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スキノカタチ

2年前、アメリカに単身赴任に行った親父が、突然死んでしまった。俺にとってはたった一人の肉親だった。
後に残されたのは、しばらく働かずとも学生として生活していける金と、一人で暮らすには広すぎる殺風景な家だけ・・・。
のはずだったが、とんでもない置き土産があった。
なんと、向こうで結婚していた相手(俺にとっては義理の母親になるわけか)が日本にやってきて、
俺と一緒に住むって言うじゃないか。

しかも、その義理のお袋さんには連れ子がいて、それがまた厄介な事に可愛い女の子と来ている。
向こうは俺のことを「おにいちゃん」と慕ってくれるが、俺にとっては一人の「女の子」。
それが一つ屋根の下で一緒に住むって言うんだから、俺はどうすればいい?

急に人間関係がややこしくなってきた。この話を聞いた幼なじみの沙久弥は急に俺に冷たくなるし、
良く行くゲーセンのお姉さんにもやたら説教されるようになるし。勘弁してほしい。

果たしてこれからどういう事になるのか。
神のみぞ知るというかんじだが、ともかく、親父の遺言どうり「仲良く」やっていけるようがんばっていくとしよう。

公式サイトより

ストーリー エロ 感動 システム キャラ ボリューム 総計 主人公
Ca Ca Caa Ca Ca Ca 45 B
 
メーカー
発売日
定価
シナリオ
原画
備考
:SARANG
:2000.10.13(Fri.)
:\8,800-
:−
:吉田うに
:−
 
ジャンル
音声
名前変更
修正ファイル
属性
季節
:AVG
:○
:×
:○
:純愛
:盛冬
 
OS
CPU
メモリ
CD-ROM
解像度
HDD
:Windows95/98
:PentiumU266MHz以上
:64MB以上
:4倍速以上
:800×600,FullColor以上
:300MB以上
 
◆ 舞台 ◆
 父子家庭で育った19歳の主人公「天野徹也」は、「城南大学」に通う2年生。唯一の肉親である父親が急逝してから一週間後。父親の再婚相手である、アメリカ在住の義理の母とその娘が急遽来日した。

 ゲーム内の期間は12月21日から始まって正月までとなるが、実質は23日までの3日間。移動場所は自宅をメインとして隣家や商店街、大学など、日数が限られている割には広範囲。
 
◆ ターゲット ◆
 攻略可能な人数は登場数と同じ5人。内訳は幼馴染1、義母1、義妹1、同級生(巫女)1、お姉系1。Hシーン数は女性によって差がある。最少は幼馴染の1回で、最多は義妹の5回。
 Hシーンにはアニメーションが使用されている。通常、1回のシーンで2カット用意されており、1カットの中でも一応の変化はある。また、発射シーンもほぼ配備されている。画風からかエロさは余り感じさせないが、及第点には達しているクオリティ。
 特殊なシチュエーションは、奴隷エンドにおける母子3PがSM風味である点(アニメ無し)、他は義妹にアナルHがある程度で、基本的には和姦ノーマル路線。
 
◆ システム ◆
 各種音量のON・OFF、テキストスピード調節(2段階)を搭載し、随時セーブ・ロードも可能(スロット10)。スキップはスペースキー強制で、既読・未読判別は不可。過去ログやオートモードは非搭載で、ディスクレス起動も出来ない。シーン回想は無く、アニメの閲覧のみ。
 システム周りも不安定なため、修正ファイルの使用は必須事項。それでも、再起動するとセーブファイルの日付は消えてしまったり、BGMをOFFにしてもタイトル画面の音は消えないなど問題点は多い。
 
◆ シナリオ ◆
 マルチエンド形式のAVGで、エンディング数は6種類。その他にも、誰とも結ばれずに終わるバッドエンドや、純愛系の本作では事実上バッドエンド扱いの奴隷エンドも用意されている。
 全てのHシーンを回収するためには、バッドエンド直行と分かる選択肢でも選ばなくてはならない。

 父親の死後に突然やって来た義理の母子。これから甘い同居生活が始まるかと思いきや、あくまで年末年始だけの短期滞在となる。しかも実質は3日間で全てが決まるという、文字通り短期決戦。
 その3日間で特定の女性のルートが確定すると、その後は「クリスマス」「正月(初詣)」と、いきなりストーリーがすっ飛び始め、その勢いでエンディングを迎えるという実にせわしない構成。
 
◆ 総評 ◆
【真のヒロインは?】
 パッケージや人物紹介を見れば、明らかに本作のメインヒロイン格は幼馴染。しかし実際に物語中でもその地位を保っているかとなると、かなり微妙。むしろストーリーが始まるきっかけとなった義理の母子の方に重点が置かれているように思われる。
 エンディング数は他の女性と同様、幼馴染が1種類であるのに対して義妹は2種類。加えて母子には、本作の中では異色の奴隷エンド(母子丼)が2パターンも用意されている。そして肝心のエロも幼馴染はたった1種類しかないが、母子(特に義妹)に用意された数はそれを上回っている。
 幼馴染という絶好のポジションを与えられてはいたものの、実質的には母子を引き立てるための当て馬でしかなかった哀しきメインヒロイン。

【素材が泣いている】
 世話好きの幼馴染に、ヤキモチ焼きの義妹、そして清楚で美しい義母。ベタではあるが、このキャラ配置であれば盛り上がる要素は十分ある。しかし全体を通してみると、結局これらの好材料を生かし切れないまま終わってしまった。
 如何せんエンディングへのルート確定までが僅か「3日」というのは余りにも短すぎる。特にバイト先のお姉さんは、ほとんど物語に絡んで来ないのにいきなり「HAPPY END」を迎えてしまうのはいかにも無理がある。奴隷エンドにしても、突如主人公の人格が豹変してしまうのには、思わず首を傾げてしまう。
 全ての純愛AVGが大作である必要はないが、コンパクトであっても物語の起承転結はそれなりに押さえて欲しい所。

 

 女性陣は程度の差こそあれ、全員最初から主人公に好意を寄せている。しかし当の主人公は極度の朴念仁。これを振り向かせるために、各々がどのようなアプローチをかけていくのかが、好意的に解釈すれば本作の見所となる。義妹は押しまくり、幼馴染は引いて待つ。同級生は2つの人格を使い分け、お姉さんはお節介を焼きつつ隙を窺う。それら全てが女性達の「スキノカタチ」という事。
 

初稿:2005.06.08

スキノカタチ

 

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