::: エロゲーの殿堂 ::: |
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◆ 舞台 ◆ |
ハーバード大への編入が決まり、渡米する事になった友人を激励する大学4年の主人公「木戸鉄也」。しかしその友人の不手際から、急遽2週間の期限付きで、行き付けの喫茶店にてアルバイトをする事になってしまった。 ゲーム内の期間は、プロローグも含めてバイトが終わるまでの15日間。移動場所は、勤務先である喫茶店と自宅がメインとなる。 |
◆ ターゲット ◆ |
攻略可能な女性は7人。内訳は、中学生(小学生?)1名を除き、後は全員ウェイトレス。中には実母子や眼鏡なども含まれている。短大生であるメインヒロインは当初から主人公に好意的であり、かなりの嫉妬心を見せてくれる。 Hシーンは全て和姦のみ。アナルなどもあるが、基本はごくノーマルなシチュエーションばかり。女性1人に付き、3〜5回のHシーンが用意されており(中学生は2回)、1シーンの尺も長め。 特筆すべきは3Pの多さ。「母×娘」が2パターンあり、熟女同士や若手同士の3Pもある。上記のHシーンも含めて、純愛系としては健闘している方だろう。 |
◆ システム ◆ |
各種音量調節、テキストスピード調節(3段階)を搭載し、ディスクレス起動も可能。セーブは一日の終了時に限定され(スロット30)、ロードは一旦タイトル画面に戻らなくてはならない。シーン回想はサムネイル付。スキップは既読・未読判別不可であり、共通ルートの多い本作では厳しい仕様。過去ログ、オートモードは非搭載。フルスクリーン・ウィンドウ切替ではなく、解像度ごとに切り替える。 |
◆ シナリオ ◆ |
【純愛喫茶AVG】 マルチエンド形式のAVGで、エンディング数は8種類。基本はヒロイン1人に付き1つのエンディングで、主人公とのその後の関係を描いたものになっている。ただし中学生だけは個別エンドが無く、母親との3Pエンドのみとなる。1プレイで複数同時攻略も可能であり、狙った女性を追いかけていけばいずれかのエンディングには辿り着ける。 職場は喫茶店という設定になっているが、店内のレイアウトを見る限りはファミレスに近い。 ストーリーは終始ほのぼのムードで、特に事件も起こらず、感動も鬱も無い。全女性から好意を寄せられる羨ましい主人公の視点で、長閑な時間が流れていく。 そんな中で、「かすり」ルートは他のヒロインに輪をかけて何のドラマ性もない淡白なストーリー。店外でのイベントもなく、まるで急遽付け足されたかの様な印象を受ける。 【隠しシナリオ】 本作には、全エンドに到達しないと出現しない隠れキャラがいる。とは言え、パッケージ画では堂々のセンターを確保しているのだが。その「マリ」ルートは他のヒロインのストーリーとは打って変わり、ファンタジー色が強くなっている。登場から6日間で終わるショートストーリーであり、エンディングは2種類用意されている。 プロローグにおける友人との何気ない与太話に伏線が張られている。しかしエンディングはファンタジー系にありがちなご都合主義では締め括られず、何とも形容し難い切ない終わり方となっている。 |
◆ 総評 ◆ |
【愛人契約】 メインヒロインの父親、すなわち母親「蛍」の夫は非常に多忙であり、出張で各地を飛び回っている。そのため娘からは尊敬されているものの、家族としては認められておらず、何とも哀れ。さらに悲しみを誘うのは、自分が不在の間に妻「蛍」を主人公に寝取られてしまうこと。 ただし蛍自身は主人公との関係を肉体のみと割り切っており、気持ちは娘と主人公の恋を応援するという明確なスタンス。娘もまた母の寂しさを理解し、主人公との不倫を認めるという恐るべき寛大さ。そして時には3Pの饗宴を催すという実にオープンな親子。 未亡人ではなく、また夫の存在に悩んでいるわけでもなく、単純な肉体的欲求から来る不貞行為。ストーリー中では全くドロドロした雰囲気にはならないのだが、よくよく考えればヒロインの母親としてはトンデモない人である。 【親殺しのパラドックス】 隠れキャラ「マリ」は主人公の友人の娘であり、未来からやって来た女性。マリは未来での育ての親となる主人公に会うために、一週間の期限付きで現代に滞在する事になる。 マリが未来へ帰る直前に主人公へ伝えたのは「主人公の寿命」。マリが6歳の時に交通事故で死ぬと打ち明けたが、主人公がそれに注意して生き延びても、マリの時代の主人公が生き返る事は無いという。この辺りのタイムパラドックスは諸説入り乱れているが、本作ではパラレルワールドの考えを採用しているようだ。 自分のいる時間軸には何ら変化は無いが、せめて現代の主人公には生き続けて欲しいと願ったマリ。それが主人公の死の原因を作ったマリの、せめてもの償いだったのだろう。
純愛とエロの両立を目指したシナリオ。ほどほどのボリュームで無難にまとめ上げた印象で、前述の様にエロ方面はそれなりの健闘を見せた。しかし、そのHシーンに至る時は常に急展開。女性陣が主人公に惹かれて行く過程も弱く、ストーリー面に今一歩突き抜ける部分が無かった。特別ルート(マリ)だけが異彩を放つ作品。 |
初稿:2005.05.05 |
らぶらぶティータイム |