::: エロゲーの殿堂 :::

禁断の血族

突然の両親の死が、あなたの運命を変えた。
大富豪からの養子縁組み……途方に暮れるあなたは、その話に飛びついた。
さっそく大富豪の洋館に足を踏みいれたあなたを待っていたものは、大人の魅力溢れる未亡人と、その娘たちだった。
女たちの甘い匂いが渦巻き、いつしかあなたは快楽の渦に巻き込まれてゆく。
そして快楽に溺れるなかで、あなたはこの一族の謎を知る。
それはいったい……

公式サイトより

ストーリー エロ 感動 システム キャラ ボリューム 総計 主人公
Caa B B C Caa C 52 B
 
メーカー
発売日
定価
シナリオ
原画
備考
:C's ware
:1995.11.22(Wed.)
:\6,800-
:野口ろうご
:やさまたしやみ
DL版あり
 
ジャンル
音声
名前変更
修正ファイル
属性
季節
:AVG
:○
:×
:−
:謎,館
:−
 
OS
CPU
メモリ
CD-ROM
解像度
HDD
:Windows95
:i486SX-33MHz以上
:8MB以上(推奨12MB以上)
:2倍速以上
:640×480,256色以上
:セーブ領域のみ
 
◆ 舞台 ◆
 両親の突然の死から1ヵ月後。大学生の主人公「大里健也」の元に、養子縁組の話が持ち掛けられた。相手先は世界でも有数の速水財閥。降って湧いた甘い話を不審に思いながらも、縁組を了承して屋敷へと赴く。

 ゲーム内の期間は約1ヵ月となってはいるが、実際にプレイするのはその内の7日間。移動場所は屋敷の内部に限定される。
 
◆ ターゲット ◆
 登場女性は7人で、全員攻略可能。内訳は熟女1、お姉系(S&M)2、メガネ1、元気少女1、ロリ1、そしてメイド1という絶妙のバランス配分。
 内容はノーマルなものから、SMやスカトロ、アナルといったマニアックなシチュエーションも一応押さえている。但し全てのHシーンに当てはまる事だが、尺はかなり短い。唐突に始まって、すぐに終わるという印象。

 本作はPC98版のリメイクで、新たに音声が付けられたが、そこに問題が。Hシーンのテキストは淫語バリバリ(●消しはある)だが、音声はそのテキストに全く合わせられていない。「グチョグチョ」といった表現や「挿入」「オチ●チン」といった用語は勿論の事、「出す」「飲む」「かける」等のエロスを連想させる言葉まで、テキストを無視して適当に誤魔化されている。
 女性陣の中には自らのHシーンの実況中継をする娘もいるが、上記の理由でそのシーンも台無し。
 
◆ システム ◆
 音声&BGMのON・OFF、テキストスピードの調整(2段階)を搭載。随時セーブ・ロードは可能だが、再開は大抵の場合シーン冒頭からとなる。セーブスロットは全3箇所。スキップはスペースキー強制で、既読・未読判別は無し。過去ログやオートモード、そしてシーン回想も無い。
 フルスクリーン固定だが、CTRL+ESCでタスクバーを出現させる事は出来る。また、インストール自体が不可。CD-ROMのフォルダごとコピーすれば、一応はプレイは出来るようだが、無論サポート外。

 グラフィックは256色以上対応となっているが、メインのCGに関してはPC98版のベタ移植なので16色のみと、今となっては貧弱な塗り。
 
◆ シナリオ ◆
 コマンド総当りの一本道AVG。よって、選択肢に意味は全く無い。そんな中でも、何故か途中のクイズ(全7問)だけは真剣勝負で、正答率100%を要求してくる。ただし出題される問題は毎回同じ。
 ストーリーは、主人公がかつて自分の身に降り掛かった惨劇を、後に振り返っているというスタンスで進行して行く。

 いきなり大富豪の養子として誘われた主人公。訳も分からぬまま屋敷に来て見れば、そこには性欲旺盛な女達が待ち受けていた。一体何の為に自分が選ばれたのか。そんな疑問も、肉欲に溺れる毎日の中で次第に薄れて行くのだが…。
 
◆ 総評 ◆
【デビュー作】
 エロゲー部門担当という事で、「姫屋ソフト」から独立したブランド「シーズウェア」。その記念すべきデビュー作品が、1993年11月22日にPC98版として発売された本作。
 制作期間が短かったせいか、ボリュームは極薄。しかしそれでもスマッシュヒットを飛ばす事に成功し、デビュー作にして「シーズウェア」の知名度アップに一役買う事となった。

【時代の先駆者】
 ストーリーは極端に短いものの、そこに詰め込まれた事象には注目すべき物がある。まずは性の対象としての若い「メイド」。昨今では「メイド=エロ」という図式が既に成立しているが、当時としては衝撃的だった。「奉仕」と称する朝フェラ等のシモのお世話は、「メイド=単なるホームヘルパー」という概念を覆し、新たなエロスの対象としての可能性を示した。
 そして何よりも、物語の舞台となった閉鎖空間としての「館」。本作以前にも散発的に「館」を舞台とした作品はリリースされていた。しかし本作と、一ヵ月後に発売される事になる『河原崎家の一族』によって、「館モノ」というジャンルを一気に確立させた功績は大きい。

【禁断の続編】
 本作がそれなりに話題作となったため、続編『GLO・RI・A〜禁断の血族〜』が製作された。舞台を外国に移し、本作とはほとんど関わりが無い。それでもシリーズ最大の共通点となる「館」だけは堅守された。
 『EVE』シリーズと並ぶ同社の看板タイトルとして、長期作品となるかに思われたが、3作目『散櫻〜禁断の血族〜』が不発に終わり、血族の歴史に幕を閉じた。

 

 女主人の思惑通り、徐々に理性を失って行く主人公。ブチキレてからは、理性を解放して手当たり次第に女性を食い散らかす。エロ目的のプレイヤーにはお待ちかねの展開だが、ストーリーの短さから、夢の様な展開も長くは続かない。この辺りも実に残念な所。
 

初稿:2004.10.13

禁断(きんだん)血族(けつぞく)

 

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