::: エロゲーの殿堂 ::: |
◆ 舞台 ◆ |
150年の長きにわたって戦争を続けている「光」と「影」の一族。しかし影の一族の王子である主人公「アストラル・ウィンド」は大王の命により、戦いには参加させてもらえなかった。それでも婚約者に認められるために、旅立ちを決意する。 ゲーム内の期間は不明。移動場所は地下城の各フロアとなり、敵に制圧された地区を奪回して行く事になる。 |
◆ ターゲット ◆ |
多数の女性が登場するが、主人公の攻略可能な女性は3人。内訳は猫耳娘、お姉系、清純系が各1名ずつとなる。主人公には婚約者がいるものの、Hシーンは無し。 前述の3名もフィニッシュ描写のない非常にソフトなものばかりで、Hシーンは無いに等しい。他の女性のシーンも全てサービスカットどまりで、エロ面は極薄。 |
◆ システム ◆ |
各種音量調節、過去ログ(音声履歴無し)を搭載し、一度行った場所はMAPクリックでのオート移動も可能。シーン回想はサムネイル付。 ロードは随時可能だが、セーブは特定の箇所(宿屋等)での就寝時に限定される(スロット7)。スキップはCtrl強制で、既読・未読判別は無し。フルスクリーン固定で、ディスクレス起動も不可。 |
◆ シナリオ ◆ |
【Light,Shadow,and
the Dark】 マルチエンド形式のアクションRPG(移動画面は3D型)で、エンディングは5種類。ラスボスを倒した後に、どの女性を選ぶかで分岐するが、基本的には一本道のストーリー。全2部構成の物語で、2部は1部より20年後の設定となっている。 RPGパートは中々のバランスで、初心者でも対応できる難易度。ただしラスボスはある程度のレベルに達していないと相当な苦戦を強いられる。「マスターレベル」に達すると、フィールドから敵が消滅する仕様。 かなりうろつかないとCGを取りこぼす事になるため、時には制圧済みのフロアや本拠地に戻る必要もある。 元は1993年にPC98版で発売された作品のリメイク。基本ストーリーはほぼ同じだが、ゲームシステムから原画まで一新され、もはや別物の作品に生まれ変わっている。 【琢磨呂劇場再演】 本作にはオマケとして『ワーズ・ワースの人々』が収録されている。『野々村病院の人々』の主人公「海原琢磨呂」がワーズ・ワースの世界に召還される所から始まるというファンディスク的な内容。オマケながらそこそこのボリュームで、クリアまでには結構な時間を要する。 時系列的には、本編の1部と2部の間に位置する物語。メインヒロインは「シャロン」となり、Hシーンも用意されている。また、本編ではゲストキャラとして登場していた『同級生2』の「長岡芳樹」も大いに活躍している。 |
◆ 総評 ◆ |
【Yin&Yang】 1部と2部ではポジションが大きく異なる主人公。1部では味方の劣勢を跳ね返し、名立たる剣士を倒し続けるなどの活躍を見せる。2部では逆に、1部で敵として戦った陣営に加わり、先頭に立って自軍を勝利へと導く事になる。 所属する陣営だけでなく、その他でも主人公の立ち位置が変わっている。1部では温室育ちのひ弱な若きプリンスとして戦い、多くの仲間に見守られていた。2部では一転、かつての自分と同じ境遇の味方の王子を見守る立場となる。また1部では婚約者を奪われそうになるという苦い思いを味わうが、2部では他人の婚約者を奪う側になる。 主人公は記憶を失っているが、プレイヤーは主人公の目を通して、物事の主観と客観を体験する事が出来るという巧みなストーリー構成。 【OVA】 1999年8月に「GREEN BUNNY」から『ワーズ・ワース VOL.1』が発売された。その後翌年11月までに『VOL.2,3,4,5』の計5本がリリースされて完結。2001年2月には全編を80分に編集した『総集編』も発売された。更に2002年には「外伝」として『前編,後編』の全2作もリリースされている。 ストーリーは、細部は変更されているものの、基本的には原作通り。作画はPC98版ではなく本作に沿っており、及第点に達するレベル。エンディングはキチンとシメずにぼやかした感じで終わり、やや消化不良気味。 外伝2作は原作1部におけるアナザーストーリーで、ゲームではサブキャラとマイナーキャラだった女性2人がメインヒロインとなっている。 注目は、ゲームでは中途半端に終わっていた女性達とのHシーン。それほど濃くはないが、OVAではちゃんと描かれている。エロ面の弱い原作を補完する意味では十分な仕上がり。
純粋培養だったが、戦いに参加して力を付け、友人の死なども経験して徐々に変わって行く主人公。そんな主人公の急速な変貌に驚き戸惑う仲間達。最後はありがちな勧善懲悪で締め括られるものの、全体としては光と影の一族の正体や世代間の因縁などを絡めてうまくまとめ上げている。 |
初稿:2005.09.26 |
WORDS・WORTH
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