な設定やHシーンにおける演出等、大幅な進化を遂げた本作。中でも最大の注目ポイントは、複数の人工少女を投入できるようになった所。前述の通り、この「複数」というポイントを生かしたシチュエーションも多数用意されている。 しかしながら3Dアクションが増えた一方で、操作の難度も上がってしまった。前作のように直感に頼った操作ではフィニッシュまで持ち込むことも難しく、面倒なカメラワークも含めて、慣れるまでの当分の間はマニュアルを睨みながらせっせとプレイすることになる。 試行錯誤しつつも、着実に進化しているこのシリーズ。自由度が広がったことは喜ばしくあるものの、簡易モードとしてある程度選択肢でも進められるような配慮があればなお良かった。さらに欲を言えば、3段階程度の年齢別の性格設定や、3P等の複数プレイは実装して欲しかった。頻繁に発生する生理現象も要見直し。 【パワーアップDISK】 2008年5月に『人工少女3 はんなり』がリリースされた。稼動には本作『人工少女3』が必須。Hシーンにおける体位や移動可能な場所、人工少女の性格等を追加し、その他にも若干ながら操作系を改良している。 メーカーが謳う通りパワーアップなのか、あるいはバージョンアップの範囲内と捉えるかは難しい所。本体未プレイ者にとっては最初から導入しておくのがベターだが、その価格は5,800円と決してリーズナブルでは無いため、判断にも迷う。それでもポリゴン・フリークを自認するプレイヤーならば、もはやこの作品は15,600円(税抜)のゲーム(本体+はんなり)なのだと腹を括る・・・べきか。
本作をいかにエロくするかは相変わらずプレイヤー次第な作品。とにかく妄想を膨らませ、脳内で明確なキャラ設定をしなければ、単にラブドールが仮想世界をウロウロしているだけの作品となってしまう。適度な根気と妥協を要求される作品。 |
初稿:2008.08.01 |
人工少女
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