::: エロゲーの殿堂 ::: |
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◆ 舞台 ◆ |
かつて世界を恐怖の底に叩き落した魔王たる主人公「サガ」。月日が流れて肉体は蘇ったものの、未だその魔力は完全には戻らぬまま。そんな中、魔王復活を知った勇者達が主人公の討伐に立ち上がる。 ゲーム内の期間は不明。移動場所は洞窟や神殿、草原など全7箇所。 |
◆ ターゲット ◆ |
攻略可能な女性は6人。内訳は戦士(人間)、僧侶(人間)、武闘家(エルフ・褐色)、魔法使い(エルフ・褐色)、姫(エルフ)の5名が勇者で、魔女(青色)のみが主人公サイド。アナザーカラーパッチを使用すれば、魔族固有の青い肌色を人間風にも出来る。 Hシーンは和姦と陵辱の両建て。主人公が敗北すると勇者達に逆レイプされるが、コミカルな仕上がりで悲愴感は無く、陵辱色は事実上ゼロ。 「通常」「快楽」「男攻勢」「女攻勢」の大きく4つのシチュエーションに分けられ、男女それぞれの「えろさ」によってセリフ等も変化する。基本体勢は「騎乗位」「正常位(変則型)」の2パターンから始まり、途中で騎乗位→フェラチオ、正常位→イラマチオへの変更可。マウスドラッグによって男女の手足の位置を変えることも出来るので、基本体位に多少の変化も付けられる。伝説の49手目「ヨシムラ」も自作可能。 |
◆ システム ◆ |
各種音量調節、画面効果の調整を搭載しているが、セーブ・ロードはMAP選択時のみで、スロットは全10箇所。テキスト表示が無いため、スピード調節や過去ログも無く、ディスクレス起動も不可。シーン回想では、回想途中でも選択画面に戻れる。「えろさ」の調整や場所選択など本編同様の再現が出来るものの、処女喪失シーンは未収録。 |
◆ シナリオ ◆ |
一本道のAVGのため、エンディングは1つ。ひたすらMAP上を逃げ回り、本来の力を取り戻すのが最終目標。何度倒しても続々と復活する勇者達からとにかくエスケープ。全てのステータスが「S」になった時に出現する敵を倒せば、ようやくエンディングを迎えられる。 戦闘は「ポージングバトル」という形式で行われ、登録済の技の他に、オリジナルの技を作成することも出来る。バトルには「属性」等の要素も織り込まれているが、実際は既存の技によるカウンターアタックのみでのクリアも可能。とりあえずエンドまで到達したいというプレイヤーは、何の面白味も無いがそれで十分。 戦闘に敗北すれば勇者達とのHに突入。Hのスキルは上がるが各ステータスは下がり、逆に勇者達はどんどん強くなるという仕組み。大切なのは逃げてレベルアップすることであり、勇者達を倒しても余り意味は無い。そのため分散して追って来る勇者達の追跡を、いかに効率良くかわすかが本作のキーポイント。戦闘で敗北しても、Hで勝って逃げ切るという手段もあるが、かなり厳しいので素直に戦闘での勝利を目指すのがベター。 |
◆ 総評 ◆ |
【エロパロディ】 本作に登場する主人公(魔王)の敵の内、「戦士」「魔法使い」「僧侶」のコスチュームは明らかに『ドラゴンクエストV』を意識したもの。さらに後述の『デジタル勇者』では「カンダタ」も登場する。その他にも、お馴染みのセリフなどが随所に散りばめられている。 もっとも意識しているのはその程度で、別に彼らがパーティーを組んで戦うわけではなく、また「勇者」という固有の職業があるわけでもない。魔王を追う戦士や僧侶は、全員が勇者という大雑把な設定。それでも、僧侶の破れた黒タイツ姿、戦士の肉感的なビッグボディなど、いやらしさだけは破壊力抜群。 レイプレイ騒動により、とばっちりの逆風の中でリリースされた本作。にも係わらず、エニックスが見たら眉を顰めるようなテーマをぶつけて来るあたり、このメーカーの度胸も並大抵ではない。 【デジタル勇者】 本作をクリアすると「デジタル勇者」という拡張ソフトが使用可能となる。これは「マリオネットシステム」と銘打たれた3Dフィギュアで、登場キャラ達にお好みのポーズをさせられる。このソフトにしか現れない敵キャラ(化物)やアイテムも用意されており、本編では見られなかった、1シーンの中に複数のキャラを配置することも可。その他にも表情や躍動感を出す演出など、手間暇をかければ凝った設定も出来る。 単なる撮影用のソフトなので、本編の様な3Dムービーや音声は無い。この形式は後に『でじたるメイト』として受け継がれ、商品化されている。
エロゲーという性質を鑑みれば、技の登録よりも体位の登録の方が余程重要だと思われるが、そこはエロスよりもゲーム性を重視した格好。この半歩ズレた感覚こそがメーカーの真骨頂であり、ドM信者を絶え間なく獲得している要因でもある。 |
初稿:2011.07.02 |
勇者からは逃 |