::: エロゲーの殿堂 ::: |
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◆ 舞台 ◆ |
大学で教員を目指して教職課程を取っている主人公「津川友樹」。サークルの元先輩の取り計らいにより、非公認ながら教育実習生として「恋ヶ窪学園」の林間学校に参加する事になる。ただし同行条件は「女装」だった。 ゲーム内の期間は、林間学校のスケジュールと同じ4日間。移動場所は宿泊先であるペンションの各所。社会見学やオリエンテーリングで場所を変える場合もある。 |
◆ ターゲット ◆ |
攻略可能な女性は7人。ただし1人は未遂で終わるため、実質は6人。内訳は女教師1、バスガイド1、店員1、女子高生4。主人公が受身なせいか、特にHシーンにおいて女性陣は積極的。 Hシーンは1人につき1回で、そこそこ濃い仕上がり。フェラやパイズリといった基本事項は押さえられており、中にはSM風のシチュエーションもある。 主人公は女装して潜り込んでいるわけだが、なぜか男だとバレた直後にHシーンへと突入するパターンが多い。 |
◆ システム ◆ |
各種音量調節やオートモード、過去ログやスキップは非搭載。セーブ・ロードも特定のポイントに限定され、スロットは全3箇所。画面はフルスクリーン固定で、CG閲覧やシーン回想も無いなど壊滅的なシステム周り。 テキストと音声の切替が付いているものの、音声とテキストの同時出力は不可。その上、切替ポイントは限定されおり、随時切替る事は出来ない。ディスクレス起動も不可。 1994年12月20日にPC98で発売された本作。Windowsへの移植に伴って、音声の他にCGも追加されたが、塗りはPC98版と同様に16色のまま。XPでの正常起動も不可。 |
◆ シナリオ ◆ |
一本道のAVGであるため、例によって選択肢に意味は無い。しかし途中のオリエンテーリングだけは、空間把握をして臨まないと、いつまでもグルグル回り続ける事になる厄介な仕様。 女性的な容姿で背も低く、さらに中高と男子校へ通ったために、女性との縁がまるでなかった主人公。大学へ入ってもサークル内ではペット扱い。すっかり男としての自信を無くしていた。 それ故に、失われた青春を取り戻すため一念発起。女装という無茶な条件ながら、これを了承してキャンプに同行する。 |
◆ 総評 ◆ |
【女装して花園へ】 女の子っぽい容姿をした主人公が女の園へと潜入するという本作。現在では同じ様なシチュエーションの作品が続々とリリースされている。本作がその先鞭を付けた・・・とまでは言い過ぎだが、先駆け的な存在ではある。 ちなみにこのテの作品は、必ずストーリー中で男である事がバレる。無論それは規定路線であり、メーカーの個性が現れるのはむしろバレた時の女性達の反応。その点こそが、奇を衒っただけの凡作で終わるか否かの分かれ道となる。 【駆け出しツートップ】 藤木隻と横田守。1998年12月に発売された『SeptemCharm まじかるカナン』で、テリオスにおいて初めて一緒に仕事をし(藤木はサブシナリオ)、2000年8月発売の『ELYSION 〜永遠のサンクチュアリ〜』でタッグを組み、名作を世に送り出したこのコンビ。 しかしそれ以前に、共に仕事をしていたのが本作(横田氏は「格闘原画マン」でクレジットされている)。ただし物語自体が短く、非常にお手軽な仕上がりであるため、本作から後の片鱗を窺い知る事は難しい。 「林間学校」という余りお目にかかれない題材を使用した本作。コンパクトがメーカー(FOSTER)の方針だったのかも知れないが、少なくとも藤木氏には思う存分に仕事をさせて欲しかった所。
結局女装がバレてもパニックにもならないし、修羅場にもならない。それでも、主人公に女装をさせた真の目的は、問題児達の気を引く事だったというオチには、不思議な納得感がある。 |
初稿:2005.02.03 |
林間学校
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