::: エロゲーの殿堂 ::: |
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◆ 舞台 ◆ |
有宮家当主「鴨茂」は後継者を指名せずに死亡したため、その座を巡って静かな争いが始まった。第三秘書である主人公「鹿取達也」は、騒動に乗じて当主の遺産と女性達をその手に握ろうと目論む。 ゲーム内の期間は最長で5日間。移動場所はホテルの一室を中心として、ホールや秘書室など「有宮タワー」内に限定される。 |
◆ ターゲット ◆ |
攻略可能な女性は6人。内訳は未亡人(熟女)、長女&次女(高飛車)、三女(清楚)の4名がメインとなり、それぞれ血の繋がらない家族という設定。加えてメイドと秘書の2名がサブ要員となる。 Hシーンには陵辱もあるが、意外にもほとんどが和姦。回数は女性1人に付き6回前後で、主人公の絡まないHシーンも幾つかある。「フェラ」「パイズリ」は勿論の事、「アナル」「器具」「コスプレ」といったややマニアックなシチュエーション、「3P」「乱交」といった複数プレイも用意されているが、余りハードなものは無い。 画風は柔らかいタッチながらも肉感的で、淫靡さは十分及第点。淫語にもテキスト修正や消し音は無い。 「悪戯モード」と称するシステムが特定のHシーンで導入されており、当該シーンでは任意でアイコンを変化させる事が出来る。文字通り悪戯程度にしか使えないサービス機能。 |
◆ システム ◆ |
各種音量調節、オートモード、過去ログ(音声履歴有り)、スキップ(既読・未読判別可)を搭載し、随時セーブ・ロードも可能(スロット30)。テキストはマウスホイール対応で、瞬間表示固定。画面効果の調整も出来るが、ディスクレス起動は不可。シーン回想はサムネイル・タイトル付で、回想途中でも選択画面に戻れる。 本作は「イベントフロー」を搭載しており、それまで通って来たルートがサムネイル付で表示される。さらに任意の場所(サムネイル)をクリックすると、そこから再開されるというマルチエンドには最適なシステム。 |
◆ シナリオ ◆ |
マルチエンド形式のAVGで、エンディングは5種類。ハーレムエンドと、各女性に対応したエンドが1つずつとなるが、サブヒロインの女秘書とメイドには無い。その他にバッドエンドも13パターン用意されている。 「キーワード取捨選択型AVG」と銘打たれた本作では、通常の会話シーン中に「キーワード」が赤字で表示される。そのキーワードをクリックするか、「気に留めない」でスルーするかで分岐して行くという一風変わったシステム。詰まる所は「YES or NO」の2択なのだが、物語の怪しげな雰囲気を醸し出すのに一役買っている。 エンド到達後には他のルートへのヒントも表示される。そして全エンドに到達して「新帝」となると、「裏ルート」が出現する仕組み。 主人公は一見冷静な様で結構流されやすく、いい加減な所もある。また、大それた事を考える割には意外に小心者で、肝心な所でドジを踏む事もあるなど、どこか小者という印象を受ける。 |
◆ 総評 ◆ |
【黒い巨塔】 故人は知事という職務をフル活用し、一代で財を築き上げた怪人。「裏金」と呼ばれる帳簿に載らない隠し財産を武器にのし上がり、一方では絶倫な精力で結婚と離婚を繰り返しつつ、多数の愛人も抱えていた。 そんな化け物の遺した金と女を頂くべく、空位となった「王座」を目指して下っ端秘書の主人公が色々と画策するが、当然他にも遺産を狙う者は沢山いる。 己の度胸と下半身を頼りに勝負を挑む主人公という構図ながら、ストーリー展開はいつの間にか金庫を開ける「キーワード」探しになってしまうのが残念。素材は悪くないだけに、もう少しストーリー面を煮詰められれば一層良くなっていたはずだった。 【前轍を踏む】 本作は2002年10月にリリースされた『女系家族』の第2弾。ストーリーには全く関連性が無いものの、何点かの主要なコンセプトは引き継いでいる。女だらけの場所に主人公が単身乗り込み、富と女を目指して謀略を巡らす点や、登場人物達のギスギスした人間関係等々。 前作が大富豪の設定でありながら、どこか庶民的な描写だった点に比べ、本作では政治家なども絡めて豪奢な雰囲気は出ている。一方で、これも前作同様手強い女主人や弁護士等も登場するが、相変わらず虚々実々の駆け引きを楽しむ様な展開は無く、女性陣を手篭めにした時点でほぼ決まってしまう点はやはり味気無い。
身分違いの主人公に当初は激しく嫌悪感をぶつけて来る長女と次女。しかし一旦Hするとその態度は豹変し、途端に従順な姿を見せる。物語の雰囲気からして主人公を油断させるための演技かと疑ってはみるが、本当に主人公に骨抜きにされており、後に裏切られるという事もない。 |
初稿:2006.07.17 |
女系家族
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