::: エロゲーの殿堂 ::: |
◆ 舞台 ◆ |
「白陵大付属柊学園」3年生の主人公「白銀武」は、学園生活最後の冬を間近に控えながらも平穏な日々を送っていた。ところがある朝、目覚めると横には見知らぬ女性が添い寝していた。 ゲーム内の期間は10月21日(日)からクリスマス辺りまで。移動場所は自宅と学園を中心として、公園や病院など市街一帯。 |
◆ ターゲット ◆ |
攻略可能な女性は8人。内訳は同級生6(幼馴染、お嬢、眼鏡、クール、猫属性、中性)と、女教師2となる。Hシーンは全て和姦で、回数は1人に付き1〜2回。シチュエーションはごくノーマルで尺も短く、フィニッシュ描写もアッサリ気味。ただし女教師2人にはフェラやパイズリもあり、多少エロ度が高くなっている。 |
◆ システム ◆ |
各種音量調節、オートモード、テキストスピード調節、過去ログ(音声履歴有り)、スキップ(既読・未読判別可)を搭載し、随時セーブ・ロードも可能。セーブスロットは全1000箇所で、サムネイル・コメント付。テキストはマウスホイール対応で、画面効果の調整や直前の選択肢に戻ることも出来るが、ディスクレス起動は不可。CG閲覧は獲得順に登録される仕組みで、種類別に並べ替えられる。 |
◆ シナリオ ◆ |
マルチエンド形式のAVGで、シナリオは「エクストラ(以下EX編)」と「アンリミテッド(以下UL編)」に分けられる。エンディングはEX編が8種類となり、基本は女性1人に付き1つのエンド。その他に日常エンドやバッドエンド扱いの女性もいる。一方UL編は11種類となり、基本は女性1人に付き2つのエンドとなる。 前述の通り2つのシナリオを用意してあるが、最初はEX編からのスタートとなる。そしてメインヒロイン2人のエンドに到達するとUL編に入れるようになる。 世界観は前作『君が望む永遠』と共有しており、本作は前作終了時から約2ヵ月後という設定。ルートによっては立ち直った「涼宮茜」も登場するが、攻略は不可。 |
◆ 総評 ◆ |
【Save in the name of true love.】 まず主人公にベタ惚れの幼馴染がおり、そこへ富豪令嬢が押し掛けて来るという、この業界ではごくありがちなストーリー展開。そこは「王道」に拘るだけあって、他のヒロインのキャラも委員長を始めとして、バランス良く配置されている。 しかし以上のEX編はそれなりにボリュームがあるものの、あくまでUL編の壮大な前フリでしかない。一見UL編とは完全に独立しているEX編にも、UL編やその続編となる次作『マブラヴ オルタネイティヴ』の伏線が張ってある。そして肝心のUL編の完結を次回作に先送りしているだけに、本作単独での評価が難しいものとなっている。 【マブラヴファミリー】 2004年12月に本作のファンディスクとなる『マブラヴ サプリメント』がリリースされた。カードバトル(Hシーン有)やショートエピソード、アクセサリー集なども収録されているが、メインは「EX編」の純夏エンドのアフター。丸く納まったはずの2人が、実は全然分かり合っていなかったという回りくどいストーリー。選択肢・Hシーン共に無し。 2006年2月には待望の続編『マブラヴ オルタネイティヴ』が発売。また同年9月には「全年齢版」として非18禁仕様の『マブラヴ』が発売されている。これは元々少ないエロシーン等をカットした程度で、追加シナリオや追加キャラなどの変更は無い。 2002年5月にはファンクラブ専用の非売品『アカネマニアックス〜流れ星伝説剛田〜』(非18禁)も発表されている。元はテックジャイアンの付録だったが、FC用にフルボイス化された。茜にスポットを当てた、前作「君のぞ」と本作を繋ぐ外伝的ストーリー。
本作のみで物語が一応成立している「EX編」は、大して真新しい所も無い平凡な作品。やはり本作の醍醐味はその「EX編」を踏まえた「UL編」にあるわけで、その「UL編」を中途半端なまま世に送り出してしまったこと、そして続編の発売までに3年も間が空いてしまったことが惜しまれる。 |
初稿:2007.10.06 |
マブラヴ DVD-ROM版 |