::: エロゲーの殿堂 ::: |
◆ 舞台 ◆ |
フリーターの主人公「相良崇」は、就職情報誌で見付けた住み込みのバイト「大富豪・葛城家」での使用人をすることとなった。無難に仕事をこなす日々だったが、偶然屋根裏部屋を発見して足を踏み入れる。 ゲーム内の期間は最長で1ヵ月(30日)。移動場所は自室を中心として、食堂や大浴場、厩舎や温室など邸内各所。 |
◆ ターゲット ◆ |
攻略可能な女性は7人。内訳はメイド3名と、長女(女子高生)、後妻、家庭教師が各1名ずつ。その他に後妻の義妹も攻略可能だが、1シーンのみのゲスト扱い。 Hシーンは和姦と陵辱どちらもある。回数は1人に付き、9〜14回とバラツキがあり、女子高生が最多。さらにハーレム用の複数プレイが8回ある。シチュエーションは「フェラ」「パイズリ」「自慰」「レズ」のソフト系から、「拘束着」「器具」「縄縛」のアイテム系、「アナル」「浣腸」「放尿」「脱糞(モザイクあり)」のハード系、「3P」「4P」「輪姦」の複数系と各種取り揃えてある。また「車内」「浴場」「庭」「バルコニー」と場所も豊富。ナースのコスプレの他に、お姉系攻めのショタ受けといったマニアックなシーンも用意されている。 エロ度は高いものの、モザイクの粗さと、当時まだハンコ画だったM&M氏の画力が惜しまれる点。 |
◆ システム ◆ |
各種音量調節、オートモード、テキストスピード調節、音声リピート、過去ログ(音声履歴無し)、スキップ(既読・未読判別可)を搭載し、随時セーブ・ロードも可能(スロット40)。シーン回想はサムネイル・獲得率表示付で、ディスクレス起動も可。 |
◆ シナリオ ◆ |
マルチエンド形式のAVGで、エンディングは7種類。基本は女性1人に付き1つのエンドとハーレムエンド。その他に各種バッドエンドが用意されている。 基本行動は「昼」と「夜」の2回、加えて「人形選択」で構成されており、ターゲットの女性をひたすら追い続ければ、やがて当該女性の人形が操れるようになる仕組み。各女性の人形を、通路で上手く繋がるようにそれぞれ配置すれば、複数プレイのシーンが出現する。30日間で各エンドに到達出来なければ強制バッドエンド。特定の条件を満たすとハーレムルートに突入し、その後は人形操作画面でいつでも行けるようになる。 特にクレジットは無いものの、紫苑エンドは最も謎が明らかとなる感動路線のため、恐らくこれが本作における真ルート。 館内で見付けたドールハウスには、なぜか館の住人(女性)を模した人形が。試しに動かしてみると、一定時間その女性が思いのままとなり、しかもその間の出来事を女性は覚えていない。当初は困惑し、自省する主人公だったが、次第に感覚が麻痺してドールハウスの魅力に心を蝕まれて行く。 |
◆ 総評 ◆ |
【Doll House】 お目当ての女性を模った人形を動かせば、現実の女性も心と股を開くというヨダレ物の展開。その仕組みこそ良く分からないが、時間軸や空間軸が自由に変化する、主人公にとってはかなりムシの良い設定。しかし女性達を良いように操って慰み者にしていた主人公も実は・・・といったオチもしっかりと付けられている。 本作では、人形を操ると女性が主人公に奉仕する基本パターンの他に、女性によっては主導権を握られたり、命令されたり、主人公が他の人物に乗り移ったりと、バリエーションを変えてワンパターンにならないように配慮されている。 【OVA】 2003年7月に「Milky」より『人形の館 Doll-1』がリリースされた。同年11月発売の『Doll-2』との全2話で完結している。 基本設定は原作とほぼ同じ。ストーリーは七海ルートをベースとしつつ、終盤はオリジナルの展開、最後は紫苑エンドで締め括っている。短いだけにかなりのハイペース。Hシーンは原作にあるシチュエーションを流用し、声優陣も全く同じ配役。シーンは1人1回ずつ割り当てられているが、後妻はカット。作画レベル、エロ度ともにギリギリ並程度。
『最終痴漢電車』『女教師』と、コツコツと小ヒットを重ねつつ、本作で「アトリエかぐや=抜きゲー」の図式を一気に確立させた佳作。にも係わらず、特設サイトは削除され、リメイクは勿論のこと廉価版のリリースすらも無く、完全に置き捨てられている。 |
初稿:2011.09.02 |
人形の館
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