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魔女の贖罪

豊富な鉱物資源が眠るトノリスト国。

異国との争いは絶えることがなく、戦乱の日々が長く続いていたが、
異国からの申し出により和平が結ばれると、ようやくトノリストも活気を取り戻し始める。

そんな矢先、囚人たちの間に原因不明の病が流行した。それは、ゆっくりと、だが確実に人々の間に広がっていった。
不安が民衆の間に広まり、その矛先は司祭達に向けられた。

司祭達は、策を講じるための時間稼ぎとして『魔女』という名の、人身御供を立てることを決断する。

人々を妖しく魅了する美しさを持つ女性。そして、本能を呼び覚ますほどの淫らな儀式。
民衆の関心を惹きつけるには、十分過ぎるものであった。

そして、『魔女』に選ばれたのは…。

公式サイトより

ストーリー エロ 感動 システム キャラ ボリューム 総計 主人公
B Baa Ca Caa B Ba 68
 
メーカー
発売日
定価
シナリオ
原画
備考
:ALICE SOFT
:2004.04.16(Fri.)
:\2,800-
:TAMAMI
:MIN-NARAKEN
DL版あり
 
ジャンル
音声
名前変更
修正ファイル
属性
季節
:SLG
:○
:×
:○
:西洋,陵辱
:−
 
OS
CPU
メモリ
DVD-ROM
解像度
HDD
:Windows98/2000/Me/XP
:PentiumV500MHz以上
:128MB以上
:倍速以上
:800×480,FullColor以上
:1GB以上
 
◆ 舞台 ◆
 原因不明な致死性の疾病の蔓延に震撼する宗教国家「トノリスト」。民衆の不満の矛先を逸らすため、トノリストを統治する司祭達は一計を案じ、孤児院で働く主人公「セディア」を魔女として仕立て上げる事にした。

 ゲーム内の期間は最長で240日間。移動場所は国内全域で、主に6つの地区を中心に移動を繰り返す事になる。
 
◆ ターゲット ◆
 攻略可能な女性は5人で、内訳はメインヒロインである主人公と、お嬢系が1名にシスターが3名。Hシーンは8割以上が主人公がらみとなっている。
 Hシーンは陵辱がメインとなり、相手は司祭から浮浪者まで多種多様。シチュエーションも「搾乳」「アナル」「3P」「レズ」「放尿」「輪姦」「三角木馬」など豊富に取り揃えてある。しかしCGは1シーンに付き1カットのみ(表情・汁差分あり)で、使い回しも多く、物足りなさを感じる。和姦も用意されてはいるが、婚約者とのHシーンは無い。

 主人公が孤児院で働くお姉さんであるためか、ショタ戦も多い。お姉さんの手解き的な「攻め」のシチュエーションから、性に目覚めた悪ガキ達に襲われる「受け」のシチュエーションもある。
 
◆ システム ◆
 各種音量調節、過去ログ(音声履歴有り)、スキップ(既読・未読判別可)を搭載し、初回起動後はディスクレス起動も可能となる。セーブ・ロードはSLGパートのみであり、スロットは全30箇所で、クイックセーブ・ロードも出来る。テキストスピード調節、オートモードは非搭載。シーン回想はタイトルのみでサムネイルは無し。立ち画は1種類のみで、フェイスウィンドウでキャラの表情の変化を表示する仕組み。

 効率的に進めれば約200日でノルマを達成する事も可能であり、その点に配慮して「期日3日前」まで一気に進める事も出来る。
 
◆ シナリオ ◆
 マルチエンド形式のSLGで、エンディングは3種類。「贖罪の儀」に失敗した場合にはバッドエンドとなる。重要な分岐は終盤に差し掛かってからの一箇所のみで、ほぼ一本道のストーリー。
 会話シーンは通常のAVGだが、メインは「贖罪の儀」と呼ばれるSLGパートとなる。各地で儀式を行い、期限まで署名を集める事が当面の目的となり、その後は審判を待つというのが大まかな流れ。儀式を行うためのポイント集め、その地を治める司祭の嗜好に合わせた儀式の選択、特定の儀式を行うためのアイテム入手やパートナー選びなど、その他にも非常にやるべき事が多い。そのため期間は「240日間」と余裕をとってはあるが、中盤以降は一連の作業に倦怠感を覚える場合もある。

 物語は、魔女として選ばれてしまった主人公が、身の潔白を証明するために「贖罪」と称する公開ファックを各地で行うという痛々しい内容。異国の地に滞在している婚約者を想いつつ、心ならずも見ず知らずの男達と次々に体を重ねていく事になる。
 
◆ 総評 ◆
【黒き聖職者】
 主人公を裁くのは、「司祭」と呼ばれる民衆達の上に立つ宗教家。しかし本作に登場する彼ら聖職者の内、人格者として描かれている人物は一人もいない。むしろ性欲の権化となり、外道へ堕ちている連中ばかり。司祭達の頂点に立ち、国民を統べる立場にある「大司教」でさえ、息子の婚約者である主人公の肉体に溺れるというハイレベルな戒律破りを犯す始末。
 そもそも本作においては、宗教自体が人民を操るための政治の道具としてしか描かれていない。宗教の有する現実的な側面を取り上げた、風刺の効いたストーリーとなっている。

【想像してはいけない】
 審判が終わった後、帰国した婚約者と結ばれるのが本作のトゥルーエンドと思われるが、2人のその後に相当な苦難が待ち受けている事は想像に難くない。「贖罪の儀」で交わった男達はまだしも、主人公は儀式とは全く関係の無い叔父や施設の子供達とも関係を持ってしまっている。自分に近しい存在の彼らと接触したのは、単なる性欲からであるだけに問題の根は深い。
 こんな穴兄弟だらけの土地で、本当に2人がうまくやっていけるのだろうか。贖罪の儀が終わったからといって、全てが丸く収まるとは考え難い。しかし当の婚約者も「一番辛い時にそばにいてあげられなかった」と語った通り、彼にもまた負い目がある。
 何ともやるせないエンディングであり、この辺りが「ハッピー」ではなく「ベスト」エンディングと付されている理由なのだろう。

 

 全体を通して見れば巧くまとまったストーリーではあるが、後半は作業プレイと化すSLGは面倒な点もあり、また面白味にも欠けるため、途中で投げ出す可能性は高い。
 だからと言って、データを吸い出して回想シーンだけ閲覧しても、大して興奮感は得られない。本作はあくまでストーリーを通じてエロを感じるゲーム。また、CGの使い回しやイベント画の少なさにしても、「2800円」という価格を考慮に入れれば、抜群の費用対効果。
 

初稿:2005.07.01

魔女(まじょ)贖罪(しょくざい)

 

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