::: エロゲーの殿堂 ::: |
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◆ 舞台 ◆ |
両親の突然の死から1ヵ月後。大学生の主人公「大里健也」の元に、養子縁組の話が持ち掛けられた。相手先は世界でも有数の速水財閥。降って湧いた甘い話を不審に思いながらも、縁組を了承して屋敷へと赴く。 ゲーム内の期間は約1ヵ月となってはいるが、実際にプレイするのはその内の7日間。移動場所は屋敷の内部に限定される。 |
◆ ターゲット ◆ |
登場女性は7人で、全員攻略可能。内訳は熟女1、お姉系(S&M)2、メガネ1、元気少女1、ロリ1、そしてメイド1という絶妙のバランス配分。 内容はノーマルなものから、SMやスカトロ、アナルといったマニアックなシチュエーションも一応押さえている。但し全てのHシーンに当てはまる事だが、尺はかなり短い。唐突に始まって、すぐに終わるという印象。 本作はPC98版のリメイクで、新たに音声が付けられたが、そこに問題が。Hシーンのテキストは淫語バリバリ(●消しはある)だが、音声はそのテキストに全く合わせられていない。「グチョグチョ」といった表現や「挿入」「オチ●チン」といった用語は勿論の事、「出す」「飲む」「かける」等のエロスを連想させる言葉まで、テキストを無視して適当に誤魔化されている。 女性陣の中には自らのHシーンの実況中継をする娘もいるが、上記の理由でそのシーンも台無し。 |
◆ システム ◆ |
音声&BGMのON・OFF、テキストスピードの調整(2段階)を搭載。随時セーブ・ロードは可能だが、再開は大抵の場合シーン冒頭からとなる。セーブスロットは全3箇所。スキップはスペースキー強制で、既読・未読判別は無し。過去ログやオートモード、そしてシーン回想も無い。 フルスクリーン固定だが、CTRL+ESCでタスクバーを出現させる事は出来る。また、インストール自体が不可。CD-ROMのフォルダごとコピーすれば、一応はプレイは出来るようだが、無論サポート外。 グラフィックは256色以上対応となっているが、メインのCGに関してはPC98版のベタ移植なので16色のみと、今となっては貧弱な塗り。 |
◆ シナリオ ◆ |
コマンド総当りの一本道AVG。よって、選択肢に意味は全く無い。そんな中でも、何故か途中のクイズ(全7問)だけは真剣勝負で、正答率100%を要求してくる。ただし出題される問題は毎回同じ。 ストーリーは、主人公がかつて自分の身に降り掛かった惨劇を、後に振り返っているというスタンスで進行して行く。 いきなり大富豪の養子として誘われた主人公。訳も分からぬまま屋敷に来て見れば、そこには性欲旺盛な女達が待ち受けていた。一体何の為に自分が選ばれたのか。そんな疑問も、肉欲に溺れる毎日の中で次第に薄れて行くのだが…。 |
◆ 総評 ◆ |
【デビュー作】 エロゲー部門担当という事で、「姫屋ソフト」から独立したブランド「シーズウェア」。その記念すべきデビュー作品が、1993年11月22日にPC98版として発売された本作。 制作期間が短かったせいか、ボリュームは極薄。しかしそれでもスマッシュヒットを飛ばす事に成功し、デビュー作にして「シーズウェア」の知名度アップに一役買う事となった。 【時代の先駆者】 ストーリーは極端に短いものの、そこに詰め込まれた事象には注目すべき物がある。まずは性の対象としての若い「メイド」。昨今では「メイド=エロ」という図式が既に成立しているが、当時としては衝撃的だった。「奉仕」と称する朝フェラ等のシモのお世話は、「メイド=単なるホームヘルパー」という概念を覆し、新たなエロスの対象としての可能性を示した。 そして何よりも、物語の舞台となった閉鎖空間としての「館」。本作以前にも散発的に「館」を舞台とした作品はリリースされていた。しかし本作と、一ヵ月後に発売される事になる『河原崎家の一族』によって、「館モノ」というジャンルを一気に確立させた功績は大きい。 【禁断の続編】 本作がそれなりに話題作となったため、続編『GLO・RI・A〜禁断の血族〜』が製作された。舞台を外国に移し、本作とはほとんど関わりが無い。それでもシリーズ最大の共通点となる「館」だけは堅守された。 『EVE』シリーズと並ぶ同社の看板タイトルとして、長期作品となるかに思われたが、3作目『散櫻〜禁断の血族〜』が不発に終わり、血族の歴史に幕を閉じた。
女主人の思惑通り、徐々に理性を失って行く主人公。ブチキレてからは、理性を解放して手当たり次第に女性を食い散らかす。エロ目的のプレイヤーにはお待ちかねの展開だが、ストーリーの短さから、夢の様な展開も長くは続かない。この辺りも実に残念な所。 |
初稿:2004.10.13 |
禁断の血族
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