::: エロゲーの殿堂 :::

車輪の国、向日葵の少女

初夏。
罪を犯すと『特別な義務』を負わされる社会。
罪人を更正指導する『特別高等人』という職業を目指す主人公・森田賢一は、その最終試験のため、とある田舎町を訪れる。
『1日が12時間しかない』『大人になれない』などといった義務を負う少女たちと学園生活を送るが、
『恋愛できない』少女・夏咲と出会ってから、賢一の歯車が狂いだす。
崖にひっそりと建てられた自分の墓、山間洞窟に隠された父親の遺産が次々と賢一を追い詰めた。
贖罪を問われた男が見た、車輪の国の真実とは……。
重厚な世界観を軽妙なタッチで描いた、感動のヒューマンドラマ。

公式サイトより

ストーリー エロ 感動 システム キャラ ボリューム 総計 主人公
Baa Ca Baa Ba Baa Baa 77 Ba
 
メーカー
発売日
定価
シナリオ
原画
備考
:あかべぇそふとつぅ
:2005.11.25(Fri.)
:\7,800-
:るーすぼーい
:有葉
DL版初回限定版あり
 
ジャンル
音声
名前変更
修正ファイル
属性
季節
:AVG
:○
:×
:○
:謎,学園
:夏季
 
OS
CPU
メモリ
DVD-ROM
解像度
HDD
:Windows98SE/2000/XP
:PentiumV800MHz以上
:256MB以上
:倍速以上
:800×600,FullColor以上
:500MB以上
 
◆ 舞台 ◆
 超難関資格である「特別高等人」を目指す主人公「森田賢一」。最終試験場として選ばれた片田舎の町で、当地の学園に編入して学生生活を送りながら、最後のテストのクリアを目指すこととなった。

 ゲーム内の期間は不明。移動場所は校舎や学園寮、商店街等の町一帯となる。
 
◆ ターゲット ◆
 攻略可能な女性は4人。内訳は活発、委員長、内気、姉が各1名ずつ。Hシーンは全て和姦。回数は1人に付き1〜2回。シチュエーションはごくノーマルだが、1シーンだけ足コキあり。女性陣は全員処女だが、フェラはほぼ毎シーン用意されている。
 
◆ システム ◆
 各種音量調節、オートモード、テキストスピード調節、過去ログ(音声履歴有り)、スキップ(既読・未読判別可)を搭載し、随時セーブ・ロードも可能。セーブスロットは全150箇所のサムネイル・コメント付で、データ保護の指定も出来る。オートセーブも可。テキストはマウスホイール対応で、画面効果の調整も出来るが、ディスクレス起動は不可。
 
◆ シナリオ ◆
 マルチエンド形式のAVGで、エンディングは9種類。基本は女性1人に付き1つの個別エンドと、みんなで仲良く暮らすハーレム(?)エンドであり、その他は各種バッドエンドとなっている。
 ストーリーは全5章に分かれており、各章ごとに対象となる女性の抱える問題を解消して行くことになる。特定の女性に狙いを絞った選択をすれば、最後に個別エンドに分岐するという流れ。そのためどの女性を選ぶとしても同じイベントを消化しなくてはならず、必然的に共通シーンが非常に長くなっている。

 最難関の試験を突破するまで、あと一歩という所に上り詰めた主人公。その最終試験場は、何の因果か幼少の頃に暮らしていた懐かしい古里。かつて友人達を裏切って町を脱出して以来の、7年ぶりの帰郷となった。
 
◆ 総評 ◆
【一流への道】
 本作の舞台となるのは現代の日本とは似て非なる、通称「車輪の国」と呼ばれる架空の国家。この国では教育刑論に基づき、犯した罪に応じた罰を与え、一般社会生活を送らせながら罪人の更生を図る。そのため彼ら罪人達を特別高等人が常時監視しつつ更生へ導くという、およそ強権国家でしか運用出来ないシステムではあるが、犯罪者の更生プログラムとしては一見理想的にも思える。
 しかしストーリー中で主人公と係わる罪人達は、そもそも犯罪と呼べるほどの罪では無かったり、それ以前に冤罪であったりと、既にこのシステムの破綻している様子が描かれている。
 主人公自身もこのシステムに大きな疑問や懐疑の念を抱いてはいるが、ある理由のため、このプログラムを忠実に実行し、かつ守護する最高峰の番人である特別高等人を目指して行く。

【ファンディスク】
 2007年1月に本作のFDとなる『車輪の国、悠久の少年少女』が発売された。本編の主人公を監督した特別高等人の若き日のエピソードがメイン。これをクリアすると、本編でアッサリ射殺された女性のショートストーリーが現れる。その他にはヒロイン4人の後日談もあり、Hシーンは1人に付き3〜4回としっかり用意されているが、ストーリーそのものは平板で、大した盛り上がりも無く終わる。ここまでクリアすれば最後にオマケのショートストーリーが出現するという仕組み。ほぼフルプライスだけあって、全体としてはかなりのボリューム。
 この作品の主軸は、本編でも圧倒的な存在感があった「法月」。彼がどうして主人公を引き取ったのか、物語終盤の行動の意味、そして本編の最終試験後に彼の選んだ道などが、ガッツリと描かれた力作。

 

 最大の難点である共通シーンの長さも、実質一本道のシナリオだと捉えればやむ得ないか。複雑で説明の面倒な背景設定ではあるが、そこを上手くストーリーに組み込んでプレイヤーを作品世界に引き込む構成はお見事。ヒロイン達が霞むほど「法月」のキャラが立ってしまったが、その点も巧みにファンディスクで回収している。
 

初稿:2009.05.01

車輪(しゃりん)(くに)向日葵(ひまわり)少女(しょうじょ)

 

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