::: エロゲーの殿堂 ::: |
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◆ 舞台 ◆ |
「粛正音楽学院」女子寮の管理人として潜り込む事に成功した主人公「臭作」。その目的は、目を付けた寮生達を陵辱する事にあった。管理人に成りすましてから1ヵ月が経過し、遂に計画を実行段階へと移す。 ゲーム内の期間は土曜日の17時から始まり、月曜日の5時までの実質一日半となる。移動場所は、寮生の部屋や脱衣場といった寮内の各所に限られる。 |
◆ ターゲット ◆ |
攻略可能な女性は8人。女教師1名を除き、後は全員女子高生。内訳は、高飛車、清楚、眼鏡(以上3年生)に、ボーイッシュ、ロリ系、ギャル系(以上2年生)となり、残る1人が1年生のメインヒロインという中々のバランス配分。 Hシーンはほぼ陵辱で占められている。基本的には4種類の体位とフェラ、そして縄縛と剃毛を全員に行う事が可能。「臭作視点」と「プレイヤー視点」の2種類の構図がそれぞれのHシーンに用意されている。ただしメインヒロインのHシーンはバリエーション無しの1回限り。 Hシーン自体は濃いものの、フィニッシュや汁描写は甘い。また、DVD版で追加されたHシーン(1つ)を除き、女性陣の局部はモザイク無しのツルツル仕様。 |
◆ システム ◆ |
各種音量調節を搭載しているが、既読・未読判別は無く、スキップはCtrl強制。セーブは特定のポイントに限られ、ロードはタイトル画面からのみとなる。セーブスロットは当初1つしかないが、女性を攻略するごとに1つずつ増えていく仕組み(最大8)。過去ログやオートモードは非搭載で、ディスクレス起動も不可。 盗撮シーンにビデオカメラを用いれば、ショートアニメを見る事が出来る。当該シーンは鑑賞モードには登録されず、スケジュール表から閲覧する事になる。また、フルボイス化に伴って臭作にも声が当てられたが、音声OFFは出来ない。 |
◆ シナリオ ◆ |
一本道のAVGで、たった1つのエンディングに到達するまで延々とループし続ける仕組み。周回数はカウントされており、スケジュール表のデータも引き継がれて行くため、次第に女性達の動向が把握できるようになる。 「盗撮AVG」と銘打たれている通り、ひたすら盗撮を繰り返して脅迫ネタを探す事がメインとなる。スムーズに脅迫ネタを回収して一定の条件を満たせば、1周目の終わりからでもエンディングへのルートに入る事は可能。しかし基本的には複数回プレイが前提となっているため、自力での全CG回収は結構骨が折れる。 前作『遺作』の実弟であり、タイトル名でもある「臭作」が本作の主人公となるが、その臭作とプレイヤーが会話をしながらストーリーを進めて行くという一風変わったスタイル。そのためプレイヤーは、女性達と臭作との会話を第三者視点で眺める事になる。 プレイヤーは臭作に指示を出して操っていくわけだが、その臭作自身も自我を持っており、時にはプレイヤーの指示を無視して勝手に動く場合もある。この辺りの微妙な関係が、エンドルートへの伏線となっている。 |
◆ 総評 ◆ |
【私にも敵が見える】 ニュータイプばりの鋭い感性で、臭作の仕掛けた盗撮カメラを次々と撃墜するメインヒロイン「高部絵里」。そんな彼女に対して、いかに追い込みをかけるかが本作の真の目的。実際彼女を追い詰めない限り、エンディングに辿り着く事は出来ない。 ところが苦労を重ねて彼女を追い詰めても、プラトニックなままエンドを迎えてしまい、肝心のHシーンは無い・・・というのが、1998年に発売されたCD版の話。それでも物語自体は綺麗にまとまっており、Hシーンが無くても特に違和感は無かった。 しかしその後も絵里のHシーンを望む声は意外に強く、CD版より約3年後に発売された本作で、待望のHシーンが追加される事となった。ラストのオチはCD版と同じであるため、矛盾が生じないようにストーリーは微調整されている。 【OVAでも引っ張る】 1999年4月にピンクパイナップルより『臭作 第一章』が発売される。その後『第二章,第三章』とリリースされて完結したが、原作との整合性を重視したためか、絵里とのHシーンは無し。 2000年7月には『臭作〜Replay〜 第一夜』が発売され、新シリーズがスタートした。翌年1月までに『第二夜,第三夜,第四夜』まで発売されて完結。3月には前シリーズと合わせた総集編『臭作SE-X FILE』がリリースされている。女性陣がかなり肉感的になるなど、作画レベルやエロ度は前シリーズから大きく上昇したが、ここでもやはり絵里とのHシーンは無く、そのガードの堅さを見せ付けた。 そして2003年3月、『臭作〜Liberty〜 前編』として三度新作をリリース(後編で完結)。2001年発売の「DVD-ROM版(ゲーム)」で絵里のHシーンが追加された事を受けて、OVAシリーズでも遂に解禁された。と言うより、これまで引っ張り続けた鬱憤を晴らすかの様に、完全に絵里のHシーンのみに焦点を当てた構成。 こうしてOVAも4年の月日を経て、ようやく終わりを迎えた。
トゥルールートのためのプラトニックなキャラに過ぎなかった「絵里」が、いつの間にか難攻不落な鉄の女として話題になってしまった本作。しかし前述の「主人公≠プレイヤー」とした点や、単に陵辱ゲームとして終わらせなかった点などストーリー性は高く、さすがに16万本の売上(CD版)はダテではない。 |
初稿:2005.07.21 |
臭作 DVD-ROM版 |