::: エロゲーの殿堂 ::: |
◆ 舞台 ◆ |
「白陵大付属柊学園」3年生の主人公「白銀武」は、目を覚ますと荒廃した「柊町」に、独り取り残されていた。しかし眼前に広がるその光景は、確かに見覚えのあるいつか見た世界に他ならなかった。 ゲーム内の期間は2001年10月22日から始まり、翌年1月2日まで日にちを飛ばしながら進行する。移動場所は自室のある基地内部が中心となるものの、イベントで頻繁に遠征する。 |
◆ ターゲット ◆ |
攻略可能な女性は幼馴染の1人だけ。Hシーンも1回のみで、内容も非常にソフトタッチ。その他に、当該幼馴染が地球外生命体に陵辱される「触手レイプ」と「肉体改造」が、回想(本人の述懐)という形で1シーン用意されている。 |
◆ システム ◆ |
各種音量調節、オートモード、テキストスピード調節、過去ログ(音声履歴有り)、スキップ(既読・未読判別可)を搭載し、随時セーブ・ロードも可能。セーブスロットは全1000箇所で、サムネイル・コメント付。ただしスロットは10箇所使い切った時点で、次の10箇所が現れる方式。テキストはマウスホイール対応で、直前の選択肢に戻れる。画面効果の調整やBGMのフェード、ディスクレス起動も可。 一方で、シーン回想やCG閲覧は無し。ゲーム途中のグロシーンをモザイク処理する修正パッチも公開されているが、サポートページではなくQ&Aのコーナーに掲載されている。 |
◆ シナリオ ◆ |
基本的には一本道のAVGのため、エンディングは1つ。ただし各女性の好感度により、ストーリー途中の会話の内容は多少変化する。ストーリーは前作『マブラヴ』の「UNLIMITED編」の続編となり、冒頭から緊張感全開で始まる。ワイド画面を活かした動的な演出を取り入れて、長大な物語を盛り上げる一方で、敵であるBETAを初めとして、グロテスクな描写も随所に織り交ぜてあるため、耐性の無いプレイヤーは修正パッチ必須。 平和な現代社会から、突如死と隣り合わせの日常へと放り出された主人公。元々この世界で生きて来た住人と違って、外敵の居ない世界から来た主人公が怯え惑うのもやむをえないが、それも前作までのこと。本作では自分がループしていることに気付き、それを踏まえつつ勇気を持ってこの世界の改変に挑む。 |
◆ 総評 ◆ |
【オールスター戦】 ストーリーも中盤以降に入ると、前作『マブラヴ』EXTRA編のキャラは勿論のこと、世界観を共有する過去の作品『君がいた季節』から1名、『君が望む永遠』から2名のキャラが登場する。それぞれ元の作品の背景設定を生かした形での出演。ただし単なるゲスト出演の域を越えて、各人に大きな見せ場が用意されており、本作においても重要なキャラとして位置付けられている。 有史以来、初めて現れた人類共通の「敵」。これまで内輪同士で争っていた人類が、果たして国境を越えて1つになれるのか、そしてどのように迎え撃つのかが大きな見所。 【広がるマブラヴワールド】 2007年8月に本作のファンディスクとなる『マブラヴ ALTERED FABLE』が発売された。HEX型のSLGやWebラジオ等を収録しているが、メインは「オルタ」の帰還後を描いたアフターストーリーの「かがやく時空が消えぬ間に」。オルタ本編とは異なり、前作『マブラヴ』EX編に似た平和でユルい日常を、「24」のパロディを交えつつ描いている。 2008年6月にはFC会員限定で『アユマユ ALTERNATIVE』が配布された。メインの「アユマユ オルタネイティヴ」は、聖闘士星矢のパロディを軸としたコメディ路線だが、同時収録の「マブラヴ オルタネイティヴ Chronicles」は神宮司まりもと、伊隅あきらをフィーチャーした本編同様のシリアスなショートストーリー。 2006年12月からは外伝として「テックジャイアン」誌上で『マブラヴ オルタネイティヴ トータル・イクリプス』の連載が始まり、3年後の2009年12月にひとまず完結した。オルタ本編の約1年前から始まる多国籍物で、ラジオや小説、フィギュア等のメディアミックスが進んでいる。
前作『マブラヴ』では消化不良に終わったストーリーの完結編。前作のUL編に未登場だった「純夏編」とも言える内容で、やはり前作には名前のみで未登場の茜やBETAが現れ、次々と謎が解き明かされて行く。必然的に前作のプレイが必須となるため、本作単体としてのストーリー評価はマイナス査定したが、両編通した作品の完成度は一級品。 |
初稿:2010.05.01 |
マブラヴ オルタネイティヴ
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