::: エロゲーの殿堂 ::: |
|
|||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||
|
◆ 舞台 ◆ |
「野々村病院」に入院するハメになった探偵業の主人公「海原琢磨呂」は、家賃の滞納により、貸ビルから追い出されて帰る場所を失ってしまう。そんな折に、院長夫人から依頼を持ち掛けられた。 ゲーム内の期間は不明。移動場所は病院内の各所(病室、屋上、院長室等)に限定される。 |
◆ ターゲット ◆ |
攻略可能な女性は5人。内訳はナース3、熟女1、お姉系1。その他にロリ系とオッサンのカラミもあり。Hシーンは和姦と陵辱の中間的なものが多く、回数は女性1人に付き1〜2回となっている。 部分アニメを採用しており、フェラやパイズリ、縄縛といったシチュエーションも用意されているが、基本的にハードなものはない。またテキストもあっさり目で、フィニッシュまで到達しないHシーンも幾つかある。 |
◆ システム ◆ |
各種音量調節、オートモード、スキップ(既読・未読判別可)、過去ログ(音声履歴有り)を搭載し、随時セーブ・ロードも可能。セーブスロットは全40箇所で、コメント書き込みも出来る。テキストは瞬間表示に固定され、画面効果の調整も出来るが、ディスクレス起動は不可。シーン回想はサムネイル付で、回想途中でも選択画面に戻れる。 初回起動時は強制的にプロローグへ突入し、その後にタイトル画面となる。全てのCGを出現させた後に「CGを鑑賞する」に入ると院長が登場し、「野々村マスター」に認定される(発生は1回限り)。 |
◆ シナリオ ◆ |
マルチエンド形式のAVGで、エンディングは13種類。ただしバージョン違いも含んでいるので、実質は9種類となる。エンドロールが流れるのは「No.9」のみで、これがトゥルーエンド。そのトゥルーエンド以外に到達した場合は登場キャラ達からヒントがもらえる。 余りフザけた選択肢ばかり選んでいるとエンディングに差し支えるので注意。捜査途中で返り討ちに遭うデッドエンドも多い。ちなみにシナリオ自体はPC98版から全く変化無し。 入院する前に物語が終わってしまう場合もあるが、入院後に院長夫人からの依頼を受けて本編が幕を開ける形。病院内の物語であるにも係わらず、ヘビースモーカーの主人公を始めとして、その他の登場人物もほとんどが喫煙者という何とも不健康な設定。 とは言え、その辺りから解決の糸口を掴む場合もあるなど、実に卒が無いシナリオ。 |
◆ 総評 ◆ |
【elfの尖兵】 1994年6月にPC98版として「シルキーズ」から発売された本作。1996年9月には「elf」からWindows移植第一弾作品として、音声の追加やCGの塗り直し等のリメイクが行われている。そして2003年に本作とは無関係の作品『河原崎家の一族』とカップリングされ、再びCGの塗り直しを経て再販された。 一方で1996年4月には「SS版」として移植され、elfのコンシューマ進出第一弾作品として、前述のWindows同様、同社の切り込み隊長としての役割を与えられている。 またゲームの他にも、1995年6月には「小説版」、その後も完全オリジナルの続編となる『外科病棟』が出版された。さらにはソフトエロ路線の「実写版」までも製作され、「涼子」の声優(岡本麻弥)が本人役で出演している。 そして2004年発売の『WORDS・WORTH(XP対応版)』に収録された『ワーズ・ワースの人々』では、本作の主人公「海原琢磨呂」が待望の再登場を果たし、そこでも特異な個性を如何なく発揮している。 【OVA】 1996年11月にピンクパイナップルより『野々村病院の人々 前篇』が発売され、翌年1月の『後篇』との全2話で完結した。1998年には先行のビデオと同様に「前篇,後篇」としてDVD化されている(2006年には廉価版「前篇,後篇」発売)。 背景設定やキャラ設定は原作に準拠している。しかしストーリー、特に真相の部分は大きく変更されている。原作の様に終盤での二転三転といった緊張感ある展開は無く、大した盛り上がりも無いまま終わってしまう印象。また作画レベルも並以下で、エロ度は低い。
女性達との恋愛模様には重きを置かず、事件の解決という本来の目的に焦点を絞った直球型のミステリー。ボリュームは中程度ながら、複数の人物の思惑を複雑に絡み合わせた緻密なストーリー構成となっている。 |
初稿:2006.08.18 |
野々村病院
|