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みずいろ

普通の街を舞台にした普通の学園モノです。

可愛いい素直な妹・無口な先輩。
ポンコツ幼なじみ、元気なちびっこ、健気な後輩…そんな普通なヒロイン達。

公式サイトより

ストーリー エロ 感動 システム キャラ ボリューム 総計 主人公
B Ca Ba C Ba Ba 61 B
 
メーカー
発売日
定価
シナリオ
原画
備考
:ねこねこソフト
:2001.04.13(Fri.)
:\8,800-
:片岡とも
:秋乃武彦
DL版あり
 
ジャンル
音声
名前変更
修正ファイル
属性
季節
:AVG
:○
:○
:○
:純愛,学園
:晩冬
 
OS
CPU
メモリ
CD-ROM
解像度
HDD
:Windows95/98/Me
:Pentium133MHz以上(推奨PentiumMMX200MHz以上)
:32MB以上(推奨64MB以上)
:倍速以上
:640×480,FullColor以上
:300MB以上(推奨1.1GB以上)
 
◆ 舞台 ◆
 私立高校2年生の主人公「片瀬健二」は、父と妹との3人暮らし。父親は出張で家を空ける事が多く、家事は一つ年下の妹が一手に引き受けている。春休みを目前に控えた冬の終わりに、父親の出張期間延長の連絡が入った。

 ゲーム内の期間は1月29日から始まり、最長で2月17日まで。2月11日から冬休みに入る。移動場所は自宅〜学園がメインとなり、時に公園や商店街に立ち寄る事もある。
 
◆ ターゲット ◆
 攻略可能な女性は5人で、内訳は上級生1、同級生2(幼馴染1)、下級生2(妹1)。メインヒロインは妹と幼馴染のツートップ体制。純愛系らしく全て和姦のみで、Hシーンにおいてハードなシチュエーションは全く無い。
 基本はストーリー終盤に1回きりのご褒美H。中には未遂で終わるため、本編中にHシーンの存在しない女性もいる。

 各ヒロインのエンディングに到達すると、当該ヒロインとの後日談が追加されていく。「Afterえちぃ Story」と名付けるだけあって、ただHするだけのショートストーリー。女性もやや積極的になっており、本編中のエロの薄さをここでカバーしている。とは言え、ここでもHシーンは1回のみ。
 
◆ システム ◆
 BGMのON・OFF、オートモード、テキストスピード調節(瞬間表示不可)、過去ログ(音声履歴無し)を搭載し、随時セーブ・ロードも可能(スロット20)。シーン回想はHシーンの他に、一般シーンやエンディングも閲覧出来る。スキップは既読・未読判別不可。ディスクレス起動も出来ない。

 かなり悪質な欠陥があるので、インストール時から必ず修正ファイル使用すること。
 
◆ シナリオ ◆
 マルチエンド形式のAVGで、エンディング数は女性の数と同じ5種類。各ヒロインのエンドを迎えると、「After Story」が出現する。内容は前述の「Afterえちぃ Story」5本と、パロディネタ満載の「OMAKE Story」が5本。
 プロローグでの選択により、本編におけるヒロインのルートが確定する仕組み。各ルートによって、女性の性格やポジションが変わる事もある。

 物語は、何か大事件が起こるわけでもなく、起伏の無い単調な毎日の繰り返しで、非常に淡々と進行していく。ヒロイン達とのごく普通な日常生活を描いた本作だが、ライターの異なる「日和」ルートはファンタジー色が濃くなっている。その「日和」とのエンディングを迎えると、タイトルと同じショートストーリー「みずいろ」が追加される。
 そんな中で、他のルートには絡まず、プロローグでのエピソードも用意されていない「先輩」の印象が、陽炎のように薄くなっている事は残念。
 
◆ 総評 ◆
【AVG野心作】
 大半のAVG、特に恋愛物は本編が始まると「共通ルート→個別ルート→エンディング」という一連の流れを辿る。この場合、いずれのヒロインを狙うにしても、個別ルートへ入るために毎回共通ルートでのフラグ立てが必要になる。必然的に共通ルートにおいて、同じ文章を何度も読み返す事に。それ故、AVGではスキップ機能が目覚しい発達を遂げてきた。
 しかし本作は、本編に入る前のプロローグの段階で個別ルートを確定させる事によって、「本編=個別ルート」とした。それはつまり、本編における「共通ルート」の消滅を意味する。そのため本編に関しては既読スキップが不要となった。
 2周目以降の共通ルートが、単なる作業プレイになってしまう従来の手法を覆した面白い試み。

【出荷制限?】
 残念ながら本作は既に生産中止となっているが、一応2002年6月にはDVD版として再販されている。しかしそれも通販限定の上、一ヶ月で受付を打ち切るという、およそ販促など考えていない商法。
 不人気ならまだしも、未だに本作への需要があるにも係わらず、メーカーはあくまでも今後再販をしない方針を打ち出している。これは前作『銀色』(完全版を含む)から続く規定のライン。
 だがこのレア商法が祟り、次作『』の初回限定版が大量に売れ残る遠因となった。

【ゲスト出演】
 メインヒロイン2人は『銀色-完全版-』(2001年8月31日発売)において、本編クリア後のショートストーリー(2本)に登場。また、2人の他に「進藤」も根強い人気を誇り、これらのキャラは『ねこねこファンディスク』(2002年1月25日発売)で、再びスポットを当てられている。
 更にその人気は衰える事を知らず、やはり『みずいろ』とは全く関連の無い次作『朱 -Aka-』(2003年6月13日発売)にまで波及。『銀色-完全版-』同様、クリア後のボーナスシナリオに登場する事となった。
 内容は、メインとなるヒロインが妹2、妹&日和1、進藤1の、計4本となるショートストーリー。中にはHシーンのあるシナリオもあり、ユーザーの強いニーズが窺える。

 

 シナリオ全体がまったりムードに覆われており、テンポも悪く実に退屈。それでもストーリーが佳境へ近付くと、時に女性視点へと切り替わるのは、切ない女心を描き出し、ヒロインのキャラに深みを与える良い演出。
 前作『銀色』のシリアス路線から一転して長閑な日常を描いた本作は、製作者の懐の深さを感じさせる。メーカーの人気を決定付けた作品。
 

初稿:2005.01.21

みずいろ

 

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