::: エロゲーの殿堂 ::: |
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◆ 舞台 ◆ |
都内に居を構える「氷川探偵事務所」所長の主人公「氷川亮介」は、数々の難事件を解決に導いてきた凄腕の探偵。しかし現在ではすっかり依頼が途絶えてしまい、事務所は経営難に陥っていた。 ゲーム内の期間は不明。移動場所は事務所を中心に、公園や喫茶店など市街各所。ライバルの探偵事務所に出向く場合もある。 |
◆ ターゲット ◆ |
攻略可能な女性は3人。内訳は探偵助手1、OL2という全員オトナのラインナップ。OLは一見清楚系だが、実は全然違うという事実が明らかになる。 Hシーンは和姦と陵辱の混成。回数は女性1人に付き2回前後。主人公以外の男とのカラみやレズもある。フェラや69、器具使用といったシチュエーションはあるものの、全体的にはほぼノーマル。フィニッシュ描写が弱く、申し訳程度の精液の飛び出すシーンが2回ある。 Hシーンには全て3Dムービーを導入しているが、その動きは相当ぎこちない。また主人公を含む男性陣のあえぎ声もキッチリ収録されており、無駄に熱の入った艶技を見せてくれる。 |
◆ システム ◆ |
過去ログ(音声履歴有り)を搭載し、随時セーブ・ロードも可能(スロット3)。通過したルートは「分岐マップ」に記録され、ツリー表示される。選択肢による分岐点をクリックすると、一発でそのシーンに飛ぶことが出来る。 一方で、各種音量調節やスキップ、オートモードは非搭載で、ディスクレス起動も不可。 |
◆ シナリオ ◆ |
マルチエンド形式のAVGで、エンディングは13種類。トゥルーエンドのほか、容疑をかけられたり死亡するなどのバッドエンドや、令嬢と結婚するが真相は明らかにならないハッピーエンド(?)等が用意されている。 スタート直後に入れるのは1つのルートのみとなるが、2つのエンドに到達した後、最初から始めると新たな選択肢が現れる仕組み。当初のルートでは依頼者も現れず、事件そのものが始まらない。 Hシーンのみならず、ストーリー中でも3Dショートムービーは頻繁に挿入されている。 難事件を手掛けることに拘りすぎて、地味な案件を敬遠したがために経営難に陥ってしまった氷川探偵事務所。所長たる主人公はこの嫌な流れを変えるため、助手に対してとんでもない提案を持ちかける。 |
◆ 総評 ◆ |
【アクトロイド】 パケ画の女性からして微妙な感じの本作。事実そのメインヒロインを含め、主要キャストとして4人の女性が登場するも、なぜか全員が並以下のルックス。特に主人公の妹は最もヒドく、不気味を通り越してキモい領域にまで踏み込んでいる。 主人公の妹の容姿が「キモい」というのは、エロゲー界の常識に照らし合わせると余りにも前衛的だが、この設定に全く意味は無い。恐らくは単なる技術的な問題に過ぎないのだろうが、同じくポリゴンゲームを手掛ける「イリュージョン」の作品に登場する女性達と比べると、その驚異の差を痛感できる。 しかし現実的には、出て来る女性が「全て美女」という方が余程ありえないわけで、この辺りが無用なリアルさを醸し出している。 【脅迫が脅迫を脅迫する】 タイトル「脅迫」となると、往年の著名作『脅迫 〜終わらない明日〜』があるものの、当然の事ながらメーカーも異なる本作とは何の関係も無い。とは言え、「脅迫」という言葉自体はごくありふれた名詞でしかなく、タイトルがかぶった所で何ら問題は無い・・・ことはなかった。本作が製作発表された時、本家アイルからクレームが付いている。その時の顛末はメーカーの公式サイトに詳しく掲載されているが、要するにアイルの主張としては「紛らわしいからやめてくれ」ということ。 結局この問題は裁判沙汰にも発展せずに決着した。またこの騒動がかえって本作の知名度を上げてしまい、皮肉にも売上に繋がったなどという事態にも全くならなかった。結果として、クレームを付けるまでもなかった、というのがこの一件の笑えないオチ。
上述の通り、ポリゴン技術の脆弱さから登場人物は不気味な上に、ストーリーも大雑把でキャラ立ても弱く、全体的に雑な印象。改善の余地は大幅にあるが、複数の視点を絡み合わせた探偵物らしい大掛かりなシナリオにしようと試みた努力の跡はかろうじて窺える。 |
初稿:2007.12.20 |
脅迫 〜氷川
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