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家族計画〜追憶〜

家族計画───
それは赤の他人同士が生きるために結束する、互助計画。
モラルも考えも嗜好も異なる、噛み合わない歯車のような彼らの行く末に、果たして幸福はあるのだろうか?

公式サイトより

ストーリー エロ 感動 システム キャラ ボリューム 総計 主人公
Baa Ca Baa B A Baa 77 Ba
 
メーカー
発売日
定価
シナリオ
原画
備考
:D.O.
:2005.03.18(Fri.)
:\5,800-
:山田一
:福永ユミ
DL版あり
 
ジャンル
音声
名前変更
修正ファイル
属性
季節
:AVG
:○
:×
:−
:家族
:−
 
OS
CPU
メモリ
DVD-ROM
解像度
HDD
:Windows98/2000/Me/XP
:PentiumU300MHz以上(推奨PentiumV500MHz以上)
:96MB以上(推奨128MB以上)
:倍速以上(推奨4倍速以上)
:640×480,HighColor以上
:3.62GB以上
 
◆ 舞台 ◆
 中華料理店「龍龍」で働く20歳の主人公「沢村司」は孤独な一人暮らし。ある日、店の路地裏で行き倒れていた身元不明の少女を、上司の理不尽な命令で面倒を見るハメになってしまった。

 ゲーム内の期間は不明。移動場所は生活拠点となる屋敷内が中心となり、随時町内各所へと外出する。
 
◆ ターゲット ◆
 攻略可能な女性は5人。内訳は熟女、お姉系、眼鏡、チャイナ、中学生が各1名ずつ。擬似家族としての設定上では母1、姉1、同年1、妹2となる。
 Hシーンは全て和姦。回数は中学生4、チャイナ3、眼鏡2、熟女&お姉系が各1と、バラつきがある。シチュエーションはごくノーマルで、ハードなものは無い。

 本作に登場する最年少の女性「末莉」は、ストーリー中に初潮を迎える中学生(推定)。用意されたHシーンは、回数からして全女性の中で最も気合が入っており、製作者のロリへの造詣の深さが感じられる背徳的なシーンに仕上がっている。
 
◆ システム ◆
 各種音量調節、オートモード、テキストスピード調節、過去ログ(音声履歴無し)、スキップ(既読・未読判別可)を搭載し、随時セーブ・ロードも可能(スロット27)。キャラごとの音声のON・OFFも出来るが、ディスクレス起動は不可。シーン回想はタイトルのみでサムネイルは無し。
 
◆ シナリオ ◆
 マルチエンド形式のAVGで、エンディングは5種類。女性1人に付き1つのエンドとなり、その他にバッドエンドも用意されている。基本的には狙った女性を追い続ければ各エンドに到達できるが、個別ルートに入るまでは全員とバランス良く接しなければならない。その共通ルートから相当に長めで、ボリューム感たっぷり。
 訳有りの人々が集合するまでの前半はコミカル、各人の事情が明らかになる後半はシリアスなストーリー展開。

 本作は2001年11月にリリースされた『家族計画』のリメイクとなる『家族計画 〜絆箱〜』(2002年12月発売)の廉価版。内容に関しては「絆箱」からの変更は無し。原典となる『家族計画』から2度の再販を経ているものの、その都度数量限定販売のため、現在は新品の入手不可。
 
◆ 総評 ◆
【家族計画を終了する】
 各々が複雑な事情を抱えて集まった人達。彼らが再び社会復帰するまでの、言わば急場しのぎの手段として「家族計画」を発動させた。しかし年齢も性別も国籍さえも異なる7人の共同生活。いくら必要に迫られての事とは言え、そう簡単に上手く行くはずもなく、計画発足直後から幾度となく崩壊の危機にさらされる。当初は渋々計画に参加していた主人公だったが、崩壊を防ごうと奔走している内、いつしかこの偽りの集団に、家族の情に似たものを感じ始める。
 だがこの家族計画。どのルートを進もうが、必ず中途での挫折を余儀なくされる。それもそのはずで、この計画の目的は本当の家族になることではなく、あくまで次のステップのための「つなぎ」でしかない以上、遅かれ速かれこの集団の行き着く先は解散しかない。

 そんな偽りの家族ではあるが、全員とは無理にしても、その内の女性の一人と本物の家族になる方法はある。主人公がその道を選んだ時、家族計画は本当の終了を迎えた。

【TRUE END】
 2004年7月に高屋敷開発より『家族計画 〜そしてまた家族計画を〜』が発売された。「ネット接続版」と「通常版」があり、追加の「フルボイスファイル」を適用すると文字通りフルボイス化される。ただし適用方法はそれぞれの版で異なる。
 ストーリーは本作の末莉エンドをベースとした後日談。新キャラの少女との触れ合いを中心に、本作では語られなかったエピソードを交えつつ進行して行く。シナリオのボリュームは薄めだが、本編には無かった「景」とのHシーンを収録している。シナリオは3周目にトゥルーエンドへと到達する仕組み。既に完結している本編を、さらに華麗に締め括った秀作。

 本編で御馴染みの屋敷で暮らす主人公の元に、突如転がり込んで来た謎の少女。彼女を巡り、主人公にとって最後の家族計画が今始まる。

 

 各女性達はそれぞれ深刻な悩みを抱えており、結構シャレにならないテーマも取り扱っている。そこで、ストーリー全体が重苦しくなり過ぎない様に、キャラ同士の軽妙なやり取りをふんだんに織り込むなど、緩急を付けたシナリオは一級品。
 一方で、エロゲ史に残る作品であるにも係わらず、メーカーが本作も関連作もしょっぱい売り方しかしないのは大きなマイナス。
 

初稿:2009.01.05

家族(かぞく)計画(けいかく)追憶(ついおく)

 

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