::: エロゲーの殿堂 ::: |
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◆ 舞台 ◆ |
「卯月学園」の3年生となった主人公「けんたろう」は、親許を離れての寮生活。過酷なアルバイトに勤しむ日々を送っていたが、学生生活最後の年を迎えて、素敵な女性と結ばれるために町中を奔走する。 ゲーム内の期間は4月8日から始まり、3月8日までの正味11ヵ月間。移動場所は学園内と卯月町内の各所となる。 |
◆ ターゲット ◆ |
攻略可能な女性は12人。内訳は同級生6(他校1)、下級生3、女教師1、女子大生1、お姉系1となり、イレギュラーな金髪外国人(褐色)にはHシーン無し。 Hシーンは全て和姦。回数は女性1人に付き7〜9回。フェラやパイズリ、アナルといったシチュエーションも押さえてあるが、尺は短く、テキストも割合淡白。一方で、何故かAVばりに顔射でのフィニッシュが多い。 徐々に積極的となる女性陣の変化が大きな見所となるが、その反面テキストが変化するだけの画の使い回しも多用されている。 |
◆ システム ◆ |
各種音量のON・OFF、過去ログ(音声履歴有り)を搭載しているが、セーブ・ロードは特定の場所に限定され、スロットは全6箇所。テキストは瞬間表示に固定。スキップは既読・未読判別不可で、ディスクレス起動も出来ない。音声もイベントシーンのみのパートボイス。 1996年6月にPC98版で発売された本作。その後1997年4月のSS版を経て、1998年6月にWindowsへと移植された。しかしシステム周りの寂しさや塗りも256色にとどまるなど、過渡期の移植作品。 |
◆ シナリオ ◆ |
マルチエンド形式のSLGで、エンディングは13種類。女性1人に付き1つのエンドが基本となり、その他に誰とも結ばれないまま終わるバッドエンドも用意されている。 ターゲットとなる女性と会話を繰り返して好感度を上げ、電話番号や住所を聞き出し、そしてデートに誘うというのが基本の流れ。デートを何度か繰り返して、初めて待望のHシーンに辿り着ける。ただしスタート時点での主人公に対する好感度は各女性によって異なる。またそれぞれ価値観も異なるため、比較的早い段階でHに持ち込む事が可能な女性もいる。 一年という長い期間をかけて、ターゲットとなる女性をストーキングしつつ振り向かせて親密になる事が本作の主目的となる。ところが女性を付け回したくても、どこに現れるかを把握するのは難しく、季節と好感度を発生条件とするイベントを出現させるのも一苦労。それでも好感度さえ上げておけば、一応エンディングを迎える事は出来る。 |
◆ 総評 ◆ |
【ナンパ師SLG】 最終的には誰か一人に絞られるものの、そこへ至るまではかなりの自由度がある本作。それこそ二股どころか、時間と軍資金の許す限り何人もの女性達に手を出しまくる事も可能となっている。 無論多数の女性と付き合いながら、それぞれの主要イベントを発生させ続けるのは至難の業であり、また同時攻略が不可能なケースもあるなど、ある程度の制約はある。それでも1日の間に複数の女性と取っ換え引っ換えHする光景は、鬼畜・陵辱系以外の作品では余りお目にかかれない。 一人の女性との純愛を貫くのか、あるいは『続「超」整理法』を片手にスケジュール調整をしながら女性のハシゴをするのか。ただ現実的には、攻略上の都合を優先するのが実状。 【各種OVA】 1995年5月にピンクパイナップルより『下級生 Vol.1』が発売。その後同年11月までに『Vol.2,3,4』の計4話がリリースされた(全15禁)。しかしこれらはゲームとは無関係のオリジナルストーリー。原作に準拠したOVAは1997年11月に『エルフ版 下級生〜あなただけを見つめて〜』として、こちらも計4話リリースされた(第4話のみ15禁)。1999年8月には『D-1,D-2』としてDVD化。 ストーリーは「瑞穂」と「みこ」に焦点を絞った構成。15禁だけにエロ面は期待できず、作画レベルも並程度。 1999年には新たに「TVアニメ版」として全13話が放映された。前掲のOVAとは設定の異なるパラレルワールドで、「愛」と「美雪」を中心に据えたストーリーとなり、名実共に「下級生」となった内容。
最大のポイントは、やはり主人公に対する女性達の反応の推移。特に、スタート時に「無関心」あるいは「嫌悪」といった態度の女性が、最終的にベタ惚れとなった時の喜びは一入。十分なゲーム内の期間を設ける事によって、ツンデレヒロインのみならず女性が反転する瞬間の感動を与える事に成功した。 |
初稿:2006.11.07 |
下級生 |