::: エロゲーの殿堂 ::: |
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◆ 舞台 ◆ |
とある学園1年生の主人公「河野貴明」は、両親が長期出張中ながらも特に不自由なく、ごく平穏な日々を送っている。進級を1ヵ月後に控えた3月、1つ年下の幼馴染も同じ学園への入学が決まっていた。 ゲーム内の期間は3月1日から最長で5月18日までの約2ヵ月間。移動場所は学園内各所と自宅が中心となり、街中や水族館等に出掛ける場合もある。 |
◆ ターゲット ◆ |
攻略可能な女性は11人。内訳は上級生2、同級生4、下級生3(双子1組)、メイドロボ1、宇宙人1となっている。 Hシーンは全て和姦。回数はそれぞれ1回ずつだが、大半の女性は1シーンの中に2、3ラウンドは織り込まれている。フェラやパイズリ、アナルといったシチュエーションが用意され、前戯もこなすキッチリとした内容。また、尺も長めにとってあり、テキストも割合濃い目の仕上がりで、純愛系としては意外な健闘を見せている。 |
◆ システム ◆ |
各種音量調節、オートモード、テキストスピード調節、過去ログ(音声履歴有り)、スキップ(既読・未読判別可)を搭載し、随時セーブ・ロードも可能。セーブスロットは全100箇所でサムネイル付。テキストはマウスホイール対応で、画面効果の調整やディスクレス起動も可。シーン回想はサムネイル付で、回想途中でも選択画面に戻れる。 主人公の名前変更も可能だが、標準設定のままでプレイすれば女性達が名前を呼んでくれる。 |
◆ シナリオ ◆ |
マルチエンド形式のAVGで、エンディングは10種類。基本は女性1人に付き1つの「HAPPY
END」だが、双子は1組で扱われ、個別エンドは無い。その他に誰とも結ばれずに終わるエンドも用意されている。いずれかのエンディングに到達しないと出現しない女性もいる。 MAP選択移動型で、女性の居場所もアイコンで表示される。会話画面はビジュアルノベル型。各女性のストーリーは独立していて、他のルートの女性が恋敵として絡んでくる事は無い。むしろ女性陣は、自分以外のルートでは積極的に主人公の恋の応援に回る。 基本はごく普通の純愛学園物だが、一部ファンタジー系のストーリーもある。 本作には本編の他にミニゲームとして『スイーツスクランブル』『どきどきパニックライブラリー』の2本が収録されている。前者はシューティングで、後者は落ち物風のミニゲーム。両作共に、エンドに到達したキャラが選択可能となる。ゲームパッド必須。 |
◆ 総評 ◆ |
【じれったい愛】 女性との付き合いが苦手な主人公は、今一つ積極的になれず後手に回るケースが多い。女性陣からアプローチをかけられても戸惑うばかりで中々踏み出す事が出来ないため、プレイヤーをもどかしい気分にさせる事もしばしば。周囲の温かい人々に支えられ、背中を押されてようやく決断に踏み切るという格好。 本来であればさっさと終わる話をダラダラと引っ張っているだけの印象が強い本作。とにかく主人公は現状維持がモットーで、現時点での女性達との関係を壊したくないという思いがかなり強い。その姿はいかにも情けなく映るが、傷付く事を極度に恐れる人間にとってはごく自然な防衛行動ともいえる。 【正統進化】 本作は2004年12月にPS2でリリースされた『ToHeart2』のリメイク。サブタイトルに「XRATED」と付された通りHシーンと、攻略可能なキャラが新たに1名追加された。 前作となる『ToHeart』は1997年5月に発売された作品。ビジュアルノベルという形式やゲーム内での期間設定等、ベースは前作の路線を引き継いでいるものの、ストーリー自体に直接的な関連は無い。その他にも、快適なシステム周りやフルボイス化など、さすがに8年の歳月が経過しているだけあって、各所は大幅に進化している。
終盤には一応の山場が設けてあるものの、ストーリーは至って平板であり、約2ヵ月という期間が悪い意味で長く感じる作品。追加されたHシーンも、純愛系ならではの終盤一回切りの「ご褒美H」の壁は崩せなかった。 |
初稿:2006.03.09 |
ToHeart
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